片頭痛に対する急性期治療薬『レイボー』について
片頭痛の薬物治療には、予防薬と急性期治療薬(鎮痛薬)の2種類がありますが、2022年5月より新規の鎮痛薬が登場します。
頭痛が完全に消失してほしい、早く頭痛から解放されたいという患者さんの思いにとって朗報です。
セロトニン受容体1F作動薬のレイボー(ラスミジタン)です。
これまでの片頭痛治療薬としてトリプタン製剤がありましたが、トリプタン製剤はセロトニン受容体1B/1D作動薬であり、作用点が異なります。
レイボーの作用機序
- CGRP、グルタミン酸の分泌抑制
- 末梢・中枢神経の興奮を抑制する
これまでのトリプタン製剤と異なり、血管には作用しないために、胸部絞扼感などの副作用がありません。
レイボーの服用方法
- 頭痛発作時に通常用量は100mg1錠を内服します。
- 24時間あたりの総投与量は200mgです。
注意事項
- 副作用として、浮動性めまい、傾眠などが報告されていますので、はじめて内服する時は、すぐに横になって休めるように自宅での内服をおすすめします。
- 運転や高所での作業は控えるようにお願いします。
- 内服回数が増えるにつれて副作用は軽減していきます。
- 薬物乱用性頭痛などを防止するために、月10錠までの処方が可能です。
小児・妊婦
- 15歳以上の方のみ内服可能です。
- 妊婦は有益性が優る場合のみ内服可能です。
- 授乳中の場合は内服できません。
料金
新規薬剤です。
- 50mg 324円
- 100mg 570円
レイボーの効果
臨床試験によってその効果が示されています。
- MONONOFU試験
- GLADIOR試験
- CENTURION試験
- トリプタン製剤との直接比較試験はありませんが、レイボーでは頭痛消失効果が40.6%(200mg)、頭痛改善78.2%と統計学的にプラセボと比較して有意差が認められました。
- 100mgとの比較で、用量反応性も認められました。
- さらに服用24時間後の頭痛消失の持続が35.7%でした。
- また片頭痛に伴う随伴症状(悪心、光過敏、音過敏)の消失効果が60.3%認めました。
以上のように、日常生活に支障のある患者さんにとって期待できる薬と思います。