こんにちは、頭痛外来のある大阪市城東区の「いわた脳神経外科クリニック」です。頭痛はさまざまな要因で起こりますが、40代という年齢特有の身体の変化や社会背景により起こりやすい頭痛があります。

今回は、40代に起こりやすい頭痛の要因や対策方法、定期検診の重要性について解説していきます。

当院では頭痛治療に詳しい医師による診療を行っています。40代で起こりやすい頭痛について知り、適切な対策・頭痛治療につなげましょう。

 

 

40代に起こりやすい頭痛の要因

 

40代は加齢による身体の変化のほか、中高年特有の生活環境の要因により、頭痛のリスクがみられる時期です。40代が注意したい頭痛のリスク要因とその特徴について説明します。

 

ストレス

40代は管理職に就いたり、キャリアを見直したりなど、キャリア形成の悩みを抱えやすい時期です。家庭では育児や親の介護、家計管理などの役割が増す時期でもあり、仕事と家庭の両立でストレスがかかる機会も多くなります。

 

ストレスがかかっているときには肩こり、腰痛、腹痛、睡眠障害、めまい、耳鳴りなどさまざま身体のサインが現れ、その一つに頭痛があります。(厚生労働省|ストレスのサイン1)ストレスによって起こる頭痛としては、緊張型頭痛や片頭痛があげられます。

 

緊張型頭痛、片頭痛についてより詳しい解説はこちらからご覧ください。

 

更年期

 

女性は、一般的に45歳~55歳の間に閉経を迎えます。(WHO|Menopause2)閉経に伴う更年期の女性モルモンの変化によって、頭痛や頭重感が起こることがあります。(一般社団法人|日本女性医学学会3)

 

40代後半以降の男性においても、男性モルモンの低下による更年期障害の症状の一つの症状として頭痛がみられることがあります。(NHS|The ‘male menopause’,堀江(2012))4)5)

 

生活習慣病

40代以降は高血圧、糖尿病、動脈硬化などの生活習慣病のリスクが高まる時期です。生活習慣病が血流に影響をおよぼし、頭痛が引き起こされることもあります。

 

デスクワーク

長時間同じ姿勢でのパソコン作業やスマートフォン操作などにより、肩こりや首のこりが起こると頭痛が生じやすくなります。

 

肩こりや首のこりによる頭痛の詳細はこちらからお読みいただけます。

 

 

生活習慣の乱れ

不十分な睡眠、不規則な生活リズムによるストレス、運動不足による肩こりや首のこり、水分摂取不足、過度のアルコールやカフェインの摂取、喫煙などは頭痛の要因となることがあります。

40代で起こりやすい頭痛の対策方法

40代で起こる頭痛に対してできる対策とケア方法をお伝えします。

 

日常生活でのセルフケア

40代で起こりやすい頭痛の要因にはストレス、更年期、生活習慣病、デスクワーク、生活習慣の乱れなどがあります。

 

これらの影響を受けにくくするためには身体や心にかかる負担を少なくすることが大切です。規則正しい生活リズムを維持して良質な睡眠をとりましょう。

 

 

ウォーキングやヨガなどの適度な運動はストレスを軽減し、血流が改善されます。デスクワーク時には肩に力が入らないような姿勢で作業できるように、椅子や机の高さ、モニターの位置などを整えましょう。1時間ごとに立ち上がり、ストレッチを行うなどして同じ姿勢を取り付けない工夫も必要です。

 

 

頭痛日記の活用

頭痛が起こるパターンやきっかけ、どのような頭痛が起こるのかを把握するために、頭痛日記をつけるのがおすすめです。日記には「頭痛が起こった発生日・状況」「生理期間」「日常生活への影響度」「メモ欄」があります。メモ欄にはどのような頭痛か、一日のできごとや頭痛の前触れの有無や詳細など、頭痛に関して感じたことを記載できます。

頭痛ダイアリーは日本頭痛学会のサイトからダウンロード可能です。

日本頭痛学会|頭痛ダイアリー6

 

 

頭痛日記をつけることで、頭痛が出やすい生活習慣や頭痛のトリガーとなるできごとを把握できれば、頭痛の出にくい生活を送りやすくなります。また、受診時に頭痛日記を持参することで、医師に頭痛の状況がより伝わりやすくなり、精密な診断・治療に役立ちます。

