夏の頭痛はなぜ起こる 熱中症・寒暖差・気圧との関係と対策

この記事で分かること

  • 夏の頭痛は、熱中症・脱水、冷房などの寒暖差、梅雨や台風の気圧変化が主な原因です
  • 水分補給・室温の調整・睡眠を整えることで、夏の頭痛は予防しやすくなります
  • 突然の激しい頭痛やしびれなど、受診・救急を考えるべきサインもお伝えします

気温が上がる夏になると、「頭が重い」「ズキズキする」と感じる方が増えます。原因がはっきりせず、なんとなく我慢して過ごしている方もいるのではないでしょうか。

夏の頭痛には、この季節ならではの引き金があります。仕組みを知れば、対策もしやすくなります。この記事では、夏に頭痛が起こる原因と予防法、そして受診の目安を、脳神経外科の視点でお伝えします。

「これは熱中症?それとも脳の病気?」という見分け方は「熱中症の頭痛・めまいと脳の病気の見分け方」でくわしく解説しています。


目次



大阪で夏の頭痛にお悩みの方は、いわた脳神経外科クリニックの頭痛外来へお気軽にご相談ください。

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1. 夏に頭痛が起こる原因

気温や湿度が高くなる夏には、いくつかの引き金が重なって頭痛が起こりやすくなります。代表的な3つを見ていきましょう。


熱中症・脱水

熱中症は、高温多湿の環境で体温の調節がうまくいかなくなり、体に熱がこもる状態です。汗を大量にかいたまま水分補給が追いつかないと脱水に傾き、頭痛の原因になります。環境省(2022)の分類では、頭痛は中等症(Ⅱ度)のサインにあたり、我慢せず涼しい場所で休むことが大切です。


冷房などの寒暖差

暑い屋外から冷房の効いた室内へ移動すると、急な気温の低下が自律神経に影響し、片頭痛が誘発されることがあります。佐藤(2015)は、気温の変化が痛みを強めることを報告しています。屋内外の温度差が大きい夏は、とくに注意したい引き金です。


梅雨や台風の気圧変化

梅雨や台風の時期は、低気圧が停滞して気圧の変動が生じやすくなります。日本頭痛学会(2021)でも、天候や気圧の変化は片頭痛の誘因のひとつとされています。気圧が下がると自律神経が過剰に反応し、頭痛が悪化することがあると考えられています。



2. 夏の頭痛を防ぐ方法

夏は体力を消耗しやすく、体調が変化しやすい季節です。次の対策で、頭痛が起こりにくい体調を整えましょう。


こまめに水分補給をする

のどが渇く前に、こまめに水分をとりましょう。汗をかくと水分と塩分が失われるため、大量に汗をかいたときは経口補水液も役立ちます。環境省(2022)は、飲み物として1日およそ1.2リットルを目安としています。起床時・運動前後・入浴前後は、とくに水分が不足しやすいタイミングです。

こまめな水分補給のイメージ


室内で涼しく過ごす

冷房や扇風機で室内を適温に保ち、カーテンで直射日光を遮りましょう。ただし冷房が効きすぎると、屋外との温度差で頭痛を招くことがあります。汗はしっかり拭き取り、羽織ものなどで冷えすぎを防いでください。


外出時の暑さ対策をする

外出時は日傘や帽子で直射日光を防ぎ、速乾性のある衣服を選びましょう。気温が上がりやすい昼過ぎの外出は避け、朝や夕方の涼しい時間帯を選ぶのもよい方法です。携帯扇風機や保冷剤も活用してください。

外出時の暑さ対策のイメージ


睡眠を整える

暑さで眠れず睡眠が不足すると、頭痛が起こりやすくなります。日本頭痛学会(2021)でも、睡眠リズムの乱れは片頭痛の誘因とされています。快適に眠れる室温を目安に、冷房や通気性のよい寝具で睡眠環境を整えましょう。

快適な睡眠環境のイメージ


くり返す頭痛や、対策しても治らない頭痛は、頭痛外来でご相談いただけます。

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3. こんな頭痛は受診を

多くの夏の頭痛は、生活の工夫で和らげられます。ただし、次のような頭痛は、脳の病気が隠れていることがあります。突然の、これまで経験したことのない激しい頭痛や、手足のまひ・しびれ、ろれつが回らないといった症状があれば、すぐに119番を呼んでください。

