学校へ行く前に頭痛を訴える中学生と、話を聞く保護者|子どもの頭痛と受診の目安

この記事で分かること

  • 子どもの頭痛は年齢とともに増えます。日本の学校調査では、片頭痛は小学生3.5%、中学生4.8〜5.0%、高校生15.6%と報告されています
  • 18歳未満の片頭痛は、大人と違って「両側が痛む」「2時間で終わることがある」ため、我慢や気のせいと受け取られやすい特徴があります
  • 頭痛が理由で学校に行けなくなることがあります。診療ガイドラインにも項目が立てられている、対処法のあるテーマです

「毎週のように頭が痛いと言う」「学校に行く前になると痛がるのに、休日は元気そうに見える」。お子さんの頭痛について、こんなふうに感じたことはないでしょうか。心配な一方で、「本当に痛いのだろうか」「行きたくないだけではないか」という気持ちがよぎってしまい、そんなふうに考えた自分を責めてしまう。外来では、そうしたお話をよくうかがいます。

結論からお伝えすると、子どもの頭痛は決して珍しいものではなく、年齢とともにはっきり増えていきます。そして「休日は軽い」「学校に行こうとすると痛む」という経過は、サボりの証拠ではなく、子どもの頭痛にみられる特徴のひとつとして診療ガイドラインにも記載されています(日本頭痛学会 2021)。

この記事では、子どもの頭痛が年齢とともにどう増えるのか、大人の頭痛と何が違うのか、家庭でできることは何か、そしてどんなときに受診すればよいのかを、国内外の一次情報にもとづいて整理します。

本記事は、公的なガイドラインや研究報告にもとづく一般的な医療情報です。診断・治療は症状や経過をふまえて医師が判断します。同じ年齢でも頭痛の起こり方や背景は一人ひとり異なり、ここでご紹介する目安がそのまま当てはまるとは限りません。


目次



お子さんの頭痛が続いてお困りのときは、いわた脳神経外科クリニックの頭痛外来へお気軽にご相談ください。

はじめて受診される方

初診のWEB予約はこちら

当院に通院中の方(頭痛再診)

頭痛再診のWEB予約はこちら



1. 子どもの頭痛は年齢で増える

まず知っていただきたいのは、子どもの頭痛は例外的なできごとではない、ということです。日本の学校を対象にした調査では、片頭痛のある子どもの割合は、小学生で3.5%(男子4.0%・女子2.9%)、中学生で4.8〜5.0%(男子3.1〜3.3%・女子6.5〜7.0%)、高校生で15.6%(男子13.7%・女子17.5%)と報告されています(日本頭痛学会 2021)。高校生では、およそ6〜7人に1人という計算になります。

肩や首のこりと関係することが多い緊張型頭痛は、さらに多く報告されています。同じく日本の学校調査で、小学生5.4%、中学生11.2%、高校生26.8%です(日本頭痛学会 2021)。学年が上がるにつれて、頭痛を抱える子どもがはっきり増えていくことが分かります。

学校段階 片頭痛 緊張型頭痛
小学生 3.5% 5.4%
中学生 4.8〜5.0% 11.2%
高校生 15.6% 26.8%

日本頭痛学会の診療ガイドラインは、世界各国の報告をまとめたうえで、小児・思春期の頭痛について「有病率が高いこと」「片頭痛の有病率は年齢とともに増加すること」「幼少時は男児が多いが、年齢が上がるにつれて女子に多くなること」が共通して述べられている、と整理しています(日本頭痛学会 2021)。思春期に入って女の子の頭痛が増えてくるのは、この流れに沿った変化です。


世界でも「増える」ことが確かめられた

2026年8月、国際頭痛学会の学会誌に、子ども・思春期の頭痛をまとめた報告が掲載されました(Uludüz et al. 2026)。世界の疾病負荷研究(GBD 2023)の推計をまとめたもので、頭痛のある子どもの割合は5〜9歳で10.71%、15〜19歳で42.64%へと大きく増えること、そのうち片頭痛は2.79%から18.08%へ増えることが示されています。

