失語症
脳の病気やケガのために、脳の中の「言葉をつかさどる部分」が損傷され、「聞く、話す、読む、書く」という言葉に関係する機能に障害が認められる状態です。
その程度と組み合わせにより、さまざまな複雑な症状が生じます。
日常での現れ方
- 言いたいことは頭の中にあるのに、言葉が出てこない
- 話し方がたどたどしく、ぎこちない
- 言い間違いをする(ほかの言葉と言い間違う/日本語にない音を言う)
- 言われたことの内容が理解できない
- 字の読み書きができない(50音表から選ぶのも難しい)
対応のヒント
(人により効果的な方法が違うので、合う方法を探してください)
- できるだけ静かな場所で、1対1で話す
- 短い文章で、ゆっくり、はっきり話す
- 具体的な言葉や実物を見せながら、またはキーワードを文字や絵に書いて見せながら話す
- 仮名よりも漢字の方が理解しやすい場合が多いため、文字で見せる時は漢字を使う
- 聞き返しが多い場合は、言葉が理解しにくいためであって、聴力が低下しているわけではないので、むやみに大声で話さない
- 話を理解できていないまま話が進む場合があるため、勘違いを防ぐためにも、1つ1つの内容を確認していく
- 本人の話を途中でさえぎったり、せかしたりせずに、ゆっくり時間をかけて聞く
- 本人が言葉が出ずに困っている時は、「はい」「いいえ」で答えられるように質問する
- 本人の表情や言葉の端々から、言いたいことを推測し、確認してみる
※失語症の方の状態は、例えば、外国で、言葉が通じなくてコミュニケーションにとても不自由し、不安を感じている状況と近いかもしれません。