デスクで首の後ろに手を当てる女性|ストレスの頭痛は2種類あります

この記事で分かること

  • ストレスで起こる頭痛には、締めつけられる「緊張型頭痛」とズキズキする「片頭痛」の2つがあり、痛む場所と痛み方で見分けられること
  • ストレスは両方の頭痛に共通する引き金だが、対処のしかたはタイプによって変わること
  • 痛みがストレスを生み、そのストレスがまた痛みを呼ぶという悪循環が起こりうること

「仕事が立て込むと、決まって頭が痛くなる」「気を張っていた週末に限って寝込む」。ストレスと頭痛のつながりを、多くの方が実感として持っています。

その実感には根拠があります。ストレスは頭痛の引き金として最もよく報告されるもののひとつで、しかも片頭痛と緊張型頭痛という性質の違う2つの頭痛に、共通して関わっていることが分かっています(Onan et al. 2023)。

ただ、同じ「ストレスによる頭痛」でも、どちらのタイプかによって、やるべきことが変わります。この記事では、まず自分がどちらに近いのかを見分けるところから、家庭でできる対処、そして受診を考えたほうがよい目安までを順に整理します。

本記事は、公的なガイドラインや研究報告にもとづく一般的な医療情報です。診断・治療は症状や経過をふまえて医師が判断します。頭痛の起こり方や感じ方には個人差があり、ここに書いた特徴がそのままご自身に当てはまるとは限りません。


目次



ストレスによる頭痛が続いているなら、我慢を続ける前に一度ご相談ください。タイプを見きわめるところからお手伝いします。

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1. ストレスで頭が痛くなる理由

「ストレスで頭が痛い」という感覚は、多くの方が経験しているのに、いざ説明しようとすると難しいものです。まずはそこから整理します。

ストレスがかかると、体は無意識のうちに身がまえます。歯を食いしばり、肩が上がり、首の後ろから頭にかけての筋肉が緊張したままになる。この状態が続くと、頭を外から締めつけられるような痛みが出てきます。これが緊張型頭痛のしくみです。

一方で、ストレスは片頭痛の引き金にもなります。こちらは筋肉のこわばりではなく、脳の血管や三叉神経のはたらきが関わる頭痛です。緊張型頭痛とはまったく別の病気ですが、どちらもストレスという同じ引き金で起こりうる点が、話をややこしくしています(Onan et al. 2023)。


体の中で何が起きているのか

もう少し具体的に見てみます。ストレスがかかると、体は「戦うか逃げるか」の構えを取ります。心拍が上がり、呼吸が浅くなり、筋肉に力が入る。これは本来、危険から身を守るための反応です。

問題は、現代のストレスが「逃げても戦っても終わらない」種類のものだという点です。締め切り、人間関係、介護、育児。構えたまま何日も過ごすことになり、首から肩、後頭部の筋肉が休むタイミングを失います。硬くなった筋肉が周囲の神経を刺激し、痛みとして感じられる。これが緊張型頭痛の道筋です。

片頭痛のほうは、筋肉ではなく脳の感覚のはたらきそのものが変わると考えられています。光や音、においに敏感になり、ふだんは気にならない刺激が痛みの引き金になる。ストレスがこの状態を起こしやすくする、という関係です。

つまり同じ「ストレスで頭が痛い」でも、体のどこで何が起きているかが違います。だから対処も変わってきます。


気が張っているときより、ゆるんだときに来ることがある

「平日は平気なのに、休みの日に限って寝込む」という方がいます。これは気のせいではありません。緊張から解放されたタイミングで片頭痛が起こることは、実際によく経験されます。

ですから、「休みの日に頭が痛くなるのは怠けているからだ」と自分を責める必要はまったくありません。むしろ、張りつめていた時間が長かったことのあらわれと考えたほうが実態に近いのです。


ストレスは、間接的にも頭痛を悪くする

ストレスがかかると、眠りが浅くなる、食事を抜く、お酒の量が増える、カフェインを摂りすぎる、といったことが起こりがちです。これらはそれ自体が頭痛の引き金になります。ストレスは直接痛みを呼ぶだけでなく、生活のリズムを崩すことを通じても頭痛を悪化させます。

