赤ちゃんの頭の形がゆがむ原因(向き癖・横向き寝・吸引分娩)をやさしく解説

【結論】赤ちゃんの頭の形のゆがみは、大きく2つの原因で理解できます

  1. 頭の形のゆがみには、生後の過ごし方による「向き癖・横向き寝など(体位性)」と、出産時の「産道通過・吸引分娩など(分娩性)」の2系統があります。
  2. 赤ちゃんの頭蓋骨はやわらかく縫合も開いているため外から変形しやすい反面、多くの場合、成長とともに形が変化する傾向があると報告されています(経過には個人差があります)。
  3. 寝る向きの入れ替え、反対側への声かけ・おもちゃ、見守りのもとでのタミータイム、抱き方を左右で変える工夫などが、予防・軽減につながる可能性があります(確実な効果を約束するものではありません)。
  4. 睡眠中は「あおむけ」が基本です(乳幼児突然死症候群=SIDSの予防の観点)。強い向き癖が続く・変形が目立って進む・首が反対に向きにくいなどのときは、自己判断せずご相談ください。

※本記事は医療情報の提供であり、診断・治療の代替ではありません。効果や経過には個人差があります。

「あれ、うちの子、いつも同じ方を向いて寝ているな」「後頭部が少し平らになってきた気がする」——子育て中のお母さん・お父さんから、こうしたご相談をよくお受けします。夜間の授乳で寝不足のなか、ふと赤ちゃんの頭をなでたときに気づいて、不安になる方も少なくないのではないでしょうか。

特に、吸引分娩を経験されたご家庭では「あのとき頭を引っぱられたから、形がゆがんでしまったのでは」と、ご自分を責めてしまう声も耳にします。そのように心配されるのは、とても自然なことです。赤ちゃんの体は繊細に見えますし、わが子のことで親としての責任を感じるのは、当然のことだと思います。

そのうえで、まず知っていただきたいのは、赤ちゃんの頭の形のゆがみの多くは、成長とともに変化していく傾向があるということです。そして、その原因は「あなたの育て方が悪かったから」ではありません。

この記事では、頭の形がゆがむ原因を「向き癖・横向き寝など生後の過ごし方によるもの」と「出産時によるもの」の2系統に整理し、大阪で子育てするご家庭の生活シーンに寄り添いながら、今日からできる工夫と、相談を考えるタイミングを一緒に見ていきます。

この記事のいちばん大切なメッセージ

頭の形のゆがみは、多くの場合、赤ちゃんの頭がやわらかいからこそ起きる「一時的な変化」です。心配な気持ちはとても自然なものですが、まずは深呼吸を。気になるときは一人で抱え込まず、健診や外来でご相談ください。一緒に見ていきましょう。

目次


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1. 赤ちゃんの頭はなぜゆがみやすいのか

大人の頭蓋骨は一枚の硬い骨のように感じられますが、赤ちゃんの頭蓋骨は、実は複数の骨がパズルのように組み合わさってできています。その骨と骨のつなぎ目(縫合)や、頭のてっぺんとやや後ろにあるやわらかいすき間(大泉門・小泉門)は、生まれてしばらくは開いたままです。

これは、産道を通り抜けるときに頭を少し変形させて通りやすくするためであり、また生後に急速に大きくなる脳を、頭蓋骨が邪魔せず包み込めるようにするための、赤ちゃんならではの仕組みなのです。

やわらかいからこそ、変形もするし、整いもする

頭蓋骨がやわらかいということは、同じ場所に外から圧力(布団やマットに接する重みなど)が続くと、その部分が平らになりやすいということです。一方で、そのやわらかさは、圧迫が減れば形が整っていく余地でもあります。生後2〜4か月ごろは特に骨がやわらかく、外からの影響を受けやすい時期とされています。だからこそ、この時期は(1)毎日の寝かせる向きに少し意識を向ける、(2)抱き方を左右で変える、といった小さな工夫が、比較的取り入れやすい時期でもあります。

