大阪にて頭痛専門外来をしている「いわた脳神経外科クリニック」 院長 岩田 亮一です
「天気が変わると頭痛がひどくなる」
「雨が降るまえに頭痛がする」
「台風の時期は頭痛がイヤだ」
「今日は気圧が低そうだから頭痛がくるかも」
当院にこういった相談で来る人は意外にも多いです。
じつは頭痛と天気は密接に関係しています。
本記事では頭痛と低血圧の関係について紹介します。
低気圧による頭痛の原因と種類
気象病とは?頭痛との関連
気象病(きしょうびょう)とは、天候や気圧の変化に伴って体調不良を感じる症状のことです。
とくに気圧の低下や湿度の変化が関与しており、頭痛やめまい、体のだるさ、関節痛、耳鳴りなどの症状が現れます。
気象病は「天気痛」とも呼ばれ、気圧の変化が内耳(ないじ)の感覚器を刺激し、自律神経のバランスを乱すことで発生します。これによって、頭痛やその他の不調が引き起こされます。
低気圧が引き起こす片頭痛のメカニズム
頭痛には片頭痛(偏頭痛)、緊張型頭痛(きんちょうがたずつう)、群発頭痛(ぐんぱつずつう)など多くの種類があります。
低気圧が頭痛に与える影響は、とくに片頭痛が顕著です。
低気圧が引き起こす片頭痛のメカニズムは、気圧の低下による体内の変化に関連しています。低気圧が近づくと大気の圧力が下がり、血管が拡張しやすくなります。この血管の拡張が神経を圧迫して、片頭痛を引き起こすのが一因です。また、低気圧(ていきあつ)は自律神経のバランスを乱し、これが片頭痛の発生を促進します。さらに、セロトニンレベルにも影響を与え、血管の急激な収縮や拡張を引き起こすことで片頭痛を悪化させることがあります。
頭痛の予兆と発生する時期
- 気圧
- 季節
- 今日の天気
気圧
いつも気象予報をチェックして、気圧の変動に備えることで、頭痛の予防や対策を行うことが可能です。
季節
春と秋は気圧の変動が大きいため、片頭痛が発生しやすい時期です。梅雨の時期は湿度が高く、気圧も不安定になるため、頭痛が増える傾向があります。また、冬は寒さによる血管の収縮が原因で頭痛が起こることが多いです。
今日の天気
その日の天気が頭痛に与える影響も無視できません。
急激な気圧の低下や気温の変化がある日には、片頭痛が発生しやすいと言われています。
天気予報をチェックして、その日の気象条件に応じた対策をすることで頭痛の発生を未然に防ぎましょう。
低気圧による頭痛の対策と予防法
気象病に対する効果的な治療法
気象病としての低気圧による頭痛に対する効果的な治療法は、医師による適切な薬物療法があります。トリプタン系薬剤や鎮痛剤を処方することが多いです。
片頭痛であればCGRP製剤による予防療法も一般的になってきています。
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普段からできる頭痛対策
生活習慣の改善も重要で、規則正しい睡眠、バランスの取れた食事、適度な運動が推奨されます。自律神経を整えるためのリラクゼーション法やマインドフルネスも効果的です。
気圧の変動に敏感な人は、天気予報をチェックして事前に準備することが有効です。
当院では頭痛看護師による生活指導も行っていますので、お気軽にご相談ください。
女性に多い片頭痛の対策
片頭痛は女性に多い疾患です。ホルモンバランスの変動が関与しているためです。
そのため月経周期に合わせた対策が必要で、医師と相談してホルモン療法を検討することも一つの方法です。
また、片頭痛を引き起こす原因を見つけて、それを避ける生活習慣を身につけることが有効です。対応は1人1人異なりますが、過度なカフェインやアルコールの摂取を控え、ストレスを軽減する生活を心掛けることが大切です。
頭痛を記録してみよう
頭痛ダイアリーという記録用紙です。
当院でもこの頭痛ダイアリーを使用している患者さんはとても多いです。
この頭痛ダイアリーは天気や気圧なども一緒に記録しておくことで、後で振り返ることができるのでとても便利です。
例えば「雨の日に頭痛症状がある」、「気圧が急に下がった日に頭痛症状がある」といった傾向がわかるようになります。傾向が分かれば「今日は頭痛が起こりそう」というタイミングで、事前に準備することができるようになります。
以上のように低気圧と頭痛は、密接に関係しています。
頭痛に関する悩みを抱えていたら、いつでも当院にお越しください。
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