尿のがんリスク検査で「陽性」と出たら、次に何をすればいい?検査の順番を脳神経外科医が整理します

この記事で分かること

  • 尿のがんリスク検査の「陽性」は、がんの診断ではなく次の検査を考える合図であること
  • 最初に受けるべきは、国が推奨する5つのがん検診であること
  • 画像検査には得意・不得意があり、胃と大腸は内視鏡が適していること

検査結果の通知を開いて「リスクが高い」という文字を見たとき、頭が真っ白になった。その日から夜になると同じことばかり考えてしまう。何をどの順番でやればいいのか分からないまま、検索を続けている。

そうした状態でこのページにたどり着いた方に、まずお伝えしたいことがあります。その結果は「がんと診断された」という意味ではありません。ただし「何もしなくてよい」という意味でもありません。次に何をするかを、順番を決めて進めていく段階にいます。

この記事では、尿を使ったがんリスク検査で「陽性(リスクが高い)」と判定されたあと、どの検査をどの順番で受けていくのかを整理します。あわせて、画像検査それぞれの得意・不得意と、当院でできること・できないことをはっきり書きます。

はじめにお断りしておきます。当院では、線虫を用いたがんリスク検査(N-NOSE)およびマイシグナルの取り扱いはありません。これらの検査を当院で受けることはできません。本記事は、他の医療機関やご自宅でこれらの検査を受けた方から「次にどうすればよいか」というご相談をいただくことがあるため、一般的な考え方を整理したものです。

本記事は、公的なガイドラインや公表資料にもとづく一般的な医療情報です。診断・治療は症状や経過をふまえて医師が判断します。検査結果の解釈は、検査を提供した事業者やかかりつけの医師にご相談ください。


目次



検査結果を前にして迷っている方は、ひとりで抱えずご相談ください。

はじめて受診される方

初診のWEB予約はこちら



1. 「陽性」が意味すること

尿を使ったがんリスク検査には、線虫の反応を利用するN-NOSEや、尿中のマイクロRNAを解析するマイシグナルなどがあります。少量の尿を出すだけで、複数のがん種に対するリスクをまとめて評価できるとされ、健康診断の追加項目やご自宅でのキットとして広がってきました。

まず押さえていただきたいのは、これらの検査が「がんかどうかを決める検査」ではないという点です。これは第三者の評価ではなく、検査を提供している各社自身が公式に明記している内容です。


提供元自身が書いていること

N-NOSEを提供するHIROTSUバイオサイエンスは、公式サイトで次のように記載しています。「N-NOSEは、これまでの臨床研究をもとに、検査時のがんのリスクを評価するもので、がんを診断する検査ではありません」(HIROTSUバイオサイエンス 2026)。さらに同社は、リスクが高いと判定された場合でも必ずしもがんに罹患していることを示すものではなく、リスクが検出されなかった場合でもがんに罹患していないとは言い切れない、という趣旨を明記しています。

マイシグナルを提供するCraifも同様に、「がん発症リスクを調べるスクリーニング検査です。医療行為としてがんに罹患しているかどうかの診断に代わるものではありません」と記載しています(Craif 2026)。

言いかえると、こういうことです

  • 陽性(リスクが高い):がんがあると決まったわけではありません。次の検査を考える合図です
  • 陰性(リスクが低い):がんがないと決まったわけではありません。通常のがん検診は引き続き必要です

尿のがんリスク検査の陽性はがんがあると決まったわけではなく次の検査を考える合図、陰性もがんがないと決まったわけではなく通常のがん検診は続ける必要があることを示す図


なぜ、これほど迷いが生まれるのか

「がんではないかもしれない、でもがんかもしれない」という結果は、受け取った側にとってもっとも扱いにくい情報です。白か黒かがはっきりすれば次の行動も決まりますが、灰色のまま渡されると、どこまでやれば安心してよいのかが自分では判断できません。

さらに、これらの検査は一度に多くのがん種を対象としています。対象が広いことは利点である一方、「陽性」と言われたときにどの臓器を調べればよいのかが絞り込めないという状態も生みます。全身のどこかにリスクがあるかもしれない、という漠然とした不安だけが残るのは、この構造によるものです。

