閃輝暗点は危険?放置リスク・原因・対処法について徹底解説
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閃輝暗点(せんきあんてん)とは
閃輝暗点とは、突然視野の中にギザギザした光の波がでてきて、四方に拡がり、その部位が暗くはっきり見えなくなる現象です。
主に片頭痛の前兆として現れやすいものの、なかには頭痛を伴わない閃輝暗点もあります。頭痛がない閃輝暗点では何らかの異変が脳で起こっている可能性があるため、医療機関を受診してください。
閃輝暗点の症状
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< 閃輝暗点の見え方 >
突然視野の真ん中あたりにきらきらした点が現れ、ギザギザした光の波が拡がっていきます。10-20分くらいでギザギザはなくなることが多いです。
その症状は目を閉じていても見えます。症状が治まったあと片頭痛が起こることが多いです。頭が重い程度から吐き気・嘔吐を起こすこともあります。大体1日位で収まります。
若い方の場合、年齢と共に回数が減ることが多いです。中年で閃輝暗点だけで片頭痛が起こらない場合、まれに脳梗塞・一過性の脳血流障害や、器質的病変が原因であることもあり、また、てんかんの症状として起こることもありますので、MRI検査、脳波検査を受けることをお勧めします。
閃輝暗点の原因
脳の視覚をつかさどる中枢(視覚野)に流れている血管が収縮し、一時的に血の流れが変化するために起こると考えられています。
低気圧などの気圧の変化や、睡眠不足、ストレスがたまったあと、ほっとした時に起こりやすいです。
収縮した血管が拡張したために、血管の周りの神経を刺激し、片頭痛が起こると言われています。
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閃輝暗点の治し方
引き金になったと思われる原因を見つけられれば、避けた方がいいでしょう。閃輝暗点が出た際は、静かな暗室で安静にしてください。
頭痛を伴う場合は片頭痛の前触れであることもあるので、早めに片頭痛を抑える薬を飲むことが大切です。
頻繁に閃輝暗点と片頭痛を起こす人は常備薬を持っておき、階段の登り降りやお辞儀をした時に目の奥やこめかみがズキズキする頭痛があるときは早めに飲むことをお勧めしています。
片頭痛以外の閃輝暗点症例
もやもや病による脳出血
目がチカチカしておさまらないため眼科を受診。視野検査にて両目とも左側の視野が欠けているとのこと。
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T2star にて、右外側膝状体に出血あり
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MRAにて、内頚動脈終末部と中大脳動脈、前大脳動脈の狭小化ともやもや血管を認める。
脳腫瘍(左鞍結節部髄膜腫)
数か月前からギザギザした光が見え5分で消える。
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赤矢印:腫瘍
青矢印:左視神経
内頚動脈閉塞
半年前より左目にグレーのキラキラしたプリズム状の物が見え、その部分が見えにくくなる。1日に数回起きる。
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MRAで左内頚動脈閉塞を認める。
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前交通動脈を介した cross flow により逆行性に左内頚動脈、眼動脈の描出を認める。
海綿状血管腫によるてんかん
右眼が見えなくなる発作あり。様子をみていたら全身けいれんあり。
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MRIで左後頭葉に海綿状血管腫を認める。
症候性てんかんと診断し、投薬加療で以後発作なく経過。
内頚動脈狭窄
右眼が見えにくくなる発作が最近増加している。
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エコーで右頸動脈にプラークあり。黒内障と診断し、抗血栓薬の開始で発作は消失。