頭の一部が持続的に押され続けると、その部分が平坦化し、進行すると頭全体が左右非対称に見える「斜頭(しゃとう)」の状態になることがあります。医学的には、こうした過ごし方(体位)に関連した変形を「位置的頭蓋変形症(体位性頭蓋変形症)」と呼びます。これは、頭蓋骨のつなぎ目が早く固まってしまう病気(頭蓋骨縫合早期癒合症)とは区別して考える必要があります。見分けるポイントとしては、位置的頭蓋変形症は圧迫のかかった部位に応じて形が変わる(平らになる)のに対し、頭蓋骨縫合早期癒合症では頭全体の形が特徴的に変わる(一部が突出する・細長くなるなど)傾向があるとされています。ただし、ご家庭で正確に見分けるのは難しいため、気になるときは専門的な評価をご相談ください。両者の違いや見分け方、治療については、当院の別記事で詳しく解説しています(詳しくはこちら)。



2. 原因①:出産(分娩)による頭の形の変化

吸引分娩を経験された方へ

頭の一時的な腫れや形の変化は、赤ちゃんの体が狭い産道を通り抜けるための、自然な反応であることがほとんどです。これは、あなたのせいではありません。まずはそのことを知っていただいたうえで、下記の医学的な説明を読み進めていただければと思います。

「生まれたばかりのわが子を抱いたとき、頭が少し細長くて驚いた」——そんな経験をされた方も多いのではないでしょうか。これは、赤ちゃんが狭い産道を通り抜けるときに、頭がその形に合わせて一時的に変形するためで、自然なことと考えられています。以下では、医学的にはこうした変化をどのように理解するのかを見ていきます。

吸引分娩・鉗子分娩による変化

お産が長引いたときや、赤ちゃんを早く助け出す必要があるときには、吸引分娩(吸引カップ)や鉗子分娩(かんしぶんべん)が行われることがあります。器具を当てた部分に一時的な腫れや形状の変化が生じることがありますが、多くは時間とともに落ち着いていくと考えられています。

産瘤(さんりゅう)・頭血腫(とうけっしゅ)について

産道通過や器具による圧で、頭皮のむくみ(産瘤)や、頭蓋骨の表面に血液がたまる腫れ(頭血腫)が生じることがあります。産瘤は数日で、頭血腫は数週間〜数か月かけて、多くが自然に吸収・改善していくとされています。気になる腫れが長く残る、あるいは大きくなるようなときは、健診や外来でご確認ください。

「分娩によるゆがみ」が「向き癖」につながることも

出産時のゆがみがやや強く残ると、赤ちゃんにとって楽な向き・向きやすい側ができ、自然といつも同じ方を向いてしまうことがあります。これがきっかけとなり、次章でお話しする「向き癖」につながる場合があると考えられています。つまり、分娩によるゆがみと生後の向き癖は、まったく別々ではなく、ゆるやかにつながっていることがあるのです。

読み方のコツ

吸引分娩を経験されたお母さん・お父さんへ。頭の形の変化を見て「自分のお産のせいだ」と感じる必要はありません。分娩に伴う変化の多くは一時的とされ、成長とともに整いやすいと報告されています。ご自分を責めず、心配なときは一緒に確認していきましょう。


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大阪で赤ちゃんの頭の形が気になったら、いわた脳神経外科クリニックへどうぞ。日常の工夫を試しても変形が続くときは、お気軽にご相談ください。



3. 原因②:向き癖(体位性)による圧迫

「向き癖」とは、いつも同じ方向にばかり頭を向けて過ごしたり、眠ったりする状態のことです。実は、多くの赤ちゃんに程度の差はあれ見られるもので、それ自体がめずらしいことではありません。

向き癖が生まれる背景

赤ちゃんが同じ方を向きやすくなる背景には、いくつかの理由が重なっていると考えられています。

  • 明るい窓の方や、音のする方(テレビ・生活音・きょうだいの声)を向きたがる
  • ベビーベッドの位置の関係で、いつも同じ側からお世話・声かけをされる
  • お腹の中にいたころからの姿勢のくせ(胎内での向き癖)
  • 首の一方向の動かしにくさなど、身体的な特徴(斜頸〈しゃけい〉など)