だからこそ、感情ではなく順番で考える必要があります。次の章から、その順番を具体的に示します。


この記事で精度の数値を扱わない理由

これらの検査については、感度や特異度といった数値が各社から公表されています。本記事では、その数値を取り上げません。理由は2つあります。

1つは、公表されている数値が検査を提供する各社によるものであり、独立した第三者による検証結果が広く公開されているとは言えないためです。もう1つは、当院がこれらの検査を取り扱っておらず、数値の妥当性を自分たちで確かめる立場にないためです。確かめられないことを、当院の名前で断定的に書くことはしません。

そのうえで、公的機関の位置づけも確認しておきます。国立がん研究センターは、新しい血液や尿を用いたリスク評価について、がん検診としての有効性は検証の途上にあり、異常が出たあとにどう対応するかの手順も定まっていないという趣旨を示しています(国立がん研究センター 2026)。つまり「陽性のあとにどうするか」は、受けた方それぞれが医師と組み立てていく必要がある、というのが現状です。この記事は、その組み立て方の話をします。



2. やってはいけない3つのこと

結果を受け取ったあと、遠回りになりやすい行動が3つあります。


その1:不安なまま放置する

もっとも避けたいのがこれです。「怖いから結果を見ないことにする」「忙しいから落ち着いたら考える」というまま、半年、1年と過ぎてしまうケースがあります。慌てて今日明日に何かをする必要はありませんが、次の一歩を決めないまま時間だけが過ぎる状態は、不安も解消されず、確認の機会も先送りになります。


その2:別のリスク検査を重ねて受ける

陽性という結果を打ち消したくて、別の会社のリスク検査を追加で受ける方がいます。しかしどちらも確定診断をする検査ではないため、2つ目で「リスクが低い」と出ても、1つ目の結果が消えるわけではありません。結果が食い違えば迷いはむしろ増え、費用だけが重なります。


その3:個人の投稿や口コミで判断する

同じ検査を受けた方の投稿は目に入りやすいものですが、年齢・持病・生活習慣・受けてきた検診の履歴は人によって大きく異なります。他の方の経過が、そのままご自身に当てはまるとは限りません。


相談のときに伝えていただきたい5項目

医師に相談する際、以下が分かっていると話が早く進みます。診察室で思い出せないことが多いので、事前にメモにまとめておくことをおすすめします。

  • 受けた検査の名称と受けた時期:いつ、どの検査を受けたか
  • 結果の内容:判定の区分と、記載されている推奨診療科
  • これまでの検診歴:胃・大腸・肺・乳房・子宮頸部を、いつ受けたか
  • 気になる症状の有無:体重の減少、出血、続く痛みなど
  • 持病と服用中の薬:お薬手帳があれば持参してください

代わりにやること。結果レポートを印刷するか画面で提示できるように準備し、かかりつけの医師、または結果に記載された推奨診療科に相談してください。N-NOSE・マイシグナルとも、公式に医師への相談を勧めています。多くの検査には問い合わせ窓口が設けられており、受診先の考え方を確認することもできます。



3. 最初に受けるのは5つのがん検診

ここが本記事でもっとも重要な部分です。リスク検査で陽性と出たとき、いきなり高額な全身の検査に進む方がいますが、順番としてはその前に確認すべきものがあります。国が推奨している5つのがん検診です。

尿のがんリスク検査で陽性と出たあとの進め方。医師に相談、国が推奨する5つのがん検診の確認、必要に応じた画像検査、確定は組織を調べる検査という4段階の流れ図

これらは、受けることでそのがんによる死亡が減ることが研究で確認された方法として、国が対策型検診に位置づけているものです(国立がん研究センター 2026)。逆に言えば、この5つ以外の検査は、死亡を減らす効果が確立しているとは言えない段階にあります。

がんの種類 対象年齢 検査方法 間隔
胃 50歳以上 X線または内視鏡 2年に1回
大腸 40歳以上 便潜血検査 1年に1回
肺 40歳以上 胸部X線 1年に1回
乳房 40歳以上 マンモグラフィ 2年に1回
子宮頸部 20歳以上 細胞診 2年に1回

子宮頸がん検診については、HPV検査を用いる方法もあり、その場合は30歳以上を対象に5年に1回とされています。胃がん検診でX線と内視鏡のどちらを選べるかは、お住まいの自治体によって異なります。