この報告はあわせて、子どもや思春期の頭痛が、学校への出席、学業成績、友人との関わり、生活の質に大きな影響を与えること、そして心の不調や体の症状をともなうことが少なくないことを指摘しています。さらに、思春期は治療によって慢性化を防げる可能性のある大切な時期になりうる、とも述べています(Uludüz et al. 2026)。

ここでお伝えしたいのは「よくあることだから放っておいてよい」ということではありません。むしろ逆で、頻度が高いのに気づかれにくく、対応が遅れやすいのが子どもの頭痛です。数字は「うちの子だけではない」という安心のためであり、同時に「早めに相談してよい」という後押しでもあります。



2. 大人の頭痛と違う3つの点

子どもの頭痛が見落とされやすい理由のひとつに、大人の片頭痛のイメージと合わないことがあります。頭痛の国際的な分類(ICHD-3)には、18歳未満について次のような特徴が記載されています(日本頭痛学会 2021)。

18歳未満の片頭痛にみられる特徴

  • 両側が痛むことが多い:片側だけが痛むようになるのは、思春期の終わりから成人期のはじめが通例とされています
  • 痛む場所は前頭側頭部(おでこから、こめかみのあたり)が通常:後頭部の痛みは子どもではまれで、診断上は慎重に扱うべきとされています
  • 持続時間が短いことがある:大人は4〜72時間ですが、18歳未満では2〜72時間としてよいかもしれない、と記載されています

この3点は、家庭での受け取られ方に直結します。「片側じゃないから片頭痛ではないだろう」「2時間で治ったのだから大したことはない」という判断は、大人の基準では自然でも、子どもには当てはまらないことがあるということです。

もうひとつ知っておいていただきたいのは、痛みの伝え方の違いです。年齢が低いほど、痛みを言葉で説明することは難しくなります。光や音をつらく感じているかどうかも、言葉ではなく行動から推測することになります(日本頭痛学会 2021)。暗い部屋に自分から入っていく、テレビを消したがる、遊びの途中で急に横になる。こうした様子は、本人が説明できない「つらさ」のサインであることがあります。


片頭痛と緊張型頭痛の見分け方

子どもに多い一次性頭痛は、片頭痛と緊張型頭痛の2つです(日本頭痛学会 2021)。どちらに近いかで対応の組み立てが変わるため、次の視点でご家庭でも様子を見ていただけます。ただし両方が重なることもあり、線引きが難しい場合も少なくありません。

見る視点 片頭痛に近い 緊張型頭痛に近い
痛み方 ズキンズキンと脈打つ 締めつけられる、重い
動いたとき 階段や歩行で悪化し、動きたがらない 動いても大きくは変わらない
ともなう症状 吐き気、光や音をつらがる 首や肩のこりを訴える
そのときの様子 暗い部屋で横になりたがる 横にならずに過ごせることが多い

片頭痛の診断では、発作を5回以上経験していることが要件とされています(日本頭痛学会 2021)。一度きりの頭痛で決めるのではなく、繰り返しのパターンを見ることが大切だ、という考え方です。ここでも記録が役に立ちます。


お腹の痛みや乗り物酔いが先に出ることも

子どもでは、頭痛以外の形で現れて、後年になって片頭痛を発症することがあります。国際的な分類では「片頭痛に関連する周期性症候群」として、周期性嘔吐症候群、腹部片頭痛、良性発作性めまい、良性発作性斜頸が挙げられています。腹部片頭痛のある子どもの大多数は、後年になって片頭痛を発症することが示されています(日本頭痛学会 2021)。

繰り返す原因不明の腹痛や嘔吐、乗り物酔いのしやすさ。これらが後から振り返って頭痛とつながることがある、という視点は、受診のときに医師へ伝えていただきたい情報のひとつです。