まず押さえておきたい3点

  • ストレスによる頭痛は1種類ではない:緊張型頭痛と片頭痛のどちらもありうる
  • タイプによって対処が変わる:温めるとよい頭痛と、逆効果になる頭痛がある
  • ゆるんだときに来ることもある:休日の頭痛は珍しくない


2. 痛む場所でわかる2つのタイプ

「ストレスの頭痛はどこが痛むのか」は、よくいただくご質問です。国際的な診断基準(ICHD-3)にもとづく2つの頭痛の特徴を並べると、違いがはっきりします(Onan et al. 2023)。

見るところ 緊張型頭痛 片頭痛
痛む場所 両側。後頭部から首・肩にかけて 多くは片側(約6割)。4割は両側
痛み方 締めつけられる・押される感じ。脈打たない ズキンズキンと脈打つ
強さ 軽度〜中等度 中等度〜重度
動くと 歩いても悪化しない 階段や歩行で悪化する。動きたくなくなる
吐き気 なし 吐き気・嘔吐を伴うことがある
光・音 どちらか一方があることはある 光も音もつらくなる
続く時間 30分〜7日 4〜72時間

もう少し噛みくだくと、こういうことです。緊張型頭痛は「頭全体をヘルメットで締められている」ような感じ方をされる方が多く、痛む場所を指1本で示すのが難しい。一方の片頭痛は「ここ」と指させることが多く、脈に合わせてズキンとくるのが典型です。

また、痛みが出るまでの立ち上がり方も違います。緊張型頭痛は夕方にかけてじわじわ重くなることが多いのに対し、片頭痛は数十分から数時間で一気に強くなり、動けなくなることがあります。

いちばん分かりやすい見分け方は「動いたときにどうなるか」です。 痛くても家事や通勤ができるなら緊張型頭痛に近く、階段を上がると響いて動きたくなくなるなら片頭痛に近いと考えられます。

両方を持っている方もいます。 緊張型頭痛と片頭痛は併存することがあり、実際の診療でも珍しくありません(Onan et al. 2023)。「どちらか一方に決めなければ」と考える必要はなく、その日の頭痛がどちらの型かを見分けられれば十分です。



3. 緊張型頭痛の特徴と対処

後頭部から首すじ、肩にかけて重く締めつけられる。夕方になるほどつらい。パソコン作業の日にひどい。こうした頭痛は緊張型頭痛の可能性があります。


家庭でできること

  • 温める:蒸しタオルや入浴で首・肩の血流を促す
  • 姿勢を変える:30分に一度は画面から目を離し、肩を回す
  • 画面の高さ:うつむく角度が続くほど首の負担が増える
  • 食いしばりに気づく:日中、上下の歯が触れていないか意識してみる

緊張型頭痛は、体を動かしたほうが楽になることが多いのが特徴です。痛いからと横になって動かずにいると、かえって長引くことがあります。


痛みが出ている「いま」できること

順番に試してみてください。

やること 目安と考え方
首の後ろを温める 蒸しタオルを5分ほど。血流が戻ると軽くなることがあります
肩を回す 前後に10回ずつ。強くもむのではなく、大きく動かすのが目的です
息を長く吐く 4秒吸って8秒吐くを数回。浅い呼吸が続いていると首の筋肉も休めません
目を休ませる 画面から離れて遠くを見る。眼のまわりの緊張も頭痛につながります
水分をとる 忙しいと水分が不足しがちです。それ自体が頭痛の引き金になります

毎日のなかで積み上げること

その場をしのぐ対処だけでは、頭痛が起こる回数は減りません。起こりにくい状態を作っていくほうが、結果的に楽になります。

  • 起きる時間をそろえる:休日の寝坊も頭痛の引き金になります。平日との差は2時間以内が目安です
  • 画面の高さを上げる:うつむく角度が浅くなるだけで首の負担が変わります
  • 食事を抜かない:空腹は頭痛の引き金です。忙しい日ほど気をつけたいところです
  • 日中の食いしばりに気づく:気づいたら上下の歯を離す。それだけで側頭部の負担が減ります
  • 頭痛が出た日を記録する:何をしていた日に痛むのかが見えてきます

