私の息子は難産で、出産時間が長くてなかなか出てこれませんでした。

臍帯が、首に巻きついていたからです。

出産時間が長時間となり、ついには胎児心音が低下しました。

そのため、急速分娩のため、吸引器を使用しました。

 

異常分娩で、APGAR scoreも満点ではありませんでした。

すぐには泣きませんでしたが、少し間をおいて大きな声で泣いてくれました。

生きていてよかったと心底安心しました。

 

 

頭蓋骨は前頭骨、頭頂骨、側頭骨、後頭骨など複数のパーツで形成されていて、まん丸のワンピースではありません。

 

 

 

 

狭い産道を通る際は、頭蓋骨を変形させて通ります。

 

そのため出産時には必ず頭蓋骨の変形が起こります。

 

通常は、自然に治りますが、吸引分娩などを行うと頭血腫などができたりして、向き癖ができやすくなります。

 

息子は吸引分娩でしたので、最初は特にいびつな頭の形でした。

産科医の先生に聞いても、そのうち治るよーと軽く言われます。

1か月健診でも3か月健診でも、頭囲には異常なし!と視診で終わります。

 

向き癖に注意しましょうとアドバイスされます。

 

赤ちゃんの世話をする際に絶対にやってはいけないのが、うつぶせ寝です。

 

医学の勉強で、徹底的に教えられていましたので、完全、ド正中の仰向けを徹底しました。

そのため、頭の形にゆがみや絶壁が生じてしまいました。

 

頭蓋骨の変形としては、脳外科医にとって、治療対象となるのは、頭蓋縫合早期癒合症という病気があります。非常に珍しい疾患で、脳の成長に悪影響を起こしますので、手術で治療します。

頭は非常に血流の多い組織ですので、赤ちゃんにとって、頭蓋骨の手術は命がけのものになります。ですので、成長を待ってから手術する場合が多いです。

 

頭のゆがみは頸が座って、ハイハイできるようになって、立位が取れて歩けるようになれば治るという見解もあります。

 

「治るだろう」。

 

安直に考えていました。

 

妻からはヘルメット治療があるらしいよと、言われましたが、

 

保存的治療を継続してしまいました。

 

大学の後輩は、看護師の妻から強い希望もあり、ヘルメット治療を行っていました。

 

その時はそれはやりすぎだろうなんて思っていました。

 

しかし。

 

絶壁は治りませんでした。

 

あの時に、治療していたら、もっとかっこいい頭になっていたのに。

と、とても後悔しています。

 

最近は、歯のゆがみも気になっています。

歯の矯正も早期発見と治療が有効です。

 

歯はきちんと治療することが多いのに。

 

(私も歯の矯正はしました。親の判断で)

 

なぜ頭の形は軽視されているんだろう。

こんな、かっこいい頭を求めたい。

 

治療を受ける機会損失を奪ってはいけないと改めて、認識しました。

 

脳外科専門医がサポートする頭のかたち外来は、頭の形が気になる親御さんにとっては、非常に頼もしい存在になれるのではないかなと思いました。

 

脳外科医の大多数は、病院で勤務していて、24時間365日、命を助けることに必死で頭の形をケアする時間などありません。

 

これは、後悔している僕が積極的に担うことで社会の役に立てるのではないでしょうか。

 

頭のゆがみがあると、運動制限により小脳の発育に影響がでる可能性もあります

 

息子の発達を振り返ると、確かに歩くのが少し遅かったような。

 

運動神経も得意とはいえないな。

 

後悔。。。

 

このような思いを他の親御さんがしないように相談に乗ってあげたいと思います。

 

早期に治療すれば1か月で治ります。

 

また、夜勤明けの眠い中ドーナツ型の枕で体位交換をがんばりました。

 

効果はありませんでした。

 

実際、ゆがみを枕で治せるという科学的なエビデンスはありません。

無駄な努力で終わりました。。

 

暗い話が多いので、最後は笑いをとりたい。

 

今は、髪型を工夫してばれません!

 

振り向いたら超イケメンです。

 

 

赤ちゃんの頭囲の成長曲線です。

出生後の半年にかけて急激な変化がありますが、半年以降は曲線がプラトーになり成長が鈍化しています。つまり頭の形が固定化します。

首が座ったタイミングで早期に治療開始することが重要です。

 

当院では、頭のかたち外来をおこなっており、来院いただいた患者さまには3D撮影をおこない、解析データをもとに即日で重症度を評価することが出来ます。

 

決して安くはない治療です。

ですが、一生で換算すれば非常に価値の高いものだと私自身も痛感しております。

息子にヘルメット治療をしてあげればよかった、、

やらなかった後悔をしてほしくないために、当院でもヘルメット治療を始めました。

 

おかげさまで、少しずつ治療を開始した患者さまが増えてきており、正常範囲まで改善されたデータをお見せした際のご両親の喜びの声を聞けたときは、「やってよかった!!」と私自身も息子の分まで喜んでいます。(笑)

 

そんな思いもあって、治療費は他院と比べても手が届きやすい価格ギリギリまで低価格にしております。

もちろん3D撮影だけでも大歓迎です!

 

詳しくは下記「赤ちゃんの頭のかたち外来」のページをご覧ください。

【赤ちゃんの頭のかたち外来】

 

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この記事を書いた先生のプロフィール

医師・医学博士【脳神経外科専門医・頭痛専門医 ほか】
脳外科医として関西医大で14年間勤務。大学時代は、脳腫瘍や脳卒中の手術治療や研究を精力的に行ってきました。脳卒中予防に重点をおいた内科管理や全身管理を得意としています。
脳の病気は、目が見えにくい、頭が重たい、めまい、物忘れなど些細な症状だと思っていても重篤な病気が潜んでいる可能性があります。
即日MRI診断で手遅れになる前にスムーズな病診連携を行っています。MRIで異常がない頭痛であっても、ただの頭痛ではなく脳の病気であり治療が必要です。メタ認知で治す頭痛治療をモットーに頭痛からの卒業を目指しています。
院長の私自身も頭痛持ちですが、生活環境の整備やCGRP製剤による治療により克服し、毎日頭痛外来で100人以上の頭痛患者さんの診療を行っています。我慢しないでその頭痛一緒に治療しましょう。

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