頭痛薬の正しい服用方法を知ろう
① 軽度から中等度であれば最初にNSAIDsを服用します
- 当院で処方しているNSAIDs
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- ナイキサン
- ロキソニン・イブプロフェン
② 中等度から重度の頭痛、あるいは軽度から中等度であってもNSAIDsの効果が乏しい場合にはトリプタン製剤やラスミジタンを使用
- 当院で処方しているトリプタン製剤
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- イミグラン(スマトリプタン)
- アマージ(ナラトリプタン)
- レルパックス(エレトリプタン)
- マクサルト(リザトリプタン)
- ゾーミック(ゾルミトリプタン)
- 当院で処方しているラスミジタン
③ トリプタンやラスミジタンのいずれも単独で効果がなければ、次にはトリプタンやラスミジタンのいずれかとNSAIDsを併用
痛みが中等度以上になってから服用しても効果が十分に得られないことがあります。
トリプタン製剤には最適な服用のタイミングがあります。
① 上記の図にあるように頭痛が起こって30分~1時間以内の早期に服用すると最大限に効果が発揮される可能性が高まります。
② 片頭痛の痛みが出現した段階で服用しましょう。
- こんな症状が服用のタイミング
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- 後頚部に違和感がある
- お辞儀をすると頭がもわっとする
※発作が進行してから(悪心・嘔吐が出現)では効果が減少する可能性があります。
効果が不十分な時
- スマトリプタン、ゾルミトリプタンの場合
- 1回1錠で効果が不十分な場合は2時間以上の間隔を空けて追加服用ができます。次回からは1回2錠を服用してください。ただし、1回最大2錠まで、1日最大4錠までです。片頭痛が始まったら早めに服用してください。
- エレトリプタンの場合
- 1回1錠で不十分な場合、次の片頭痛発作時には、1回2錠を服用できます。2時間以上の間隔を空けて追加服用できます。
ただし、1回最大2錠まで、1日最大2錠までです。 - リザトリプタンの場合
- 1回1錠まで、1日最大2錠までです。2時間以上の間隔を空けて追加服用できます。
- ナラトリプタンの場合
- 1回1錠まで、1日最大2錠までです。4時間以上の間隔を空けて追加服用できます。
- ラスミジタンの場合
- 服用したあとにいったん痛みがなくなり、もし再び片頭痛による痛みが戻ってきた場合、再度このお薬を服用することができます。
その場合は、24時間で合計200mgを超えないようにしてください。
片頭痛予防薬
1、2週間でやめないようにしてください。効果が出るまでには2ヵ月ほどかかりますので継続しましょう。
妊娠中・授乳中でもトリプタンは服用できますか?
妊娠中は薬剤服用をさけます。それに妊娠中は片頭痛が減ります。
しかしあまりにもひどい片頭痛で妊娠の継続が危ぶまれる場合は服用を考慮します。
添付文書には「妊娠中の投与に関する安全性は確立していないので、妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること」と書かれています。
産後については、授乳しなければトリプタンの使用は問題ありません。
授乳中の場合には「授乳を避けさせること」とされています。しかし服用後24時間すれば母乳中のトリプタンは、ほぼ消失しております。
イギリスのスマトリプタンの添付文書によると「投与後24時間授乳を避けることにより乳児への暴露が最小になる」と書かれています。