とくに記録は効果があります。「なんとなくストレスで痛い」と思っていたものが、書き出してみると「会議が続いた週」「睡眠が5時間を切った翌日」といった形をとって見えてくることがあります。見えれば手が打てます。


気をつけたいこと

市販の痛み止めは頼りになりますが、使う日数が増えていくときは注意が必要です。痛み止めを月に10日以上使う状態が続くと、薬そのものが頭痛を起こす「薬物乱用頭痛」という状態を招くことがあります。「効かないから飲む回数を増やす」という流れになっていたら、一度受診をご検討ください。



4. ストレスが片頭痛を引き起こすとき

片頭痛の方にとって、ストレスは引き金として最もよく挙げられるもののひとつです。片頭痛の方の感じているストレスの強さを調べた研究では、片頭痛のある方はそうでない方より高いストレスを自覚しており、とくに慢性化している方でその傾向が強かったと報告されています(Moon et al. 2017)。


緊張型頭痛とは逆の対処になります

片頭痛のときに温めたりもんだりすると、かえってつらくなることがあります。 拍動する痛みの最中は、暗く静かなところで休み、痛むところを冷やすほうが楽になりやすいとされています。緊張型頭痛と対処が逆になるため、タイプの見分けが役に立ちます。

発作が始まりそうだと感じたら、早めに動くことが大切です。片頭痛の発作用の薬は、痛みが本格化してから飲むより、始まりかけの段階で使うほうが効きやすいとされています。「もう少し様子を見よう」と我慢しているうちに、効きにくい状態になってしまうことがあります。

また、発作の最中に無理をして動き回ると悪化します。短時間でも横になれる場所を確保することが、結果的に早く復帰する近道になることがあります。仕事中であれば、休憩室や車の中でも構いません。

また、片頭痛には発作を止める薬(急性期治療)と、起こる回数そのものを減らす薬(予防治療)があります。月に何度も寝込んでいるなら、痛くなってから対処するだけでなく、予防という選択肢を検討する段階です。

予防のお薬にはいくつか種類があります。当院で扱っているCGRP関連薬については エムガルティの診療案内 と アジョビの診療案内 に、対象となる方や費用をまとめています。



5. 痛みとストレスの悪循環

ここからは、当院が診療のなかで大切にしている見方をお伝えします。

ストレスが頭痛を引き起こすだけでなく、頭痛のほうがストレスを生んでいるという側面です。


痛くない日にも、頭痛は影を落とす

痛みで家事や仕事に集中できない。予定を入れるのをためらう。「また来るのではないか」という不安が、痛くない日にも消えない。こうした負担そのものが、慢性的なストレスになります。

さらに、痛みを我慢しながら過ごすこと自体が体に負担をかけます。痛みに耐えているとき、人は無意識に力が入ります。眉のあたりに力が入り、肩が上がり、呼吸が浅くなる。痛みをこらえる姿勢そのものが、次の頭痛の下地を作ってしまうことがあるのです。

そしてそのストレスが、次の頭痛の引き金になる。痛みとストレスが互いの原因になり、輪のようにつながってしまうことがあるのです。


「たかが頭痛」と思われるつらさ

片頭痛は、そのつらさが周囲に理解されにくい病気でもあります。休んでよい病気だと思われていないために、痛みを我慢して働き、家事をこなしている方が大勢いらっしゃいます。「分かってもらえない」という経験自体が、さらにストレスを重ねます。

周囲の理解が得られないつらさについては 上司必見!「片頭痛はサボりではない」頭痛持ちの気持ちを理解する でも詳しく書いています。職場の方にも読んでいただける形にしていますので、必要なときは共有してみてください。


先回りの不安が、生活を小さくしていく

この悪循環でとくにやっかいなのは、まだ起きていない頭痛におびえてしまうところです。

友人との約束を入れるのをためらう。旅行の計画を立てられない。子どもの行事の前日から緊張する。痛みそのものより、「その日に痛くなったらどうしよう」という予期が、生活の選択肢を少しずつ狭めていきます。

