お子様の頭痛の診断、治療について
頭痛はあくまで自覚症状であり、その診療は容易ではありません。
頭痛を訴えることは幼少時期からあります。
こどもは言葉でうまく伝えることができなくて、周囲の大人から気のせいと言われて放置されてしまうこともあります。
こどもの頭痛にも、もやもや病、クモ膜下出血、脳腫瘍など命に係わる恐い頭痛もありますが、実際的には風邪などによる感染症を除けばほとんどが片頭痛です。
小児の片頭痛の有病率は、1.7〜21.3%であり、決してまれな疾患ではありません。
中学生で4.8%、高校生で15.6%と年齢とともに増加します。
小児期の頭痛の問題点としては、欠席原因となり学習障害などもあります。
【密着】初めての頭痛外来に受診する14歳の女の子に密着
監修:いわた脳神経外科クリニック 院長 岩田亮一
こどもの頭痛と関連する生活習慣は?
- 1日のゲーム時間
- 1日のテレビ視聴時間
- 週4回以上の習い事
- 7時間以内の睡眠時間
- 朝ごはんの有無
こどもの片頭痛の予兆
片頭痛発作の数時間から数日前からみられるもので、あくび、肩こり、疲労感、集中困難、過敏性などの症状があります。こどもは気が付かないので、親が気づいてあげる必要があります。
[片頭痛の症状経過]
小児の片頭痛に関わらず、片頭痛の痛みの特徴は、徐々に頭痛が悪化し、体動によって、頭痛が増悪することです。体を動かすことで頭痛が悪化するために横になって動かなくなってしまう子も多いです。さらに光や音などに対する過敏性から頭痛が増悪し、高頻度に嘔気や嘔吐を伴います。頭痛発症後には毛髪のピリピリ感や手足のしびれ感といったアロディニアを伴うことがあります。頭痛のピークを過ぎると、徐々に眠気をきたします。眠るとすっきりしますが、重度の頭痛発作の際には疲労感が残存します
片頭痛の誘因
ストレス、精神的緊張、疲労、睡眠不足、睡眠過多、天候変化、生理、食品
気を付けること
- 規則正しい食生活と睡眠リズム
- 運動習慣
- 誘因を避ける
共存症
副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎はそれ自体でも頭痛の原因になるが、睡眠に影響を与え片頭痛の増悪因子になります。
連日のように頭痛がある場合は精神疾患や発達障害の併存も考慮します。
小児の頭痛の予後は?
頭痛専門外来における8年間の追跡結果では、寛解34%、改善45%、悪化6%、不変15%と報告されています。
小児の2次性頭痛
- 全身性感染症による頭痛
- 頭部外傷後
- 副鼻腔炎
- 髄膜炎・脳炎
- 脳脊髄減少症
- もやもや病
- 脳腫瘍
- 脳膿瘍
- 頭蓋内出血
- 脳動静脈奇形
- キアリ奇形
- ラトケ嚢胞
- 水頭症
- ミトコンドリア脳筋症
- 高血圧
- 薬剤の使用過多による頭痛
- など
朝起きられない・立ちくらみをともなう頭痛 ―「起立性調節障害」
保護者の方へ
お子さんが「頭が痛い」と言うたびに、心配で、でもどうしてあげればいいか分からない――そんな夜を過ごしていませんか。
学校を休みがちなわが子に、つい「頑張って起きなさい」と言ってしまい、あとで自分を責めた。そんな親御さんに、私たちは何人もお会いしてきました。でも、どうかご自分を責めないでください。朝起きられない・午前中の頭痛・立ちくらみは、「甘え」ではなく、成長期の体に起こる“理由のある不調”かもしれません。
大切なのは、「よくある頭痛」で片づけず、まず“危険な頭痛ではないか”をきちんと確かめること。私たちは脳神経外科のクリニックとして、放射線を使わない即日MRIで、その日のうちにお子さんの頭の中を確認できます。
お子さんの笑顔と、当たり前の毎日のために。どうか一人で抱え込まず、まずは私たちに話しに来てください。ご家族といっしょに、次の一歩を考えます。
いわた脳神経外科クリニック 院長 岩田亮一
中学生・高校生になると、自律神経のバランスが変わりやすく、「起立性調節障害(きりつせいちょうせつしょうがい)」による頭痛が増えてきます。朝起きられない・立ちくらみといっしょに頭痛が出るのが特徴で、「怠けている」と誤解されやすいのですが、体の仕組みによる不調です。
こんなサインはありませんか?