また、涼しい場所で休み水分をとっても治らない、くり返す、痛み止めが手放せないといった場合も、一度ご相談ください。夏の頭痛と脳の病気の見分けは「熱中症の頭痛・めまいと脳の病気の見分け方」でくわしく解説しています。頻繁に片頭痛をくり返す方には、発作を起こりにくくする予防的な治療という選択肢もありますので、頭痛外来でご相談ください。



4. よくある質問

Q. 夏の頭痛は冷やすのと温めるの、どちらがよいですか?

ズキズキと脈打つような片頭痛のときは、こめかみなどを冷やすと楽になることがあります。一方、肩や首のこりを伴う締めつけられる頭痛では温めると和らぐこともあります。合わない場合は無理をせず、続くときはご相談ください。

Q. 冷房の効いた部屋にいると頭が痛くなります。なぜですか?

屋外との温度差が大きいと、自律神経が乱れて片頭痛が誘発されることがあります。設定温度を下げすぎない、羽織もので調整する、こまめに体を温めるなどで、寒暖差をやわらげましょう。

Q. 市販の痛み止めを毎日飲んでも大丈夫ですか?

痛み止めを頻繁に飲み続けると、かえって頭痛が起こりやすくなることがあります。週に何度も必要な場合は、飲み方を見直したほうがよいサインです。自己判断で続けず、一度頭痛外来にご相談ください。

Q. 夏の頭痛と熱中症は、どう見分ければよいですか?

頭痛は熱中症の中等症のサインです。涼しい場所で休んでも良くならない、意識がおかしい、けいれんがあるといったときは、脳の病気の可能性もあります。詳しい見分け方は関連記事をご覧ください。



5. まとめ

  1. 夏の頭痛は、熱中症・脱水、冷房などの寒暖差、梅雨や台風の気圧変化が主な原因です。
  2. こまめな水分補給、室温の調整、暑さ対策、睡眠を整えることが予防に役立ちます。
  3. 突然の激しい頭痛や手足のまひ・ろれつの異常は、すぐに119番を呼んでください。
  4. 対策しても治らない頭痛やくり返す頭痛は、頭痛外来でご相談ください。

夏の頭痛は、原因を知って備えることで、ぐっと楽に過ごせます。我慢せず、気になる痛みがあればどうかお気軽にご相談ください。



お問い合わせ・ご予約

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重要:本記事の位置づけ(医療情報として)

  • 本記事は、公的資料や研究報告に基づく「一般的な医療情報」です。
  • 特定の治療を推奨・保証するものではありません。症状の感じ方や経過には個人差があります。
  • 実際の診断・治療は、症状・既往歴などを踏まえて医師が判断します。気になる症状があるときは受診してください。
この記事を書いた先生のプロフィール
いわた脳神経外科クリニック 院長 岩田 亮一
医師・医学博士/日本脳神経外科学会認定 脳神経外科専門医/日本脳神経血管内治療学会認定 脳血管内治療専門医/日本頭痛学会認定 頭痛専門医
(日本脳卒中学会・日本認知症学会 所属)

脳外科医として関西医大で14年間勤務。大学時代は、脳腫瘍や脳卒中の手術治療や研究を精力的に行ってきました。
脳血管内治療(カテーテル治療)の専門医でもあり、くも膜下出血や脳動脈解離など「危険な頭痛」の鑑別・初期対応にも力を入れています。
即日MRI診断で手遅れになる前にスムーズな病診連携を行っています。MRIで異常がない頭痛であっても、ただの頭痛ではなく脳の病気であり治療が必要です。メタ認知で治す頭痛治療をモットーに頭痛からの卒業を目指しています。
院長の私自身も頭痛持ちですが、生活環境の整備やCGRP製剤による治療により克服し、毎日頭痛外来で100人以上の頭痛患者さんの診療を行っています。我慢しないでその頭痛一緒に治療しましょう。

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参考文献

  1. 環境省 2022, 熱中症環境保健マニュアル2022, 環境省, viewed 30 July 2026, <https://www.wbgt.env.go.jp/heatillness_manual.php>.
  2. 佐藤純 2015, ‘気象変化と痛み’, Spinal Surgery, vol. 29, no. 2, pp. 153-156, viewed 30 July 2026, <https://www.jstage.jst.go.jp/article/spinalsurg/29/2/29_153/_pdf>.
  3. 日本神経学会・日本頭痛学会 2021, 頭痛の診療ガイドライン2021, 医学書院, viewed 30 July 2026, <https://www.jhsnet.net/pdf/guideline_2021.pdf>.