まずここから始める理由

  • 根拠がはっきりしている:死亡を減らす効果が確認された方法です
  • 費用が抑えられる:多くの自治体で公費の補助があり、少ない自己負担で受けられます
  • 抜けを埋められる:対象年齢なのに受けていない項目があれば、そこが最初の空白です

お住まいの自治体の検診を確認する

これらの検診は、多くの場合お住まいの市区町村を通じて受けることができます。大阪市でも、対象年齢の方を対象に各種のがん検診が実施されています。自己負担額、受診できる医療機関、申し込みの方法は自治体によって異なりますので、市区町村のホームページや窓口でご確認ください。職場の健康保険を通じて受けられる場合もありますので、勤務先の健康保険組合の案内もあわせてご確認いただくとよいでしょう。

ご自身の年齢と、直近で受けた検診を書き出してみてください。受けていない項目があるなら、そこが出発点です。お住まいの市区町村の窓口やホームページで、対象年齢・自己負担額・受診できる医療機関を確認できます。大阪市にお住まいの方は、市の検診制度をご確認ください。


検診を受けていたのに陽性が出た場合

「毎年きちんと検診を受けているのに、なぜ陽性なのか」というご相談もあります。これには複数の可能性があります。

1つは、リスク検査が対象としているがん種のなかに、国の推奨する5つの検診ではカバーされていない部位が含まれていることです。膵臓、腎臓、卵巣などは、集団を対象とした検診の方法が確立していません。もう1つは、リスク検査の判定が、がん以外の要因や検査時の体調の影響を受けている可能性です。

いずれにしても、この段階で自己判断はできません。検診で確認できている部位と、確認できていない部位を仕分けることが、医師と行う最初の作業になります。すでに受けた検診の結果票が手元にあれば、それが仕分けの材料になります。


検査の順番をどう組み立てるか、迷ったときはご相談ください。

はじめて受診される方

初診のWEB予約はこちら



4. 画像検査の得意・不得意

推奨されている5つの検診を受けたうえで、それでも心配が残る場合や、検診の対象になっていない部位が気になる場合には、画像検査という選択肢があります。ただし画像検査は万能ではなく、それぞれに得意な範囲と苦手な範囲があります。ここを知らずに1つだけ受けると、「調べたつもりが調べられていなかった」ということが起こります。

検査 主に見る範囲 苦手なところ
DWIBS(全身MRI) 首から骨盤までを広く 小さい病変、胃や大腸の粘膜
PET-CT 全身の代謝の高い部分 代謝の低いがん、小さい病変
胃・大腸内視鏡 消化管の粘膜を直接 消化管以外は見られない

画像検査の守備範囲の比較。DWIBS全身MRIは首から骨盤までを広く見るが小さい病変と胃や大腸の粘膜が苦手、PET-CTは代謝の高い部分を見るが代謝の低いがんが苦手、胃大腸内視鏡は消化管の粘膜を直接見るが消化管以外は見られない


胃と大腸が心配なら、画像検査ではなく内視鏡です

ここは誤解が多いところです。全身を撮る検査を受ければ胃や大腸も一緒に調べられる、と受け取られがちですが、消化管の粘膜に生じた変化を見つけることについては、内視鏡検査のほうが適しています。DWIBSやPET-CTは、消化管の内側の細かな変化をとらえることを得意としていません。

加えて、内視鏡には画像検査にない役割があります。気になる部分が見つかったときに、その場で組織を採って調べられることです。がんかどうかを最終的に確かめるのは、組織を顕微鏡で調べる病理検査であり、画像検査だけで確定することはありません。この点はDWIBSもPET-CTも同じです。


血液の腫瘍マーカーはどう位置づけるか

人間ドックの追加項目として選ばれることの多い血液の腫瘍マーカーについても触れておきます。腫瘍マーカーは、がんがあるときに血液中で増えることがある物質を測るものですが、がんがあっても値が上がらないことがあり、逆にがん以外の理由で上がることもあります。このため、症状のない方のがんを見つける目的で単独に使う検査としては位置づけられていません。

