帯状疱疹予防ワクチン(シングリックス)
シングリックスとは、帯状疱疹の予防ワクチンです。 50歳以上の成人における帯状疱疹の予防に適応として2018年に承認されています。2023年には、18歳以上の成人にも接種対象が拡大されました。
接種回数
シングリックスは2回の接種が必要です。
1回目の接種から2か月後に2回目の接種を行います。2か月を超えた場合であっても、6か月後までに2回目の接種を行います。
接種料金(消費税込)
- 1回:22,000円(2回接種のため 22,000円×2回分=44,000円)
お住いの自治体によっては助成制度がございますので、自治体へご確認ください。
シングリックス接種前の注意事項
- 接種対象年齢:50歳以上、もしくは帯状疱疹に罹患するリスクが高いと考えられる18歳以上のもの
- 接種回数:2回
- 接種間隔:2回目は1 回目から2か月後~6か月後に接種
- 1回接種量:0.5ml
- 筋肉内注射
- 同時接種:医師が必要と認めた場合には、他のワクチンと同時に接種することが可能です。
当院の場合は、他のワクチン接種後28 日以上の間隔を空けて頂いています。
接種不適当者及び接種要注意者
接種者が次のいずれかに該当すると認められる場合には、接種を行ってはならない
- ●明らかな発熱(通常37.5℃以上)を呈している者
- ●重篤な急性疾患にかかっていることが明らかな者
- ●本剤の成分によってアナフィラキシーを呈したことがあることが明らかな者
- ●上記に掲げる者のほか、予防接種を行うことが不適当な状態にある者
接種要注意者(接種の判断を行うに際し、注意を要する者)
被接種者が次のいずれかに該当すると認められる場合は、健康状態及び体質を勘案し、診察及び接種適否の判断を慎重に行い、予防接種の必要性、副反応、有用性について十分な説明を行い、同意を確実に得た上で、注意して接種すること。
- ●心臓血管系疾患、腎臓疾患、肝臓疾患、血液疾患等の基礎疾患を有する者
- ●予防接種で接種後 日以内に発熱のみられた者及び全身性発疹等のアレルギーを疑う症状を呈したことがある者
- ●本剤の成分に対して、アレルギーを呈するおそれのある者
- ●過去に痙攣の既往のある者
- ●過去に免疫不全の診断がなされている者及び近親者に先天性免疫不全症の者がいる者
- ●血小板減少症や凝固障害を有する者、抗凝固療法を施行している者[筋肉内注射部位の出血のおそれがある。]
シングリックスの副反応
注射部位の痛みや腫れがあらわれますが、これは体内で強い免疫を作ろうとする仕組みが働くためと考えられます。多くは3日以内に収まります。
帯状疱疹とは
原因
水痘・帯状疱疹ウイルスが帯状疱疹の原因です。
日本の成人のおよそ9割はこのウイルスをもっているといわれ、加齢、疲労、ストレスなどで体の免疫力が低下すると、ウイルスが活動、増殖をはじめ、帯状疱疹になります。
50歳以上になると発症率が高くなり、日本では80歳までに約3人に1人が帯状疱疹になるといわれています。まだまだ元気だと思っていても、あなたのある日突然、帯状疱疹になるかもしれません。
症状
帯状疱疹になると、はじめに皮膚に神経痛のような痛みが起こります。ピリピリ、ズキズキ、チクチクした痛みや焼けるような痛み(灼熱間)を感じます。その後に水ぶくれ(水疱)を伴う発疹が帯状に現れます。他にもかゆみやしびれがみられることもあります。
当院では、頭痛専門外来を行っていますが、頭痛を主訴に来院され、診察で前頭部や後頭部の髪の毛の中に帯状疱疹を認める場合があります。頭部の帯状疱疹は、目に進展し失明したり、脳炎や髄膜炎の原因になったり、神経の障害により難聴・めまいなどの合併症をきたすことがあります。
- 頭痛の原因となる帯状疱疹
- 帯状疱疹は頭皮に発疹が出現し、頭痛の原因となります。髪の毛をかき分けて確認しないと見えません。
- 頭痛の特徴としては、以下のようなものです。
- やけるような
- 髪を触るとピリピリする(アロディニア)
- 左右のどちらかのみ
また、発疹が消失しても痛みが残る、帯状疱疹後神経痛(PHN)が起こりえます。 - 部位としては、三叉神経の第1枝領域(前頭部、前額部)、後頭神経(後頭部から後頚部)
特殊な部位として耳周囲に発疹が出た場合は、ラムゼイハント症候群といって、めまい、耳鳴、難聴、顔面麻痺などをきたすことがあります。 - 早期診断と早期治療開始が重要です。
ワクチンで予防可能な疾患です。