3. 頭痛の引き金と家庭での工夫

子どもの頭痛の治療について、日本頭痛学会の診療ガイドラインは、患者教育を含めた薬を使わない方法を前提に取り組むことが望ましいとしています(日本頭痛学会 2021)。ここでいう患者教育とは、痛み止めの飲み方や発作が起きたときの対処、睡眠・食事・運動といった自己管理、そして引き金を避けることを、本人とご家族が理解して実行できるようにすることを指します。

2026年の国際的な報告でも、子ども・思春期の頭痛の危険因子や引き金として、睡眠のパターン、食事、脱水、画面を見る時間、心理社会的な問題、天候、家族素因が挙げられています(Uludüz et al. 2026)。

引き金 家庭でできる工夫(一般的な例)
睡眠 不足も寝すぎも引き金になります。休日の朝寝坊で崩れやすいので、起きる時刻をなるべくそろえます
食事 朝食を抜かない。部活の前後で長く空腹にならないようにします
脱水 のどが渇く前にこまめな水分を。夏の部活や登下校では特に意識します
画面を見る時間 長時間の連続使用を区切る。寝る前の使用は睡眠にも影響します
心理社会的な要因 学校や友人関係の負担が背景にあることがあります。責めずに聞く姿勢が助けになります
天候 気圧の変化で起こりやすい子もいます。記録して関連を確かめます
家族素因 ご家族に片頭痛のある方が多い傾向があります。受診時に伝えると診断の助けになります

引き金には大きな個人差があり、すべての子に当てはまるわけではありません。すべてを一度に変える必要もありません。ご自身のお子さんに当てはまりそうなところから、無理のない範囲で一つずつで十分です。


記録が、いちばんの手がかりになります

家庭でできることのなかで、最も診療に役立つのが記録です。頭痛のあった日に印をつけるだけでも構いません。「痛い日だけ」で十分で、空欄の日は頭痛がなかった日という情報になります。

記録しておくと診察で役に立つこと

  • 頭痛のあった日:月に何日あるかが、治療方針を決める大きな手がかりになります
  • 痛み止めを使った日:使う回数が増えていないかを確認できます
  • 学校をどうしたか:休んだ、保健室で休んだ、早退した、いつもどおり過ごせた
  • その日のできごと:睡眠、食事を抜いたか、行事や試験、天気など

大人の頭痛の記録については「薬だけに頼らない頭痛治療と看護師のサポート」でくわしくご紹介しています。記録の考え方は子どもでも同じです。



4. 学校に行けない頭痛のこと

ここが、この記事でいちばんお伝えしたい部分です。頭痛が理由で学校に行けなくなることがあります。そしてこれは、日本頭痛学会の診療ガイドラインに独立した項目(CQ VII-7「不登校・不規則登校を伴う頭痛はどのような頭痛か、どう対処すればよいか」)が立てられているテーマです(日本頭痛学会 2021)。医療の側でも、対応すべき課題として認識されているということです。

ガイドラインには、年間30日以上の欠席という意味での不登校が、日本では小学生の0.3〜0.4%、中学生の2.5〜3%であり、登校できない理由となる身体症状の代表が頭痛である、と記載されています(日本頭痛学会 2021)。

そして、多くのご家庭が引っかかる点についても書かれています。時々起こる発作性の頭痛には薬が効いていたのに、毎日続く頭痛になると薬が効かず、しかも休日は頭痛が軽い。これを子ども自身が自覚していることも多い、という経過です(日本頭痛学会 2021)。「休日は元気なのに」という違和感は、保護者の思い過ごしではなく、この頭痛のパターンそのものだということになります。

この場合に多いのは、毎日のように続く慢性緊張型頭痛です。発症は思春期に多く、小学生のころから時々あった頭痛が、中学のある時期から連日性になった、という経過をたどることがあります(日本頭痛学会 2021)。


毎日のように痛むとき(慢性連日性頭痛)

1日に4時間以上の頭痛が、1か月に15日以上続く状態は「慢性連日性頭痛」と呼ばれます。小児・思春期での割合は1〜4.5%と報告され、女子に多い傾向があります(日本頭痛学会 2021)。決してまれではありません。