現在の治療経過を見るためには重要な役割を持っていますが、「陽性と言われたので腫瘍マーカーを追加する」という進め方では、灰色の情報がもう1つ増えるだけになることがあります。この点は、第2章で述べた「別のリスク検査を重ねない」という考え方と同じです。

画像検査に共通する注意点として、がん以外の病変や、経過を見れば問題のない所見が写ることがあります。その場合は追加の検査が必要になり、時間・費用・心理的な負担が生じます。「念のため全部撮る」という考え方には、こうした側面もあることを知っておいてください。


「見つけたあと」まで考えておく

検査を考えるとき、多くの方は「見つかるかどうか」に意識が向きます。ただ、検査を選ぶうえでは見つかったあとに何が起こるかも、あわせて考えておく必要があります。

広い範囲を細かく調べるほど、生涯にわたって症状を起こさなかったかもしれない小さな変化まで見つかることがあります。それが本当に治療の必要なものなのかは、その時点では分からないことも多く、経過を追うための検査を重ねたり、確認のための処置を受けたりすることになります。こうした負担が生じうることは、検査を受ける前に知っておいていただきたい点です。

これは「検査を受けないほうがよい」という意味ではありません。何のためにその検査を受けるのかを、受ける前にはっきりさせておくということです。不安を減らすために受けるのか、特定の部位を確認するために受けるのかによって、選ぶべき検査は変わります。この整理は、ひとりで行うより医師と一緒に行うほうが確実です。

DWIBSという検査そのものの仕組みや、PET-CTとの違いについては、全身がん検査「DWIBS(ドゥイブス)」とは?PET検査との違い・メリットを専門医が解説で詳しく解説しています。



5. 当院でできること・できないこと

ここでは、当院の立場をはっきり書いておきます。過不足なくお伝えすることが、遠回りを防ぐと考えるためです。


当院でできないこと

  • 線虫がん検査(N-NOSE)・マイシグナルの取り扱いはありません。当院でこれらを受けることはできません
  • 胃・大腸の内視鏡検査は行っていません。消化管の精密検査が必要な場合は、該当する診療科の医療機関をご案内します
  • 当院は脳神経外科であり、がんの治療を行う専門機関ではありません。精密検査や治療が必要な所見があった場合は、専門の医療機関へご紹介します
  • リスク検査の結果そのものの解釈については、検査を提供した事業者やかかりつけの医師にご確認ください

当院でできること

当院では、全身MRIによるDWIBS検査を実施しています。放射線による被ばくがなく、造影剤を使わずに、首から骨盤までを一度に撮影する検査です。

項目 内容
費用 150,000円(税込・2026年9月時点)
診療区分 自由診療(健康保険は適用されません)
実施日時 水曜 13:00〜15:00・完全予約制
結果 約2〜3週間後に郵送(外部読影のため)

結果までに2〜3週間いただく理由

「その日のうちに結果が出ないのか」というご質問をいただくことがあります。当院のDWIBS検査では、撮影した画像を外部の読影機関に依頼し、専門の医師があらためて読影しています。結果をお届けするまでに約2〜3週間いただいているのは、この工程を挟んでいるためです。

DWIBSは首から骨盤までを一度に撮影するため、確認する範囲が広く、読影に要する手間も大きくなります。その場でお伝えできる速さよりも、広い範囲をていねいに読むことを優先しているとお考えください。当院では、頭部MRIのように当日中に結果をお伝えできる検査もありますが、DWIBSは性質が異なります。


受ける前に知っておいていただきたいこと

  • 確定診断をする検査ではありません。所見があった場合は、あらためて精密検査が必要になります
  • 小さい病変を見つけることは得意ではありません。すべてのがんを見つけられる検査ではありません
  • がん以外の病変も写ります。写ったもののすべてががんというわけではありません
  • 受けられない方がいます。心臓ペースメーカーなど体内に金属が入っている方、閉所が苦手な方は、事前にご相談ください
  • 費用は自己負担です。所見があった場合の精密検査・治療の費用は別途かかります
  • 全身MRIによるがん検診は、死亡を減らす効果が確立した検査として国が推奨しているものではなく、ご本人の希望で受ける任意の検査です

検査内容の詳細は全身のがん検査の対応ドゥイブス・DWIBSのページをご覧ください。脳の検査については脳ドックは受けないほうがいい?後悔・デメリットを専門医が解説もあわせてご参照ください。


