脳卒中・生活習慣病外来
脳卒中とは
どんな病気?
脳卒中とは、脳梗塞、脳出⾎、くも膜下出⾎などの脳⾎管障害の総称です。
脳卒中によって死に⾄る症例の数は徐々に減ってはいるものの、⽇本⼈の死亡原因の4位と⾼い⽔準で推移しています。
また、脳卒中後には、⿇痺や認知症などを発症し⽇常⽣活動作に⽀障をきたした結果、⾃⽴した⽣活が送れなくなることもあります。
超⾼齢社会を迎え、寝たきりになってしまう⽅が増えていますが、その最も多い原因が脳卒中です。
脳卒中とは、脳の⾎管が詰まったり破れたりすることで、脳に⾎液が供給されなくなる病気です。
脳への⾎液供給が絶たれると、脳細胞が死滅してしまいます。
脳細胞(ニューロン)は⽪膚や髪の⽑と違って再⽣しないため、⿇痺や意識障害などの後遺症をきたすおそれがあります。
早期に発⾒し治療を開始することが重要です。
一過性の症状であっても、脳梗塞の前触れ発作(TIA*)のこともあるので、放置せずに検査を受けることをおすすめします。
TIAって?
TIAとは、脳卒中の⼀歩⼿前の状態である「TIA(⼀過性脳虚⾎発作)」のことです。
TIAは、脳の⾎管が⼀時的に詰まることで、脳卒中と似た症状が現れますが、通常は数分から数時間で⾃然に改善します。
TIAを放置すると、約10⼈に1⼈が3ヶ⽉以内に脳卒中を発症すると⾔われています。
脳卒中は、後遺症が残ったり、命に関わることもある病気です。
TIAの症状が現れたら、すぐに医療機関を受診することが重要です。
脳卒中の種類
脳卒中には、主に以下の3つの種類があります。
脳梗塞
脳の⾎管が詰まることで起こります。
⾎管が詰まる原因は、動脈硬化によるプラーク(⾎管壁に付着したコレステロールなど)や⾎栓(⾎液の塊)などがあります。
脳出⾎
脳の⾎管が破れて出⾎することで起こります。
⾼⾎圧による原因が最も多いですが、海綿状⾎管腫、硬膜動静脈ろう、脳静脈洞⾎栓症などでも起こりえます。
くも膜下出⾎
脳の表⾯を覆うくも膜の下で出⾎が起こる病気です。
脳動脈瘤の破裂が主な原因です。
脳動脈瘤
脳動脈瘤は脳動脈の⾎管壁が薄くなりもろくなることで、膨らんだ部分に⾎液が⼊り込みコブのような形状が発⽣します。そのコブのことを『脳動脈瘤』といいます。
症状が発⽣する原因は現代医療では解明できていませんが、⾼⾎圧、喫煙、遺伝などが関連しているのではないかと考えられています。
脳動脈瘤が破裂すると『くも膜下出⾎』となります。
脳卒中の症状
脳卒中の症状は、脳のどの部分が障害を受けたかによって異なりますが、代表的な症状には以下のようなものがあります。
- 半⾝の⿇痺
- 顔や⼿⾜など、体の⽚側がしびれたり、⼒が⼊らなくなったりします。
- ⾔語障害
- ろれつが回らなくなったり、⾔葉の意味が理解できなくなったりします。
- 意識障害
- 意識がもうろうとしたり、昏睡状態に陥ったりします。
- 視覚障害
- ⽚⽅の⽬が⾒えなくなったり、視野が狭くなったりします。
- 激しい頭痛
- 特にくも膜下出⾎で起こりやすい症状です。
- めまい、吐き気
- 脳卒中によって平衡感覚が乱れることで起こります。
当院では、⼿術経験豊富な脳⾎管治療専⾨医が症状を把握し、カテーテル治療、⼿術、服薬治療などを含め、患者さまにとって最適な治療⽅針を考えます。また、脳外科⼿術のセカンドオピニオンのための外来としても、どうぞご利⽤ください。
生活習慣病とは
どんな病気?
脳卒中と生活習慣病は、密接に関連しています。
高血圧、脂質異常症、糖尿病などは、遺伝的要因の影響を受けることもありますが、主に食事や運動などの不適切な生活習慣によって発症します。
これらの疾患は早期に適切に管理されないと、動脈硬化が進行し、脳梗塞や心筋梗塞を引き起こす可能性があります。
また、認知症やガンの原因にもなり得ます。
これらの病気は、日本人の死亡原因の約60~70%を占めています。
さらに、進行するまで無症状であることが多く、治療が遅れることが少なくありません。
その間にも病状は確実に進行し、「サイレントキラー」として知られています。
生活習慣病の特徴
生活習慣病は、次のような特徴があります。
- ①早期発見が難しい
- 自覚症状がなかなか出ないため、初期の段階で発見することが困難です。
- ②症状が出た時には進行していることが多い
- 自覚症状が現れた時には、病気が既に進行している場合が多いです。
- ③治療には生活習慣の見直しが必要
- 薬物療法だけでなく、食事や運動などの生活習慣を改善することが求められます。
- ④個別対応が重要
- 治療は患者一人一人の症状、体質、ライフスタイルに合わせて行う必要があります。
生活習慣病の管理と予防
ご自身の病気についてよく理解し、医師と共に病状の評価と治療方針を相談しながら、病状を適切にコントロールして合併症を予防しましょう。
当クリニックでは、患者さん一人一人に合 った指導および治療を提供していますので、お気軽にご相談ください。
来院の目安
このような方は来院をおすすめします
- 生活習慣が不規則で、自分の健康状態が気になる
- 年を重ねるごとに、体重が増えている
- 過労ストレスが溜まっている
- 不規則な生活を送っている
- 外食が多く、1日の食事回数にむらがある
- 運動不足な生活を送っている
- 飲酒喫煙が多いと感じる
- 人間ドックや健診で以下の症状を指摘された
下記を指摘されたことがある
- 生活習慣病
- 高血圧
- 高脂血症
- 糖尿病
- メタボリックシンドローム高尿酸血症
- など