この状態で知っておいていただきたいことが2つあります。ひとつは、学校に関わる生活への支障が大きく、心の不調をともなうことが多いため、診断には家庭や学校からの情報が欠かせないということです。もうひとつは、子どもの慢性連日性頭痛について、比較試験で効果が確かめられた薬物療法はまだないという点です。そのため、認知行動療法などの心理的な治療を併用することが重要とされています(日本頭痛学会 2021)。

「薬を出してもらえば解決する」という形にはなりにくく、生活の立て直しと心理面の支えを組み合わせていく。回り道に見えるかもしれませんが、これが現時点で根拠のある進め方です。

なお、ほかの病気が原因の慢性連日性頭痛は全体の10%ほどで、その多くはスポーツ後の脳振盪によるものと報告されています(日本頭痛学会 2021)。部活動でぶつかった、転倒して頭を打ったといったできごとのあとに頭痛が続いているときは、必ず医師にお伝えください。


「ずる休み」とは区別されています

医学の世界では、登校しない状態は「登校拒否(school refusal)」として、ずる休み(truancy)とは区別して理解されています。登校に関する何らかの心理的な要因のために、登校しない、あるいは登校できない状態を指します。不安や気分の落ち込みといった情緒の問題を抱える子どもでは、頭痛・腹痛・疲労感が、よくみられる身体症状であることも示されています(日本頭痛学会 2021)。

ガイドラインが勧めている対処は、頭痛の薬を強くしていくことではありません。学校でのいじめなど子どもが置かれた環境に配慮すること、心の不調が重なっていないかを考慮すること、心身医学的な対応と、適応指導教室などの教育機関につながること、そして頭痛と付き合いながら生活の改善を促すことです(日本頭痛学会 2021)。

だからこそ、診察では学校の出席状況をおたずねします。休んだ日数や、保健室で休んだか早退したかという情報は、頭痛がどれくらい生活に支障を出しているかを知るための、大切な手がかりだからです(日本頭痛学会 2021)。「学校を休んでいる」と伝えることは、恥ずかしいことでも、責められることでもありません。


「学校に行けない日が続いている」とお感じのときも、頭痛外来でご相談いただけます。

はじめて受診される方

初診のWEB予約はこちら

当院に通院中の方(頭痛再診)

頭痛再診のWEB予約はこちら



5. 受診の目安と当院の対応

「様子を見てよい頭痛」と「早めに相談したい頭痛」の線引きは、ご家庭では判断の難しいところだと思います。まず前提として、子どもの頭痛のうち、ほかの病気が原因で起こる頭痛(二次性頭痛)で多いのは感染症によるもので、次いで頭部外傷です。中枢神経の重い病気はごくわずかである、とガイドラインは述べています(日本頭痛学会 2021)。風邪や副鼻腔炎にともなう頭痛は、実際によくあるものです。

そのうえで、次のようなときは早めにご相談ください。

こんなとき 理由
月に何度も繰り返している 回数が多いほど生活への影響が大きく、予防という考え方が必要になります
学校を休む・保健室・早退が増えた 生活支障度を測る大切な指標で、治療方針が変わります
痛み止めを使う日が増えている 使いすぎが新たな頭痛につながることがあります
頭を打ったあとに頭痛が続く 子どもの二次性頭痛では、頭部外傷が感染症に次いで多いためです
これまでと様子が違う 痛み方や場所、時間帯の変化は、確認しておきたいサインです

いっぽうで、これまでに経験したことのない突然の激しい頭痛、手足のまひ、ろれつが回らない、意識がはっきりしない、けいれん、繰り返す嘔吐をともなうときは、様子を見ずに救急の対応が必要です。ためらわず119番を呼んでください。呼ぶかどうか迷うときは、救急安心センター(#7119)や、子ども医療電話相談(#8000)にご相談いただけます。

受診のときに持っていくと役に立つもの

  • 頭痛のあった日の記録:カレンダーやスマートフォンのメモで構いません
  • 使ったお薬:市販薬も含め、名前と使った日数が分かるもの
  • 学校の出席の状況:休んだ日数、保健室、早退の有無
  • ご家族の頭痛:親御さんやきょうだいに片頭痛のある方がいるか