そして予定を減らすと、今度は「自分は何もできていない」という感覚が積もります。それがまた負担になる。頭痛が奪っているのは痛かった時間だけではなく、痛くなかったはずの時間まで含まれているのです。

ここを言葉にできると、状況は少し動きます。「痛みを減らす」だけでなく「予定を立てられるようになる」ことを目標に置けるからです。実際、治療がうまくいっている方は、痛みの回数が減る前に「来月の予定を入れられた」という形で変化が出ることがあります。

自分がどんなときに、どうストレスを感じているのかを客観的にながめる考え方については 【MIBS-4】メタ認知で頭痛を治す にまとめています。当院が診療のなかで取り入れている見方です。

この悪循環を断ち切るには、痛みへの対処とストレスへの対処の両方が要ります。痛みだけを抑えても、痛みが生んでいる不安が残れば、輪は回り続けるからです。



6. 毎日痛むときに考えること

「ほぼ毎日、頭が重い」という状態が続いているなら、いくつか確認したいことがあります。

確認すること 考えられること
痛み止めを月に10日以上使っていないか 薬物乱用頭痛。使う回数を減らす方向の見直しが必要
頭痛のある日が月15日以上ないか 慢性化。予防治療を検討する段階
眠れているか 睡眠不足も睡眠過多も頭痛の引き金になる
これまでと痛み方が変わっていないか 別の原因が隠れている可能性。検査を検討

ストレスのせいだと思っていたら、別の原因だったこともあります

「ストレスだから仕方ない」と片づけてしまう前に、似た症状を起こす別の原因も知っておいてください。

考えられるもの 気づくきっかけ
眼精疲労・度の合わない眼鏡 夕方に強くなる。目の奥の重さを伴う。眼鏡を作り直して軽くなることがある
副鼻腔炎 前かがみで悪化する。鼻づまりや黄色い鼻水を伴う。頬や額のあたりが痛む
睡眠時無呼吸 起床時にいちばん痛い。いびきを指摘されたことがある。日中に強い眠気
頸椎の変化 首を動かした向きで痛みが変わる。腕のしびれを伴うことがある
気分の落ち込み・不安 頭痛だけでなく、眠れない・食欲がない・興味がわかない状態が続いている

とくに最後の項目は見落とされがちです。気分の不調は頭痛として先に出てくることがあります。「頭が痛いだけ」と思っていたら、背景に別の不調があった、ということは実際にあります。頭痛以外にも気になることが続いているなら、そのこともあわせてお話しください。

首や肩のこりが起点になっている場合は 肩こり・首こりからくる頭痛の記事 も、自律神経の乱れが気になる場合は 自律神経と頭痛の記事 もあわせてご覧ください。


「毎日痛い」は、慢性化のサインかもしれません

頭痛は、回数が増えていくと性質が変わっていくことがあります。はじめは月に数回だった頭痛が、だんだん週に何度もになり、やがて「痛くない日を思い出せない」状態になる。これを慢性化と呼びます。

慢性化すると、ひとつひとつの痛みは以前より軽く感じられることがあります。そのため「ひどくはないから大丈夫」と受診が遅れがちです。しかし回数が増えているという事実そのものが、対処を変えるべきサインです。

慢性化の背景には、ストレスや睡眠の乱れだけでなく、痛み止めの使いすぎが関わっていることがよくあります。痛いから飲む、飲むから一時的に楽になる、切れるとまた痛む。この繰り返しが、頭痛そのものを起こしやすい状態を作ってしまうのです。

ここまで来ると、生活の工夫だけで戻すのは難しくなります。痛み止めの使い方を組み替えることと、回数を減らす治療を入れることの両方が必要になります。「毎日痛い」まで来ているなら、それは我慢の量が足りないのではなく、方法を変える時期に来ているということです。

すぐに受診・救急を考えていただきたい頭痛

  • これまで経験したことのない、突然の激しい頭痛
  • 手足のまひ、ろれつが回らない、ものが二重に見える
  • 発熱と首のかたさを伴う
  • 頭を打ったあとから続いている

これらはストレスによる頭痛ではなく、別の病気のサインの可能性があります。ためらわず119番へご連絡ください。判断に迷うときは救急安心センター(#7119)もご利用いただけます。