- 朝起きられず、午前中に頭痛や体調不良。午後になると回復する
- 立ち上がったときの立ちくらみ・めまい・動悸
- 頭痛で学校を休みがち、遅刻が増えてきた
- 顔色が悪い、乗り物酔いしやすい
当院の役割
- STEP1 まず「危険な頭痛」でないかを確かめます[当院]
- 脳神経外科クリニックとして、放射線を使わない即日MRIなどで、脳の病気による頭痛がないかを見きわめます。結果はその日のうちにご説明します。
- STEP2 頭痛のタイプを見立てます[当院]
- お話をうかがったうえで、生活リズムや誘因の見直しをご一緒に考えます。ご家族の同席を歓迎します。
- STEP3 必要な場合は小児科・専門機関と連携します
-
起立性調節障害の本格的な治療(生活指導や体調に合わせた治療が中心)が必要な場合は、小児科・専門機関と連携してご案内します。「よくある頭痛」と決めつけず、まずはご相談ください。
あわせて読みたい
- 子どもの頭痛はいつ受診する?/年齢で増える頭痛と学校生活への影響(日本頭痛学会 ガイドライン2021にもとづく解説)
- 中学生の頭痛と起立性調節障害/朝起きられない・立ちくらみと頭痛、鑑別の大切さ
- 起立性調節障害とてんかんの鑑別/まぎらわしい症状の見分け方
- 自律神経の乱れと頭痛/生活リズムと頭痛の関係・改善のヒント
- 小児・思春期の片頭痛予防薬/シプロヘプタジンの解説
出典:日本小児心身医学会「小児起立性調節障害 診断・治療ガイドライン」(小児心身医学会ガイドライン集 改訂第3版)。
※症状のあらわれ方には個人差があり、診断・治療は医師が個別に判断します。本内容は一般的な情報であり、特定の効果を保証するものではありません。
早めにご相談ください ― 受診の目安
次のようなときは、様子を見ずに一度ご相談ください。
- 月に何度も繰り返している(回数が多いほど生活への影響が大きく、予防という考え方が必要になります)
- 学校を休む・保健室・早退が増えた(生活支障度を測る大切な指標で、治療方針が変わります)
- 痛み止めを使う日が増えている(使いすぎが新たな頭痛につながることがあります)
- 頭を打ったあとに頭痛が続く(子どもの二次性頭痛では、頭部外傷が感染症に次いで多いためです)
- これまでと様子が違う(痛み方や場所、時間帯の変化は、確認しておきたいサインです)
すぐに救急の対応が必要なとき
これまでに経験したことのない突然の激しい頭痛、手足のまひ、ろれつが回らない、意識がはっきりしない、けいれん、繰り返す嘔吐をともなうときは、様子を見ずに救急の対応が必要です。ためらわず119番を呼んでください。
呼ぶかどうか迷うときは、救急安心センター(#7119)や、子ども医療電話相談(#8000)にご相談いただけます。
受診のときにお持ちいただくと役に立つもの
- 頭痛のあった日の記録:カレンダーやスマートフォンのメモで構いません
- 使ったお薬:市販薬も含め、名前と使った日数が分かるもの
- 学校の出席の状況:休んだ日数、保健室、早退の有無
- ご家族の頭痛:親御さんやきょうだいに片頭痛のある方がいるか
当院は昼休みをはさまない通し診療です。学校のあとや部活の前後など、来やすい時間を選んでいただけます。検査が必要と医師が判断した場合には、放射線を使わないMRIを当日に撮影できることがあります。
お子さんの受診には、保護者の方の同伴をお願いしています。MRI検査を行うことがあるためです。
子どもの頭痛について、受診の目安や学校生活への影響をさらに詳しく知りたい方は、子どもの頭痛はいつ受診する?(日本頭痛学会 ガイドライン2021にもとづく解説)をご覧ください。
子どもの脳内で何かが起きている⁉️ 脳神経外科医が解説
監修:いわた脳神経外科クリニック 院長 岩田亮一
よくあるご質問
お子様の頭痛でお困りの方は、お気軽にご相談ください。