当院でのご相談について

当院は大阪市城東区、京阪「野江」駅から徒歩約4分の脳神経外科クリニックです。昼休みをはさまない通し診療のため、学校のあとや部活の前後など、来やすい時間を選んでいただけます。お子様の頭痛については「お子様の頭痛の診断、治療」のページでもご案内しています。

検査が必要と医師が判断した場合には、MRI検査を行います。ガイドラインは、危険因子があるときにはCTまたはMRIを行い、その際は放射線被曝に配慮するよう求めています(日本頭痛学会 2021)。MRIは磁気を使う検査で放射線を使わないため、この点で子どもに向いた検査といえます。撮影そのものは短時間で終わり、当院では医師の判断により当日の撮影に対応しています。

薬による治療についても、当院のコラムで解説しています。予防という考え方については「学校を休む頭痛に「予防」という考え方」を、子どもに使われる予防のお薬については「シプロヘプタジンによる小児片頭痛の予防治療」をあわせてご覧ください。薬の開始・変更・中止は自己判断で行わず、医師にご相談ください。

なお、子どもの片頭痛の予防に用いられるお薬のなかには、国内で承認された効能とは異なる使い方(適応外使用)となるものがあります。医師が必要と判断した場合に、その点をご説明したうえで検討します。



6. よくある質問

Q. 子どもの頭痛は何科に相談すればよいですか?

原因がはっきりしない頭痛では、まずかかりつけの小児科でご相談いただく方法があります。そのうえで、頭痛が繰り返している、学校生活に影響が出ている、画像検査を考えたいという場合は、頭痛を扱う脳神経外科や脳神経内科の外来という選択肢があります。当院でもお子様の頭痛のご相談をお受けしています。どちらが正解ということはなく、相談しやすいところから始めていただいて構いません。

Q. 休日は元気なのに、学校の日だけ頭が痛いと言います。仮病でしょうか?

仮病と決めつけることはできません。診療ガイドラインには、毎日続く頭痛では薬が効きにくく、休日は頭痛が軽いという経過が記載されており、子ども自身がそれを自覚していることも多いとされています(日本頭痛学会 2021)。頭痛が本当にあることと、学校に関わる負担が影響していることは、両立します。責める前に、頭痛の記録をつけて一度ご相談いただくことをおすすめします。

Q. 中学生です。市販の痛み止めを使い続けても大丈夫でしょうか?

使う回数が増えているときは注意が必要です。痛み止めを頻繁に使い続けると、かえって頭痛が起こりやすい状態につながることがあります。すでに増えていると感じる場合でも、自己判断で急にやめることは勧められません。月に何日使っているかを記録して、受診の際にお持ちください。

Q. MRI検査は子どもでも受けられますか?

年齢や状況にもよりますが、受けていただけます。MRIは磁気を使う検査で放射線を使わないため、被曝の心配がありません。ただし、検査が必要かどうかは症状や経過をふまえて医師が判断します。すべてのお子さんに画像検査が必要というわけではなく、ガイドラインも、危険因子があるときに画像検査を行うという考え方を示しています(日本頭痛学会 2021)。

Q. 家庭で気をつけることから始めても意味がありますか?

意味があります。診療ガイドラインは、小児・思春期の片頭痛の治療について、患者教育を含めた薬を使わない方法を前提に取り組むことが望ましいとしています(日本頭痛学会 2021)。睡眠・食事・水分といった土台を整えることは、精神論ではなく治療の一部という位置づけです。そのうえで足りない部分を、医療で補っていく形になります。

Q. 頭痛があるとき、部活は続けてもよいですか?

一律にやめなければならない、ということはありません。診療ガイドラインが挙げる自己管理には、適度な運動・食事・適切な睡眠が含まれています(日本頭痛学会 2021)。ただし部活動では、水分が足りなくなる、食事の間隔が空く、睡眠時間が削られるといった引き金が重なりやすいため、そこへの手当ては必要です。また、頭をぶつける可能性のある競技では、脳振盪のあとに頭痛が続くことがあります。ぶつけたできごとがあったときは、続けてよいかを含めて医師にご相談ください。