「ストレスのせいだから仕方ない」と決めてしまう前に、一度タイプを確かめてみませんか。

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7. 当院での対応

いわた脳神経外科クリニックは大阪市城東区成育にあり、京阪本線・野江駅から徒歩4分の場所にあります。昼休みをはさまない通し診療を行っていますので、お仕事の合間やお昼の時間帯にも受診していただけます。

当院ではまず、危険な頭痛が隠れていないかを確かめます。必要と判断した場合は即日MRIに対応しており、その日のうちに頭のなかを確認できます。そのうえで頭痛のタイプを見立て、緊張型頭痛なのか片頭痛なのか、あるいは両方なのかを整理します。


痛みとストレスの両方に向き合います

痛みに対しては、発作時のお薬と、回数を減らす予防のお薬を、状態に応じてご提案します。当院ではCGRP関連薬による片頭痛の予防治療を継続的に行っており、累計で2,400例以上の治療実績があります(2026年8月時点)。

診察では、いつ・どこが・どんなふうに痛むのかを一緒に整理します。「ストレスで痛い」というところから一歩進んで、どのタイプなのか、引き金は何か、慢性化していないかを確かめていきます。ご自身で記録をつけてきてくださっている場合は、それが大きな手がかりになります。

あわせて、頭痛看護師による生活指導を行っています。どんなときに痛みが出やすいのか、生活のどこに負担がかかっているのかを一緒に整理していく時間です。痛みを抑えることと、痛みが生んでいる不安を減らすことは、どちらも治療の一部だと考えています。

また当院には心理士も在籍しています。頭痛が続くことで気持ちがふさぎがちになっている、ストレスそのものを誰かに話して整理したい、という場合は、医師・頭痛看護師とあわせて心理士にもご相談いただけます。



8. よくある質問

Q. ストレス性頭痛という病名はあるのですか。

正式な診断名としては使われていません。国際的な診断基準では緊張型頭痛や片頭痛といった分類になり、ストレスはその引き金のひとつという位置づけです。ただ、日常の言葉としては実態をよく表しているので、受診の際は「ストレスがかかると痛くなります」とそのままお伝えいただいて大丈夫です。

Q. ストレスの頭痛はどこが痛みますか。

緊張型頭痛なら後頭部から首・肩にかけて両側が、締めつけられるように痛むことが多いとされています。片頭痛ならこめかみや目の奥を中心に片側がズキンズキンと痛むことが多くなります。ただし片頭痛でも4割ほどは両側に出るため、場所だけで決めず、動いたときに悪化するかどうかもあわせてご確認ください。

Q. 温めるのと冷やすのは、どちらが正解ですか。

タイプによって逆になります。 首や肩のこわばりを伴う緊張型頭痛は温めると楽になりやすく、ズキズキ拍動する片頭痛の最中は冷やして暗く静かな場所で休むほうが向いています。迷ったときは、動いて悪化するかどうかを目安にしてください。

Q. ストレスによる頭痛の治し方を教えてください。

タイプによって変わりますが、共通して効果が期待できるのは睡眠時間をそろえること、食事を抜かないこと、水分をとることの3つです。地味ですが、頭痛の引き金として実際によく挙がるものばかりです。そのうえで、締めつけ型なら首を温めて肩を動かす、拍動型なら暗く静かなところで冷やして休む、と分けてください。痛み止めを月に10日以上使っている場合は、まず受診をご検討ください。飲み方の組み替えが必要な段階です。

Q. 何科を受診すればよいですか。

頭痛を専門に診ている脳神経外科や脳神経内科が選択肢になります。とくにこれまでと違う痛み方をしている場合や、痛みが強くなってきている場合は、画像検査ができる医療機関をおすすめします。当院は即日MRIに対応しています。

Q. ストレスを減らせば頭痛は治りますか。

ストレスへの対処は大切ですが、それだけで解決するとは限りません。ストレスは引き金のひとつであって、頭痛そのものの原因ではないからです。痛みへの対処と、生活の見直しの両方を組み合わせていくのが現実的です。