大阪の集合住宅では、ベビーベッドを壁際に置くと、赤ちゃんは自然と部屋の中央(明るい方・人のいる方)を向きがちです。こうした環境も、向き癖の一因になり得ます。

下になった側の後頭部が平らになる仕組み

いつも同じ側を下にして寝ると、下になった側の後頭部に重みがかかり続け、その部分が平らになっていくことがあります。進行すると、頭を上から見たときに、平行四辺形のように左右がずれて見える「斜頭」の状態になることがあると報告されています。ただし、これはやわらかい赤ちゃんの頭に起こる変化であり、成長とともに整いやすい面もあります。

研究から:早産児では「右向き」の癖が多いという報告

早産で生まれた赤ちゃんを対象にした研究では、観察した70人のうち約77%が右向きを好んだと報告されています(Dunsirn et al. 2016)。ただし、これは早産児を対象とした研究であり、正期産(予定日前後で生まれた)の赤ちゃんにそのまま当てはめられるかは限定的です。「なぜ右が多いのか」という仕組みも十分には解明されておらず、断定はできません。あくまで「向き癖には方向のかたよりが見られることがある」という参考としてお読みください。

斜頸(しゃけい)が背景にあることも

赤ちゃんの首がいつも同じ方向を向いていて、反対にはなかなか向きにくい——そんなとき、首の側面を触ると小さな硬いしこりが触れることがあります。これは「先天性筋性斜頸」といって、首の筋肉(胸鎖乳突筋)が生まれつき硬く縮んでいる状態です。いつも同じ方向を向きやすくなるため、向き癖の背景要因になることがあります。しこりは生後2〜3週ごろに最も大きくなり、その後しだいに小さくなっていくとされています。日本整形外科学会によれば、筋性斜頸の多くは1歳半までに8〜9割が自然によくなると見込まれると説明されています(日本整形外科学会 2024)。「もしかして、うちの子もそうかな」と感じたときは、念のため早めにご相談ください。



4. 原因③:横向き寝(横向き姿勢)の長所と注意点

ここで大切な言葉の整理をさせてください。ここでいう「横向き」とは、横向きで眠らせることを指すのではなく、赤ちゃんの体が自然に横向きになっている姿勢のことを指します。眠らせる姿勢としての推奨ではない点に、はじめにご注意ください。

赤ちゃんが横向きを好む背景

赤ちゃんは、お腹の中で背中を丸めた姿勢に慣れています。そのため、横向きで体を丸めた姿勢に安心を感じることがあります。また、出産時のゆがみなどによって、一方の横向きの方が楽な場合もあると考えられています。

横向き姿勢のよい面と注意したい面

内容
よい面(あくまで可能性)後頭部の一点に重みが集中するのを避けられる可能性があります。
注意したい面下側になった腕や脚に重みがかかり続けたり、姿勢が崩れやすかったりすることがあります。股関節への影響が気になる場合もあります。

結論として、眠らせるときに、はじめから横向きやうつぶせにすることはおすすめできません。睡眠中のSIDS(乳幼児突然死症候群)予防が最優先だからです。赤ちゃんが自分で寝返りをして横向きになることはありますが、寝かせるときはあおむけを基本にしてください。なお、表の「股関節への影響」については、それだけで過度にご心配いただく必要はありません。乳児健診(3〜4か月健診など)で確認できますので、後述の目安もあわせてご覧ください。

いちばん大切な前提:睡眠中は「あおむけ」が基本です

頭の形を気にするあまり、横向きやうつぶせで眠らせることは、おすすめできません。厚生労働省は、乳幼児突然死症候群(SIDS)の予防の観点から、1歳になるまではあおむけで寝かせることを推奨しています(厚生労働省 2024)。うつぶせ寝は、あおむけ寝に比べてSIDSの発生率が高いことが報告されています。頭の形の工夫は、あおむけ寝を基本としたうえで、見守りながら行ってください。なお、あおむけ寝・SIDS予防については、当院の別記事でもくわしく解説しています(詳しくはこちら)。