ご相談の際にお持ちいただきたいもの

受診の際は、リスク検査の結果レポート(印刷したもの、または画面で提示できる状態)、直近の健康診断・がん検診の結果票、お薬手帳をお持ちください。これまでに受けた検査が分かると、重複を避けながら、確認できていない部位を整理できます。

当院は大阪市城東区、京阪「野江」駅から徒歩4分にあります。月曜から木曜は昼休みを設けず通し診療を行っておりますので、お仕事の合間や夕方の時間帯にもご相談いただけます。

なお、突然の激しい頭痛、手足のまひ、ろれつが回らない、片方が見えにくいといった症状が急に起きた場合は、がん検査の相談とは別に、ためらわず119番へご連絡ください。判断に迷う場合は救急安心センター「#7119」もご利用いただけます。



6. よくある質問

Q. 陽性と出ました。がんということですか。

そうとは限りません。提供各社が公式に記載しているとおり、これらはがんの診断をする検査ではなく、リスクを評価する検査です。リスクが高いと判定された方が、必ずがんに罹患しているわけではありません。次の検査を医師と相談して決める段階、とお考えください。

Q. まず何科を受診すればよいですか。

検査結果に推奨される診療科の記載があれば、まずそこをご確認ください。記載がない場合や判断に迷う場合は、かかりつけの医師にご相談ください。かかりつけがない場合は、お住まいの地域の内科が最初の窓口になることが多いです。

Q. 全身MRIを受ければ、すべて分かりますか。

いいえ。全身を広く撮影できる一方で、小さい病変や、胃・大腸の粘膜の変化を見つけることは得意としていません。消化管が心配な場合は内視鏡検査が適しています。また、画像検査だけでがんかどうかが確定することはなく、確認には組織を調べる検査が必要です。

Q. 陰性でした。がんはないと考えてよいですか。

そう考えることはできません。提供各社も、リスクが検出されなかった場合でもがんに罹患していないとは言い切れない、と明記しています。陰性であっても、対象年齢に該当する国の推奨するがん検診は、間隔どおりに受け続けてください。

Q. 費用はどのくらいかかりますか。

国が推奨する5つのがん検診は、多くの自治体で公費の補助があり、少ない自己負担で受けられます。当院のDWIBS検査は自由診療で150,000円(税込・2026年9月時点)です。健康保険は適用されず、所見があった場合の精密検査や治療の費用は別途かかります。

Q. DWIBSの結果はその日のうちに分かりますか。

当日はお伝えできません。撮影した画像を外部の読影機関に依頼し、専門の医師が読影したうえで、約2〜3週間後に結果を郵送でお届けしています。全身を撮影する検査のため確認する範囲が広く、読影の工程を経ることを優先しているためです。お急ぎのご事情がある場合は、検査前にご相談ください。

Q. すぐに検査を受けないと手遅れになりますか。

その日のうちに動かなければならない、という性質のものではありません。一方で、決めないまま何か月も過ぎてしまうことは避けたいところです。まずは受けていないがん検診がないかを確認し、そのうえで医師と順番を相談する、という進め方が現実的です。

Q. 会社の健康診断を受けていれば十分ではありませんか。

職場の定期健康診断と、がん検診は目的が異なります。定期健康診断は主に生活習慣病などを対象としており、がん検診の項目がすべて含まれているとは限りません。勤務先の健康保険組合を通じてがん検診を受けられる場合もありますので、実施項目をご確認ください。含まれていない項目は、お住まいの自治体の検診で補うことができます。

Q. 家族にがんになった人がいます。考え方は変わりますか。

ご家族の病歴は、医師が検査を組み立てるうえで参考になる情報です。がんの種類や、発症した年齢によって考え方が変わる場合があります。どなたが、どのがんに、何歳ごろになったかが分かる範囲でお伝えください。ただし、ご家族に該当する方がいることが、そのままご自身の発症を意味するわけではありません。