 

40代の頭痛における定期検診の重要性

生活習慣やストレスなどが誘因となって起こる頭痛は、日常生活におけるセルフケアや頭痛日記の活用によって緩和できる可能性があります。

 

しかし、40代で起こる頭痛の背景には高血圧や糖尿病などの生活習慣病や更年期障害など、適切な治療が必要な病気や、脳腫瘍、脳動脈解離、慢性硬膜下血腫、くも膜下出血、髄膜炎などの怖い頭痛が隠れている場合があります。

 

いつもと違う頭痛や日に日に痛みが強まる頭痛、吐き気を伴う激しい頭痛などは脳神経外科を受診しましょう。また、脳腫瘍などの脳の病気は、自覚症状がないまま脳に潜み、ある日突然発症します。定期的な脳ドックを受けて脳に異常がないかを確認することで、重篤な状態や後遺症を引き起こす怖い頭痛の予防や早期に適切な治療につなげられます。

 

怖い頭痛と怖くない頭痛の見分け方や予防と対処法はこちらで詳しく解説しています。

 

 

 

40代の頭痛は適切な治療と予防を

40代の頭痛には年齢特有の身体の変化や日常的なストレスなどから片頭痛や緊張型頭痛が引き起こされます。大阪市城東区の脳神経外科「いわた脳神経外科クリニック」には、頭痛治療を専門的に学んできた院長をはじめ、脳の病気や頭痛の治療経験の多い医師が在籍しています。

 

頭痛を専門的に診療す頭痛外来があり、頭痛に悩む日を減らせる可能性がある「ヒト化抗CGRPモノクローナル抗体製剤(「CGRP」頭痛薬剤)」の治療も受けられます。

 

「CGRP」頭痛薬剤による治療は保険診療です。

片頭痛発作の発症を抑制する治療薬『アジョビ』

片頭痛発作治療薬エムガルティ(ガルカネズマブ)

片頭痛に対する予防治療薬『アイモビーグ』

 

怖い頭痛を起こす脳の病気の予防・早期発見が行える脳ドックも行っています。

脳ドックの詳しい情報はこちらから。

 

頭痛に悩んでいる方、お一人おひとりの症状や生活に向き合い、適切だと考える治療をご提案しますので、頭痛外来のある大阪市城東区の「いわた脳神経外科クリニック」までお問い合わせください。

 

参考リンク

1)厚生労働省 ストレスのサイン

https://www.mhlw.go.jp/kokoro/youth/stress/kokoro/kokoro_03.html

2)WHO  Menopause

https://www.who.int/news-room/fact-sheets/detail/menopause

3)一般社団法人 日本女性医学学会

https://www.jmwh.jp/n-yokuaru1-zu.html

4)NHS The ‘male menopause’

https://www.nhs.uk/conditions/male-menopause/

5)堀江 重郎 男性更年期障害(LOH症候群) 日本内科学会雑誌vol.102(4)2015

https://www.jstage.jst.go.jp/article/naika/102/4/102_914/_pdf

6)日本頭痛学会 頭痛ダイアリー

https://www.jhsnet.net/dr_medical_diary.html

 

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この記事を書いた先生のプロフィール

医師・医学博士【脳神経外科専門医・頭痛専門医 ほか】
脳外科医として関西医大で14年間勤務。大学時代は、脳腫瘍や脳卒中の手術治療や研究を精力的に行ってきました。脳卒中予防に重点をおいた内科管理や全身管理を得意としています。
脳の病気は、目が見えにくい、頭が重たい、めまい、物忘れなど些細な症状だと思っていても重篤な病気が潜んでいる可能性があります。
即日MRI診断で手遅れになる前にスムーズな病診連携を行っています。MRIで異常がない頭痛であっても、ただの頭痛ではなく脳の病気であり治療が必要です。メタ認知で治す頭痛治療をモットーに頭痛からの卒業を目指しています。
院長の私自身も頭痛持ちですが、生活環境の整備やCGRP製剤による治療により克服し、毎日頭痛外来で100人以上の頭痛患者さんの診療を行っています。我慢しないでその頭痛一緒に治療しましょう。

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