あおむけ寝やSIDS予防、枕の必要性については、当院の別記事でくわしくまとめています(詳しくはこちら)。本記事では、これ以上は深入りしません。



5. 頭の形のゆがみを防ぐ・和らげる日常の工夫

ここからは、寝不足のなかでも無理なく取り入れられる、日常のちょっとした工夫をご紹介します。いずれも「予防・軽減が期待できる工夫」であり、確実な効果を約束するものではありません。焦らず、できることから試してみてください。

① 寝る向きを時々入れ替える

寝かせるときに、頭の向きを意識して左右で入れ替えてみましょう。ベビーベッドの向き(頭側と足側)を数日ごとに入れ替えると、赤ちゃんが「明るい方・人のいる方」を向く際に、自然と反対側を向くきっかけになります。

② 反対側へ興味を誘導する

向きにくい側から、やさしく声をかけたり、お気に入りのおもちゃやメリーを置いたりして、反対側へ自然に興味を向けてもらいます。無理に頭を押さえて向きを変えるのではなく、赤ちゃんが自分から向きたくなる環境づくりがポイントです。

③ 見守りのもとでのタミータイム(うつぶせ遊び)

赤ちゃんが起きていて、大人がそばで見守れるときに、短い時間うつぶせにして遊ぶ「タミータイム」があります。後頭部への圧迫を減らし、首や体幹の発達を促す可能性があるとされ、海外の育児発達情報でも紹介されています。ただし、睡眠時のうつぶせとはまったく別のものです。起きているとき・見守りのもとで、短時間から始めることをおすすめします。

具体的な進め方の一例として、赤ちゃんが起きていて機嫌がよく、あなたがそばで見守れるときに、最初は1〜2分程度から始めてみましょう。赤ちゃんが嫌がったり泣いたりしたら、無理に続けず、すぐにやめてかまいません。慣れてきたら少しずつ時間を延ばします。首がすわってくる生後3〜4か月ごろから取り入れる方が多いですが、開始時期や進め方に迷うときは、健診や外来でご相談いただくと安心です。何より、赤ちゃんが機嫌よく過ごせることがいちばん大切です。

④ 抱き方を左右交互に、縦抱きも取り入れる

抱っこの向きが毎回同じだと、頭にかかる重みも一方向にかたよりがちです。左右交互に抱く、縦抱きの時間も取り入れる、といった工夫で、圧力を分散できる可能性があります。授乳の際の向きも、可能なら左右で入れ替えてみましょう。

枕やドーナツ型クッションについて

「頭の形が整う」とうたわれる枕やドーナツ型のクッションが市販されています。現在のところ、こうした市販品の多くについては、斜頭を治す・予防するという医学的根拠が十分に確立されているとはいえません。また、乳児期は寝具による窒息の心配もあるため、使用の際は見守りのもとでご検討ください。赤ちゃんの寝かせ方の工夫は、こうした商品よりも、毎日の向きの入れ替えや抱き方の工夫などを基本にするとよいでしょう。乳児期の枕の必要性についても、前述の別記事をご参照ください。

これらの工夫は、個人差がありますが、続けてみて数週間〜1、2か月ほどで変化の傾向が見えてくることが多いとされています。その期間を過ぎても変形が続く・進むように感じるときは、医学的な評価が役立つことがありますので、次章の目安もあわせてご確認ください。



6. 受診・相談の目安

多くの場合、頭の形のゆがみは成長とともに変化していくとされていますが、ご家庭で「今は様子をみる時期か、そろそろ相談する時期か」を判断しやすいよう、目安を3つの段階に整理しました。ご自身のペースで、無理なく判断の参考にしてください。

様子をみてよいケース

  • 向き癖がある、後頭部が少し平らに感じる → 本記事の日常の工夫を試しつつ、定期健診で確認しましょう

早めに相談を検討したいケース

  • 日常の工夫を続けても、数週間〜1、2か月たっても改善が見られないとき
  • 頭の左右差が大きくなってきたと感じるとき
  • 首がいつも同じ方向を向き、反対に向きにくいと感じるとき