Q. 休みの日に頭痛が起きるのはなぜですか。

張りつめていた緊張がゆるんだタイミングで片頭痛が起こることは、よく経験されます。怠けているからではありません。 平日の負担が大きい可能性を示しているとも考えられるので、生活の組み立てを見直すきっかけとして受け止めていただければと思います。

Q. 市販の痛み止めを飲み続けても大丈夫でしょうか。

使う日数が問題になります。目安として月に10日以上の使用が続いている場合は、薬そのものが頭痛を起こしやすくする状態を招くことがあります。回数が増えてきていると感じたら、量を増やす前に一度ご相談ください。飲み方を組み替えることで、かえって楽になる場合があります。



まとめ

  1. ストレスによる頭痛には、両側が締めつけられる緊張型頭痛と、片側がズキズキする片頭痛があり、ストレスは両方に共通する引き金です(Onan et al. 2023)。
  2. 見分けの決め手は動いたときに悪化するかどうか。悪化するなら片頭痛に近く、対処は温めるのではなく冷やして休むほうが向いています。
  3. 片頭痛のある方はストレスを強く自覚している傾向があり、とくに慢性化している方でその傾向が強いと報告されています(Moon et al. 2017)。
  4. 痛みがストレスを生み、そのストレスが次の痛みを呼ぶ悪循環が起こりえます。痛みへの対処と生活の見直しは、どちらも治療の一部です。

「ストレスのせいだから」と我慢を続けている方は、一度ご相談ください。まずはどのタイプの頭痛かを見きわめるところから、一緒に整理していきます。



お問い合わせ・ご予約

いわた脳神経外科クリニック(大阪市城東区成育2-13-27/電話 06-6935-2335/京阪本線・野江駅から徒歩4分)です。ご予約は下記から可能です。

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重要:本記事の位置づけ(医療情報として)

  • 本記事は、公的資料や研究報告に基づく「一般的な医療情報」です。
  • 特定の治療を推奨・保証するものではありません。症状の感じ方や経過には個人差があります。
  • 実際の診断・治療は、症状・既往歴などを踏まえて医師が判断します。気になる症状があるときは受診してください。
  • お薬の使用については、必ず医師・薬剤師の指示に従ってください。
この記事を書いた先生のプロフィール
いわた脳神経外科クリニック 院長 岩田 亮一
医師・医学博士/日本脳神経外科学会認定 脳神経外科専門医/日本脳神経血管内治療学会認定 脳血管内治療専門医/日本頭痛学会認定 頭痛専門医
(日本脳卒中学会・日本認知症学会 所属)

脳外科医として関西医大で14年間勤務。大学時代は、脳腫瘍や脳卒中の手術治療や研究を精力的に行ってきました。
脳血管内治療(カテーテル治療)の専門医でもあり、くも膜下出血や脳動脈解離など「危険な頭痛」の鑑別・初期対応にも力を入れています。
即日MRI診断で手遅れになる前にスムーズな病診連携を行っています。MRIで異常がない頭痛であっても、ただの頭痛ではなく脳の病気であり治療が必要です。メタ認知で治す頭痛治療をモットーに頭痛からの卒業を目指しています。
院長の私自身も頭痛と付き合ってきました。だからこそ、毎日頭痛外来で100人以上の頭痛患者さんの診療を行っています。我慢しないでその頭痛一緒に治療しましょう。

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院長写真

参考文献

  1. 日本神経学会・日本頭痛学会 監修 2021, 頭痛の診療ガイドライン2021, 医学書院, 東京.
  2. Moon, H-J, Seo, J-G & Park, S-P 2017, ‘Perceived stress in patients with migraine: a case-control study’, The Journal of Headache and Pain, vol. 18, no. 1, article 73, DOI 10.1186/s10194-017-0780-8.
  3. Onan, D, Younis, S, Wellsgatnik, WD, Farham, F, Andruskevicius, S, Abashidze, A, Jusupova, A, Romanenko, Y, Grosu, O, Moldokulova, MZ, Mursalova, U, Saidkhodjaeva, S, Martelletti, P & Ashina, S 2023, ‘Debate: differences and similarities between tension-type headache and migraine’, The Journal of Headache and Pain, vol. 24, no. 1, article 92, DOI 10.1186/s10194-023-01614-0.