耳鳴りとは
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耳鳴りは本人しか聞こえないことがほとんどで、病気の辛さをなかなか人に理解してもらえないことがあります。
しかし、 耳鳴りの原因として脳に異常がある場合があります。
耳鳴りに悩んでいる方は、治らない、年齢的に仕方ないなどと諦めずに、きちんと検査し、治療することを目指していただきたいと思います。
危険な耳鳴り
① 聴神経腫瘍
脳腫瘍の治療は早期に発見することでガンマナイフなどの低侵襲な治療方法で対応することができます。腫瘍が大きくなると顔面麻痺や運動障害、感覚障害などの症状がでることがあります。
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拡大図
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② 脳血管障害
雨や波のような「ザーザー」という音の耳鳴りの場合は、耳の奥の血管を流れる血液の音が原因となっている場合があります。特に心臓の鼓動と一致した拍動性の周期は、血管性拍動性耳鳴りという症状で、脳動脈瘤・硬膜動静脈瘻などが原因の可能性があります。
③ 顔面神経麻痺
「カタカタ」「コトコト」という音がする場合は、中耳にある「アブミ骨」についている「アブミ骨筋」が異常なけいれん様の収縮をすることで起こります。
アブミ骨とは、鼓膜の内側にある骨で、音を内耳に伝える耳小骨の一つです。このアブミ骨につながるアブミ骨筋は、過大な音によって収縮し、耳小骨の働きを抑えることで内耳を守る働きをしています。
アブミ骨筋は、顔面神経に支配されていますが、水痘帯状疱疹ウイルス・ヘルペスウイルスによる顔面神経麻痺(ラムゼイハント症候群)や外傷性顔面神経麻痺などの後遺症として、アブミ骨筋性の耳鳴りが生じるようになります。 なお、ラムゼイハント症候群は、難聴やめまいの原因ともなり、難聴が生じる場合は「キーン」とか「ジー」という耳鳴りが起きることがあり、早期の治療が必要になります。