転倒した原因の精査も重要です
頭部打撲は、日常生活やスポーツの中で、歩行中や階段での転倒や交通事故などでよく起こります。また、脳や脊髄の疾患にて歩行障害があり、転倒される方もいますので、頭部打撲したことだけでなく、転倒した原因の精査も重要です。
状況によって対処方法が大きく変わってきます。
頭部打撲すると、たんこぶ(皮下血腫)から頭蓋骨骨折、硬膜下出血、硬膜外血腫、脳挫傷などがあり、状況によって対処方法が大きく変わってきます。
頭を打った直後は、何ともなくても、後から頭蓋内出血により脳を圧迫することで、急変することがあります。手足の麻痺が出たり、意識障害が出現したり、場合によっては死に至る可能性もあるため早めの対処が必要です。
頭部を打撲した場合には、脳神経外科医師による診察が望ましいです。
脳挫傷といって脳にキズができた場合は、高次脳機能障害やてんかんなどの合併症をきたすこともあります。
高齢者の場合は、慢性硬膜下血腫といって、打撲後1か月ほどしてから症状が出現する場合もあります。
当院で実施している検査:CT like inverted VIBE MRI のご紹介
頭部打撲で病院に救急搬送されると、頭部CTで頭蓋内出血や頭蓋骨骨折の有無を評価する場合が多いです。
CT検査では、放射線被曝の問題があります。
小児のCT検査は、4回以上でがんのリスクが上昇します。
18歳以前にCTによる放射線被曝を受けた若年者の癌リスクを、症例対照研究で検討。その結果、若年層で癌リスクが上昇することが確認された。
6歳以前に4回以上のCT検査曝露で最も高く、次いで7~12歳および13~18歳での曝露で高かった
Wang WH, et al. Risks of leukemia, intracranial tumours and lymphomas inchildhood and early adulthood after pediatric radiation exposure from compu ted tomography. CMAJ. 2023;195: E575 E583.
小児患者に対するCT 検査で放射線誘発脳腫瘍のリスクが増大する
Brain cancer after radiation exposure from CT examinations of children and young adults:results from the EPI CT cohort study Lancet Oncol. 2023 Jan;24(1):45 53.
当院では「CT like invert ed VIBE」という撮像方法にてMRIで骨折の評価を行っています。
- 陥没骨折
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- 右前頭部の出っ張り
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VIBE-MRI で骨腫と診断
- 左頬骨弓の骨折
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- 環軸椎亜脱臼
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頭部打撲後の頚部痛あり