片頭痛の症状に悩まされ、困った経験のある方もいらっしゃるのではないでしょうか。軽い片頭痛の症状を応急的に和らげたり、片頭痛の予防に役立ったりする飲み物があります。

今回は、片頭痛を和らげるおすすめの飲み物を紹介していきます。

 

片頭痛を和らげる飲み物はある?

片頭痛を軽減する効果が期待できる飲み物をいくつかご紹介します。頭の痛みに困った際は、以下の飲み物を試してみるのも対処法の一つです。試すときには注意点を守って飲みましょう。

 

コーヒー・紅茶・緑茶(カフェインを含む飲み物)

コーヒーには、軽症の片頭痛発作の痛みを和らげる、頓挫薬としても用いられるカフェインが含まれています。[1]そのため、カフェインを含むコーヒーを飲むと、一時的に片頭痛が抑えられるかもしれません。

ただし、カフェインは過度に摂取すると睡眠不足や頭痛の悪化、脱水、イライラ、緊張を引き起こす場合があるため、飲みすぎには注意が必要です。カフェインに過敏に反応しやすい人は少量でも影響を受ける可能性があります。

カナダ保健省によると、コーヒーの摂取量は健康な成人で1日マグカップ3杯まで(カフェイン1日400mgまで)が推奨されています。コーヒー以外にもカフェインを含む飲み物を飲む場合は、コーヒー以外のカフェイン量を考慮して1日の飲む量を調整しましょう。[2]

カフェインを含む飲み物は、コーヒー以外にも玉露・煎茶・抹茶・ほうじ茶・玄米茶・ウーロン茶・紅茶などがあります。緑茶の中でも新芽が多く使われる玉露には100mlあたり160mgと特にカフェインが多く含まれています。[2]

 

 

硬水

硬水には、片頭痛の予防効果が期待できるマグネシウム[3]が豊富に含まれています。日本の水道水の硬度(カルシウム、マグネシウムなど)は、100mg /L以下の軟水が目標値とされているため、硬水は飲みにくさを感じるかもしれません。人によっては便が緩くなることもあるので、[4]少しずつ飲みましょう。

水分不足は片頭痛の発作を長引かす可能性があるとの研究報告もあります。 [5]硬水・軟水に限らず、水分はこまめにとりましょう。

 

 

フィーバーフュー

フィーバーフュー(ナツシロギク)とは、ハーブの一種です。古くから片頭痛予防が期待できるとされ「中世のアスピリン」「18世紀のアスピリン」と呼ばれています。[3][6]

フィーバーフューはハーブティーとして楽しめますが、吐き気や腹部の張りなどの副作用も報告されています。また、キク科の植物のため、ブタクサのアレルギーがある場合は控えた方がよいでしょう。子宮収縮作用があるので、妊娠中の方も飲まないようにしましょう。[6]

野菜ジュース

ストレスは、片頭痛につながる要因の一つです。[3]GABAが含まれる野菜ジュースを飲むと、ストレスが軽減されたという報告があります。[7]ストレスケアとして野菜ジュースを飲むことで、片頭痛のトリガーとなるストレスを緩和できる可能性があります。

野菜ジュースには片頭痛予防の効果が期待できるビタミンB2も含まれています。自動販売機やコンビニなどで手軽に購入できるため、片頭痛予防として取り入れやすい飲み物です。

ジンジャーティー

ジンジャーティーに含まれるショウガには、片頭痛の症状を和らげる効果があるとされています。研究によると、ショウガの粉末と片頭痛治療薬のスマトリプタンの効果を比較した結果、どちらも頭痛の重症度を軽減することが確認されました。 [8]

ショウガ特有のピリピリとした辛みが苦手な方は、はちみつなどの甘味を入れると飲みやすくなるでしょう。

 

片頭痛につながる飲み物・食べ物

片頭痛につながる飲み物や食べ物があることをご存知でしょうか。次の飲み物や食べ物は片頭痛につながるリスクがあるため、飲み過ぎ・食べ過ぎに注意しましょう。

 

赤ワイン

アルコールの中で、とくに赤ワインは片頭痛につながりやすい飲み物です。ポリフェノールや血管拡張作用のあるアルコール、痛みに関連するヒスタミンによって片頭痛が起こります。[3]

チョコレート・チーズ・ナッツ・柑橘類

チョコレート・チーズ・ナッツ・柑橘類には、片頭痛を引き起こす要因であるチラミンが含まれています。また、片頭痛の慢性化には肥満が関係していることがわかっているため、脂肪や油を多く含むものも摂りすぎには気をつけたい食べ物です。[3]

 

 

片頭痛ケアの飲み物活用方法

赤ワインやチョコレート、ナッツなどは避けることが片頭痛の予防になります。一方で、飲むことで片頭痛の緩和や予防が期待できる飲み物もあります。ただし、すべての片頭痛患者さんに有効であるとは限りません。

