頭痛と一口に言っても、その種類や症状、原因はさまざまです。中でも「片頭痛(へんずつう)」と「群発頭痛(ぐんぱつずつう)」は、特徴や治療法が大きく異なる疾患です。本記事では、この2つの頭痛について詳しく解説します。

 

 

 

群発頭痛は片頭痛の一種ですか?

 

 

 いいえ。群発頭痛は片頭痛とは別の疾患です。

 どちらも一次性頭痛疾患に分類され、頭痛そのものが主な症状となりますが、原因や症状、治療法には明確な違いがあります。

 

 

片頭痛と群発頭痛の違い

発症頻度と対象者

  • 片頭痛

    • 非常に一般的で、7人に1人が経験します。
    • 特に女性に多く、思春期から発症するケースが多いです。

 

  • 群発頭痛

    • 稀な疾患で、1,000人に1人が罹患します。
    • 男性に多く、30~40代での発症が一般的です。

 

症状の特徴

  • 片頭痛

    • 頭の片側がズキズキと脈打つように痛みます。
    • 吐き気、嘔吐、光や音への過敏症がよく見られます。視覚前兆が現れる場合もあります。

 

  • 群発頭痛

    • 鋭い痛みや焼けるような感覚が特徴です。
    • 片目の周りや後ろに集中し、目の充血、涙、鼻詰まり、まぶたの垂れ下がりなどの自律神経症状を伴うことが多いです。

 

持続時間

  • 片頭痛

    • 4時間から3日間続くことが多く、痛みは徐々に軽減します。

 

  • 群発頭痛

    • 15分から3時間で急に始まり、急に終わります。1日に最大8回発作が起こることもあります。

 

頭痛の頻度

  • 片頭痛

    • 数週間から数ヶ月にわたり、断続的に発作が発生します。

 

  • 群発頭痛

    • 数週間から数ヶ月の「群発期(ぐんぱつき)」と、数ヶ月から数年の「寛解期(かんかいき)」を繰り返します。

 

前兆の有無

  • 片頭痛

    • 視覚前兆がある場合が多いです。

 

  • 群発頭痛

    • 前兆はほとんど見られません。

 

 

共通点と併発の可能性

 

 片頭痛と群発頭痛は、一部の治療法が共通しています。例えば、トリプタン系薬剤が両疾患で用いられる場合があります。また、どちらも遺伝的要素が関与している可能性がありますが、そのメカニズムには違いがあります。


一部の患者では片頭痛と群発頭痛の両方が併発することもあるため、専門医による正確な診断が重要です。

 

 

 

 

適切な診断と治療を受けるために

 

 片頭痛と群発頭痛は、それぞれ異なるアプローチが必要です。正確な診断を受けることで、適切な治療法を選択し、生活の質(QOL)を向上させることができます。
当院では、片頭痛や群発頭痛の診断・治療を専門とする医師が、患者様一人ひとりに合ったケアを提供しています。頭痛にお悩みの方は、「頭痛専門外来」へどうぞお気軽にご相談ください。

 

 

 

 

 

 

 

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この記事を書いた先生のプロフィール

医師・医学博士【脳神経外科専門医・頭痛専門医 ほか】
脳外科医として関西医大で14年間勤務。大学時代は、脳腫瘍や脳卒中の手術治療や研究を精力的に行ってきました。脳卒中予防に重点をおいた内科管理や全身管理を得意としています。
脳の病気は、目が見えにくい、頭が重たい、めまい、物忘れなど些細な症状だと思っていても重篤な病気が潜んでいる可能性があります。
即日MRI診断で手遅れになる前にスムーズな病診連携を行っています。MRIで異常がない頭痛であっても、ただの頭痛ではなく脳の病気であり治療が必要です。メタ認知で治す頭痛治療をモットーに頭痛からの卒業を目指しています。
院長の私自身も頭痛持ちですが、生活環境の整備やCGRP製剤による治療により克服し、毎日頭痛外来で100人以上の頭痛患者さんの診療を行っています。我慢しないでその頭痛一緒に治療しましょう。

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