7. まとめ

  1. 子どもの頭痛は年齢とともに増えます。日本の学校調査では片頭痛が小学生3.5%・中学生4.8〜5.0%・高校生15.6%、緊張型頭痛が小学生5.4%・中学生11.2%・高校生26.8%と報告されています。
  2. 18歳未満の片頭痛は両側が痛むことが多く、おでこからこめかみに起こり、2時間で終わることもあります。大人の基準で判断すると見落としやすい点です。
  3. 治療は、睡眠・食事・水分・記録といった土台づくりを前提に組み立てます。引き金には個人差があり、できるところから一つずつで構いません。
  4. 頭痛で学校に行けなくなることは診療ガイドラインにも項目のあるテーマで、「休日は軽い」という経過も記載されています。責める前に、記録を持って一度ご相談ください。

お子さんの頭痛は、「そのうち治る」とあきらめる必要も、「気のせいかもしれない」と抱え込む必要もありません。頭痛の記録を持ってお越しいただければ、そこから一緒に整理していけます。どうぞお気軽にご相談ください。



お問い合わせ・ご予約

大阪でお子さんの頭痛が気になる方は、いわた脳神経外科クリニックへお気軽にご相談ください。ご予約は、下記から可能です。

はじめて受診される方

初診のWEB予約はこちら

当院に通院中の方(頭痛再診)

頭痛再診のWEB予約はこちら


当院公式LINEにてご質問等もお受けしておりますので、お気軽にお問い合わせくださいませ。

友だち追加



関連記事


重要:本記事の位置づけ(医療情報として)

  • 本記事は、公的資料や研究報告に基づく「一般的な医療情報」です。
  • 特定の治療を推奨・保証するものではありません。症状の感じ方や経過には個人差があります。
  • 実際の診断・治療は、症状・既往歴などを踏まえて医師が判断します。気になる症状があるときは受診してください。
この記事を書いた先生のプロフィール
いわた脳神経外科クリニック 院長 岩田 亮一
医師・医学博士/日本脳神経外科学会認定 脳神経外科専門医/日本脳神経血管内治療学会認定 脳血管内治療専門医/日本頭痛学会認定 頭痛専門医
(日本脳卒中学会・日本認知症学会 所属)

脳外科医として関西医大で14年間勤務。大学時代は、脳腫瘍や脳卒中の手術治療や研究を精力的に行ってきました。
脳血管内治療(カテーテル治療)の専門医でもあり、くも膜下出血や脳動脈解離など「危険な頭痛」の鑑別・初期対応にも力を入れています。
即日MRI診断で手遅れになる前にスムーズな病診連携を行っています。MRIで異常がない頭痛であっても、ただの頭痛ではなく脳の病気であり治療が必要です。メタ認知で治す頭痛治療をモットーに頭痛からの卒業を目指しています。
院長の私自身も頭痛と付き合ってきました。だからこそ、毎日頭痛外来で100人以上の頭痛患者さんの診療を行っています。我慢しないでその頭痛一緒に治療しましょう。

詳しい医師のご紹介はこちら
院長写真

参考文献

  1. 日本頭痛学会 2021, 頭痛の診療ガイドライン2021, 日本神経学会・日本頭痛学会・日本神経治療学会, viewed 8 September 2026, <https://www.jhsnet.net/pdf/guideline_2021.pdf>.
  2. Uludüz, D, Abu-Arafeh, I, Orr, SL, Karsan, N, Faria, V, Tatishvili, NN, Lisicki, M, Hikita, T, Genç, H & Özge, A 2026, ‘Migraine and headache in children and adolescents: a 2026 evidence-based factsheet’, Cephalalgia, vol. 46, no. 8, DOI 10.1177/03331024261463173, viewed 8 September 2026, <https://doi.org/10.1177/03331024261463173>.