群発頭痛とは?

 群発頭痛(Cluster Headache)(ぐんぱつずつう)は、一次性頭痛の中でも最も痛みが激しいとされる頭痛の一種です。別名「自殺頭痛(じさつずつう)」とも呼ばれるほどの激痛を伴い、日常生活や精神面にも大きな影響を与えます。本記事では、群発頭痛の特徴や原因、診断、治療法について詳しく解説します。

 

 群発頭痛は、その名の通り一定期間に集中して発作が起こるのが特徴です。主な症状は以下の通りです

 

群発頭痛の原因と引き金

 

 群発頭痛の原因は完全には解明されていませんが、以下の要因が関与していると考えられています

 

病態生理

 

  • 視床下部の異常: 群発頭痛では視床下部(ししょうかぶ)が重要な役割を果たしており、体内時計を調整する機能が影響を受けることがあります。発作が規則的な時間帯に発生するのは、この部位が関与しているためと考えられています。

  • 三叉神経血管系: 三叉神経の過剰な活性化により、血管が拡張し、痛みを引き起こします。この際、CGRP(カルシトニン遺伝子関連ペプチド)などの神経伝達物質が放出されます。

  • 自律神経反射: 副交感神経が過剰に活性化し、涙や鼻水、目の充血などの自律神経症状を引き起こします。

 

誘因

 

 以下の要因が群発頭痛の発作を誘発する可能性があります。

群発頭痛の診断

 

 診断には、主に症状の詳細な聴取と除外診断が用いられます。以下の方法が一般的です

 

  1. 症状の聴取: 頭痛のパターンや痛みの特徴、自律神経症状の有無を確認します。

  2. 画像検査: MRIやCTスキャンを実施し、腫瘍や血管異常など他の疾患を排除します。

  3. 頭痛専門医の診察: 診断が難しい場合は専門医による評価が推奨されます。

 

群発頭痛の治療法

 群発頭痛の治療は、「急性期治療」と「予防治療」に分かれます。

急性期治療

 

 発作時に痛みを緩和するための治療法です。

予防治療

 

 発作の頻度や重症度を減らすために行います。

 

生活指導

 

 群発頭痛の治療効果を高め、発作を予防するためには生活習慣の改善が重要です。

 

群発頭痛を軽視しないために

 群発頭痛は、診断が遅れやすく、適切な治療を受けられていない患者が多いのが現状です。もしも激しい片側性頭痛が定期的に発生する場合は、専門医に相談し、適切な診断と治療を受けることが重要です。

当院では、群発頭痛を含む頭痛疾患の診断と治療に力を入れております。頭痛にお悩みの方は、「頭痛専門外来」にぜひ一度ご相談ください。

 

 

おすすめ

 

片頭痛治療薬 エムガルティ

 

知らないとヤバい目の奥が痛い頭痛の理由【頭痛専門医の見解】

 

「頭痛薬が効かない!?対処方法を頭痛専門医が解説」

 

 

あなたも『頭痛から卒業』を目指して一緒に治療しませんか?

 

 

お問い合わせはこちらから


また当院公式LINEにてご質問等をお受けしておりますので、お気軽にお問い合わせくださいませ。

 

 

友だち追加

 

この記事を書いた先生のプロフィール

医師・医学博士【脳神経外科専門医・頭痛専門医 ほか】
脳外科医として関西医大で14年間勤務。大学時代は、脳腫瘍や脳卒中の手術治療や研究を精力的に行ってきました。脳卒中予防に重点をおいた内科管理や全身管理を得意としています。
脳の病気は、目が見えにくい、頭が重たい、めまい、物忘れなど些細な症状だと思っていても重篤な病気が潜んでいる可能性があります。
即日MRI診断で手遅れになる前にスムーズな病診連携を行っています。MRIで異常がない頭痛であっても、ただの頭痛ではなく脳の病気であり治療が必要です。メタ認知で治す頭痛治療をモットーに頭痛からの卒業を目指しています。
院長の私自身も頭痛持ちですが、生活環境の整備やCGRP製剤による治療により克服し、毎日頭痛外来で100人以上の頭痛患者さんの診療を行っています。我慢しないでその頭痛一緒に治療しましょう。

詳しい医師のご紹介はこちら
院長写真