7. まとめ

  1. 尿のがんリスク検査の「陽性」は、がんの診断ではありません。提供各社自身が、がんを診断する検査ではないと明記しています。次の検査を考える合図と受け取ってください。
  2. 放置する、別のリスク検査を重ねる、個人の投稿で判断する。この3つは遠回りになります。結果レポートを持って医師に相談してください。
  3. 最初に確認するのは、国が推奨する5つのがん検診(胃・大腸・肺・乳房・子宮頸部)です。根拠がはっきりしており、多くの自治体で公費の補助があります。受けていない項目があれば、そこが出発点です。
  4. 画像検査には得意・不得意があります。胃と大腸が心配な場合は内視鏡が適しています。全身MRIやPET-CTを含め、画像検査だけでがんかどうかが確定することはありません。
  5. 当院では線虫がん検査・マイシグナルの取り扱いはなく、内視鏡検査も行っていません。DWIBS検査は実施していますが、当院はがんの治療を行う専門機関ではないため、精密検査や治療が必要な場合は専門の医療機関へご紹介します。

結果を前にして、何から手をつければよいのか分からなくなってしまう方は少なくありません。検査の順番を一緒に整理するところから始められます。ひとりで抱え込む前に、一度ご相談ください。



お問い合わせ・ご予約

いわた脳神経外科クリニック(大阪市城東区成育2-13-27/京阪「野江」駅から徒歩4分/電話 06-6935-2335)です。ご予約は下記から可能です。

はじめて受診される方

初診のWEB予約はこちら


当院公式LINEにてご質問等もお受けしておりますので、お気軽にお問い合わせくださいませ。

友だち追加



関連記事

    全身がん検査「DWIBS(ドゥイブス)」とは?PET検査との違い・メリットを専門医が解説

    記事はこちら

    脳ドックは受けないほうがいい?後悔・デメリットを専門医が解説

    記事はこちら


重要:本記事の位置づけ(医療情報として)

  • 本記事は、公的資料や各社の公表資料に基づく「一般的な医療情報」です。
  • 特定の検査を推奨・保証するものではありません。適切な検査は、年齢・持病・これまでの検診歴などによって異なります。
  • 当院では線虫がん検査(N-NOSE)およびマイシグナルの取り扱いはありません。これらの検査結果の解釈は、検査を提供した事業者またはかかりつけの医師にご確認ください。
  • 実際の診断・治療は、症状・既往歴などを踏まえて医師が判断します。気になる症状があるときは受診してください。
この記事を書いた先生のプロフィール
いわた脳神経外科クリニック 院長 岩田 亮一
医師・医学博士/日本脳神経外科学会認定 脳神経外科専門医/日本脳神経血管内治療学会認定 脳血管内治療専門医/日本頭痛学会認定 頭痛専門医
(日本脳卒中学会・日本認知症学会 所属)

脳外科医として関西医大で14年間勤務。大学時代は、脳腫瘍や脳卒中の手術治療や研究を精力的に行ってきました。
脳血管内治療(カテーテル治療)の専門医でもあり、くも膜下出血や脳動脈解離など「危険な頭痛」の鑑別・初期対応にも力を入れています。
即日MRI診断で手遅れになる前にスムーズな病診連携を行っています。MRIで異常がない頭痛であっても、ただの頭痛ではなく脳の病気であり治療が必要です。メタ認知で治す頭痛治療をモットーに頭痛からの卒業を目指しています。
院長の私自身も頭痛と付き合ってきました。だからこそ、毎日頭痛外来で100人以上の頭痛患者さんの診療を行っています。我慢しないでその頭痛一緒に治療しましょう。

詳しい医師のご紹介はこちら
院長写真

参考文献

  1. 国立がん研究センター 2026, がん検診について, がん情報サービス, viewed 4 September 2026, <https://ganjoho.jp/public/pre_scr/screening/about_scr01.html>.
  2. 国立がん研究センター中央病院 2026, 科学的根拠に基づくがん検診, 国立がん研究センター中央病院, viewed 4 September 2026, <https://www.ncc.go.jp/jp/ncch/division/cancer_screening/about/gankenshin.html>.
  3. Craif 2026, マイシグナルについて, Craif株式会社, viewed 4 September 2026, <https://misignal.jp/>.
  4. HIROTSUバイオサイエンス 2026, N-NOSEとは?, 株式会社HIROTSUバイオサイエンス, viewed 4 September 2026, <https://hbio.jp/srv/nnose1>.