全身のがん検査の対応ドゥイブス・DWIBS
DWIBS(ドウイブス)検査とは?
MRIを用いて全身のがんを発見することができます。
DWIBSは、Diffusion-weighted Whole body Imaging with Background Suppression(背景抑制広範囲拡散強調画像)の略です。
拡散強調画像は、超急性期の脳梗塞の診断する場合に有用ですが、それと同時に、がん組織の病変部を検出することを可能にしました。
DWIBS法は日本の医師である高原太郎先生により開発されたMRIの撮像手法です。
MRIがあればどこでも受けられるのか?
最新のMRI機器がないところではできません。
以前の装置では倍以上の時間がかかったため、限られた時間で検査を行う施設では受けることができませんでした。
しかしMRI装置の進歩により、最新機種では30分程度で検査が受けられるようになりました。またこれまで先進的な検査法として開発されてきたために、読影も困難です。
当院では、長年MRIの最先端研究をしていた放射線科医師による遠隔読影を提携しています。
DWIBS検査のメカニズム
がん細胞が急速に増殖すると、細胞密度が高くなり、細胞間の水分子の動きに制限ができます(拡散抑制)。
周囲の水分子が動きやすい正常組織と比べて、水分子が動きづらい状態となることを利用して、病変部を検出します。
また、背景部の脂肪組織を抑制することによって、病変部が浮き上がって見えるような画像となります。
DWIBSの利点
検査時間は30分程度で通常のMRI検査より少し長めですが、MRIを受けることが可能な方は誰でも受けられることが利点の1つです。
また最大の利点は放射線被ばくしないこと。放射線被ばくがある検査だと繰り返し評価する場合には問題になる可能性があります。
DWIBS検査の弱み
DWIBS検査の弱点として、PET-CT検査と原理が異なることから、PET-CT検査で病変が写ってもDWIBS検査では写らない場合があります。
特に肺や心臓周囲の病変検出が苦手とされているほか、ペースメーカーなど体内に金属が埋め込まれている方では行えないという欠点なども挙げられます。
DWIBS検査ですべてのがんを発見可能か
DWIBS検査で発見された病変が全てがんというわけではありません。
がんだけに反応するわけではなく、脾臓、精巣、卵巣などの正常組織や、炎症なども感知して検出されます。
DWIBS検査で異常を発見しても、他の検査で正常と診断されることも多々あるため、他の検査結果と総合してがんか否かを判断します。
従って、検出された病変であっても精密検査を行う、または経過観察するといった対応になる場合があります。
がん検診といえばこれまでPET-CT検査が有名です。DWIBS検査とPET-CT検査の違いは?
今までは全身のがん病変を検査することができるのはPET-CT検査に限られていました。
しかし、PET-CT検査がブドウ糖代謝の亢進により病変を検出するのに対して、DWIBS検査では細胞の密集度の増加により病変が光らせて検出します。
ブドウ糖の代謝が亢進しないタイプのがんはPET-CT検査では検出できず、細胞の密集度の低いがんはDWIBS検査で検出しにくいといえます。
PET-CT検査が不向きなのは、胃がん、大腸がん、肝がん、腎がん・尿管がん・前立腺がん等の尿路系がんの診断です。
一方、DWIBS検査でも胃がんや大腸がんの検出に不向きなのは同じですが、腎がん・尿管がん・前立腺がん等の尿路系がんの診断には適しています。
ただし、DWIBS検査もPET-CT検査も小さい病変の検出は難しいようです。
いずれの検査においても、炎症等がん以外の病変も検出されることがあるのが通常で、発見された病変がすべてがんというわけではなく、検出された病変は改めて精査されることになります。
DWIBS検査の料金
- 自費診療での検査となります
- 検査料金:77,000円(税込)
DWIBS検査実施曜日・時間
・水曜
・13:00~15:00
・検査当日はご予約いただきました15分から10分前にご来院下さい。