睡眠時無呼吸症候群(SAS)について
1,022例を対象にした約3年間の追跡研究の結果によると、睡眠時無呼吸症候群(SAS)重症例では脳卒中・脳梗塞発症リスクが3.3倍になることが報告されています。(※1)
睡眠時無呼吸症候群(SAS)による昼間活動時の眠気や集中力・意欲・認知能力などの低下は、脳卒中患者のリハビリテーションをより一層困難にする可能性もあります。
日常生活の活動性の指標であるBirthal Index(BI)を用いて、睡眠時無呼吸症候群(SAS)を伴う脳卒中患者とSASを伴わない脳卒中患者の回復経過を比較した研究が報告されています。 睡眠時無呼吸症候群(SAS)を伴う群では伴わない群に比べて1年後死亡率が高く、退院時・発症後の経過においてもBIが有意に低かったことが示されています。(※2)
睡眠時無呼吸症候群(SAS)は脳梗塞・脳出血などの発症リスクを高めるばかりでなく、その予後の機能回復にも悪影響を及ぼすのです。
(※1) New England Journal of Medicine 2005;353:2034-2041
(※2) Stroke 1996;27:252-259
⾼⾎圧(特に治療抵抗性⾼⾎圧・早朝⾼⾎圧・夜間⾼⾎圧)、⽇中の眠気、いびき、起床時頭痛など⼼当たりのある⽅はかかりつけの先⽣に相談し、OSASの検査を受けていただくことをお勧めします。