なるべく早く相談したいケース

  • 首を触ると硬いしこりが触れる(斜頸が疑われるとき)
  • 股関節の開きに左右差がある、開きにくいと感じるとき(3〜4か月健診などでもご確認ください)
  • 強い向き癖に加え、頭の変形が急に目立って進んでいると感じるとき

健診も大切な確認の機会です

股関節の状態などは、乳児健康診査(3〜4か月健診など)が確認の大切な機会になります。厚生労働省も、乳児健診における股関節脱臼の一次健診の手引きを整備しています(厚生労働省 2016)。気になることは、健診の場でも遠慮なくご相談ください。

自然に整うことも多い一方で、気になるときには小児科や、頭のかたちの相談ができる外来にご相談ください。頭蓋骨縫合早期癒合症との鑑別など、専門的な評価が必要な場合もあるため、その際は小児科や脳神経外科の専門医にご相談いただくとよいでしょう。当院でも、まずは「気になる」段階でのご相談を承っています。



7. よくあるご質問(FAQ)

Q1. 吸引分娩で生まれました。頭の形のゆがみは自然に治りますか?

A. 吸引分娩に伴う頭の腫れや形の変化の多くは一時的とされ、成長とともに整いやすいと報告されています。産瘤は数日、頭血腫は数週間〜数か月かけて自然に吸収・改善していくことが多いとされています。ただし経過には個人差があり、腫れが長く残る・大きくなるようなときは、健診や外来でご確認ください。

Q2. いつも同じ方向ばかり向いて寝ています。向き癖は直したほうがよいですか?

A. 向き癖は多くの赤ちゃんに見られるもので、それ自体が異常というわけではありません。ただ、同じ側への圧迫が続くと後頭部が平らになりやすいため、寝る向きの入れ替えや反対側への声かけなど、無理のない範囲での工夫はおすすめです。強い向き癖が続くときは、斜頸などが背景にないか確認するためにもご相談ください。

Q3. 反対側を向かせても、すぐ元に戻ってしまいます。どうすればいいですか?

A. 頭を押さえて向きを変えるのではなく、環境の工夫で「自分から向きたくなる」状況をつくるのがコツです。ベビーベッドの位置や向きを入れ替える、向きにくい側からおもちゃや声で誘う、といった方法があります。それでも頑固に一方を向く場合は、首の動きに制限がないか確認したほうがよいこともあるため、ご相談ください。

Q4. 横向きで寝るのが好きなようです。そのままにしても大丈夫ですか?

A. 睡眠中はあおむけが基本です。厚生労働省はSIDS予防の観点から、1歳になるまではあおむけ寝を推奨しています。横向きやうつぶせのまま眠らせることはおすすめできません。赤ちゃんが自分で寝返りをして横向きになる場合もありますが、寝かせるときはあおむけにし、見守りを大切にしてください。

Q5. 後頭部が平らになってきた気がします(絶壁)。予防法はありますか?

A. あおむけ寝を土台としたうえで、寝る向きの入れ替え、反対側への興味の誘導、見守りのもとでのタミータイム、抱き方を左右で変える、といった工夫が予防・軽減につながる可能性があります。ただし確実な効果を約束するものではありません。変形が目立って進む場合は、早めにご相談ください。

Q6. タミータイムはいつから、どのくらいの時間やればよいですか?

A. 赤ちゃんが起きていて機嫌がよく、大人がそばで見守れるときに、ごく短い時間から始めるのが一般的です。慣れてきたら少しずつ時間を延ばします。嫌がるときは無理をせず中止してください。開始時期や進め方に迷うときは、健診や外来でご相談いただくと安心です。

Q7. 頭の形のゆがみは、遺伝によるものと生活習慣によるもの、どう見分けますか?