頭痛の発作時に一時的に症状が緩和されたとしても、根本的な片頭痛の改善には至りません。続く頭痛がある場合は、脳と身体の両方から診察し、診断することが重要です。

 

適切な検査が受けられる医療機関で頭痛の診断・治療を

頭痛時には鎮痛剤で痛みを緩和する方も多いと思いますが、鎮痛薬では頭痛発作自体を抑えることはできません。しかし、近年では、片頭痛の発作自体を起こりにくくする「ヒト化抗 CGRP モノクローナル抗体製剤(「CGRP」頭痛薬剤)」を用いた治療法が出てきています。

本治療では、カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP:片頭痛を引き起こし、症状を進行させる神経伝達物質)の活性を抑制し、片頭痛の発症を抑える効果が期待できます。

 

片頭痛の診断や症状の経過に関する情報はでも詳しく解説しています。ぜひご覧ください。

「CGRP」頭痛薬剤を活用した治療は保険診療です。当院では以下の3つの治療薬を取り扱っています。

片頭痛発作治療薬エムガルティ(ガルカネズマブ)

片頭痛発作の発症を抑制する治療薬『アジョビ』

 

当院は「繰り返し起こるつらい頭痛で悩む人の人生を変えたい」という思いで頭痛外来を設置し、頭痛からの卒業をめざして、頭痛の診断・治療をおこなっています。MRIも備えており、脳の精密な検査も可能です。

当院で行う「頭痛の診断・治療」はこちらのページからご確認ください。

 

頭痛治療の専門的な知識・技術を持った医師が脳と身体の両方から頭痛に向き合い、症状や要望に合わせて診療しています。

日々の頭痛を根本的に解決したい方は、大阪市城東区のある「いわた脳神経外科クリニック」にご相談ください。

 

参考URL

[1] 北川泰久ら 頭痛治療のトピックス 日本内科学会雑誌102 p.1907~1915 2013

https://www.jstage.jst.go.jp/article/naika/102/8/102_1907/_pdf

[2] 農林水産省|カフェインの過剰摂取について

https://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/risk_analysis/priority/hazard_chem/caffeine.html

[3] 日本神経治療学会|頭痛の診療ガイドライン 2021 p.174

https://www.neurology-jp.org/guidelinem/pdf/headache_medical_2021.pdf

[4]厚生労働省|カルシウム・ マグネシウム等 (硬度) p.9.11

https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-11121000-Iyakushokuhinkyoku-Soumuka/0000178391.pdf

[5]Joseph Norman Blau et al Water-deprivation headache: a new headache with two variants Headache. 44(1) p.79-83 2004

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/14979888/

[6]厚生労働省『「統合医療」に係る 情報発信等推進事業』|フィーバーフュー(ナツシロギク)

https://www.ejim.ncgg.go.jp/pro/overseas/c04/21.html

[7]嗜好飲料の精神的ストレス緩和に関する研究 日本食品保蔵科学会誌 47(2)p.109-113 2021

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jafps/47/2/47_109/_pdf/-char/ja

[8]Mehdi Maghbooli et al Comparison between the efficacy of ginger and sumatriptan in the ablative treatment of the common migraine Randomized Controlled Trial Phytother Res 28(3) p.412-5 2014

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/23657930/

 

あなたも『頭痛から卒業』を目指して一緒に治療しませんか?

 

 

 

 

 

ご予約・お問い合わせはこちらから

一度診察を希望の方は、下記デジスマ診療をクリックしてご予約くださいませ。


また当院公式LINEにてご質問等をお受けしておりますので、
お気軽にお問い合わせくださいませ。

 

友だち追加

 

この記事を書いた先生のプロフィール

医師・医学博士【脳神経外科専門医・頭痛専門医 ほか】
脳外科医として関西医大で14年間勤務。大学時代は、脳腫瘍や脳卒中の手術治療や研究を精力的に行ってきました。脳卒中予防に重点をおいた内科管理や全身管理を得意としています。
脳の病気は、目が見えにくい、頭が重たい、めまい、物忘れなど些細な症状だと思っていても重篤な病気が潜んでいる可能性があります。
即日MRI診断で手遅れになる前にスムーズな病診連携を行っています。MRIで異常がない頭痛であっても、ただの頭痛ではなく脳の病気であり治療が必要です。メタ認知で治す頭痛治療をモットーに頭痛からの卒業を目指しています。
院長の私自身も頭痛持ちですが、生活環境の整備やCGRP製剤による治療により克服し、毎日頭痛外来で100人以上の頭痛患者さんの診療を行っています。我慢しないでその頭痛一緒に治療しましょう。

詳しい医師のご紹介はこちら
院長写真