A. ご家族に似た頭の形の特徴があること自体は、必ずしも病的なものではありません。一方、過ごし方による変形(体位性)は、圧迫のかかり方に応じた左右差として現れやすい傾向があります。ただし、ご家庭で正確に見分けるのは難しいため、気になるときは自己判断せず、専門的な評価をご相談ください。頭蓋骨縫合早期癒合症との区別が必要な場合もあります。

Q8. 首がいつも同じ方向を向いていて、反対に向きにくいのですが(斜頸との関係は)?

A. 先天性筋性斜頸の可能性が考えられます。首の筋肉に硬いしこりが触れることがあり、多くは1歳半までに自然によくなると報告されていますが、向き癖や頭の変形の背景になることもあります。反対に向きにくい状態が続くときは、早めにご相談ください。


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8. まとめ

  1. 赤ちゃんの頭の形のゆがみは、「向き癖・横向き寝など(体位性)」と「分娩(吸引分娩・産道通過など)」の2系統で理解できます。
  2. 乳児の頭蓋骨はやわらかく変形しやすい反面、成長とともに整いやすい性質があると報告されています。
  3. 寝る向きの工夫、反対側への誘導、見守りのもとでのタミータイム、抱き方の変化などが、予防・軽減につながる可能性があります(断定はできません)。
  4. 睡眠時はあおむけが基本です。強い向き癖が続く・変形が進む・首が反対に向きにくいなどのときは、自己判断せずご相談ください。

「うちの子の頭の形、大丈夫かな」と不安になる夜もあるかもしれません。でも、あなたは十分がんばっています。頭の形のゆがみの多くは、赤ちゃんの成長とともに整っていく一時的な変化です。一人で抱え込まず、気になることがあれば、私たちと一緒に確認していきましょう。大阪で赤ちゃんの頭の形が気になるときは、いつでもご相談ください。



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重要:本記事の位置づけ 本記事は医療情報の提供を目的としたものであり、診断・治療を目的とした個別の医療行為の代替となるものではありません。記載内容には研究の限界があり、効果や経過には個人差があります。気になる症状がある場合は、自己判断せず、医療機関にご相談ください。

この記事を書いた先生のプロフィール
いわた脳神経外科クリニック 院長 岩田 亮一
医師・医学博士/脳神経外科専門医脳血管内治療専門医
(日本認知症学会・日本頭痛学会・日本脳卒中学会 所属)

脳外科医として関西医大で14年間勤務。大学時代は、脳腫瘍や脳卒中の手術治療や研究を精力的に行ってきました。
脳血管内治療(カテーテル治療)の専門医でもあり、くも膜下出血や脳動脈解離など「危険な頭痛」の鑑別・初期対応にも力を入れています。
即日MRI診断で手遅れになる前にスムーズな病診連携を行っています。MRIで異常がない頭痛であっても、ただの頭痛ではなく脳の病気であり治療が必要です。メタ認知で治す頭痛治療をモットーに頭痛からの卒業を目指しています。
院長の私自身も頭痛持ちですが、生活環境の整備やCGRP製剤による治療により克服し、毎日頭痛外来で100人以上の頭痛患者さんの診療を行っています。我慢しないでその頭痛一緒に治療しましょう。

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参考文献

  1. 厚生労働省 2016, 乳児健康診査における股関節脱臼一次健診の手引き, 厚生労働省, viewed 7 July 2026, <https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11900000-Koyoukintoujidoukateikyoku/kenshintebiki.pdf>.
  2. 厚生労働省 2024, 乳幼児突然死症候群 / SIDS(e-ヘルスネット), 厚生労働省, viewed 7 July 2026, <https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/dictionary/tobacco/yt-035.html>.
  3. 日本整形外科学会 2024, 斜頚, 日本整形外科学会, viewed 7 July 2026, <https://www.joa.or.jp/public/sick/condition/torticollis.html>.
  4. Dunsirn, S, Smyser, C, Liao, S, Inder, T & Pineda, R 2016, ‘Defining the nature and implications of head turn preference in the preterm infant’, Early Human Development, vol. 96, pp. 53-60, DOI 10.1016/j.earlhumdev.2016.02.002, viewed 7 July 2026, <https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC4867076/>.