アジョビは片頭痛(偏頭痛)の予防薬として当院でも使用実績が増えてきています。

リアルワールドデータと言って、治験ではなく実際に臨床場面でアジョビを使った人たちの効果をみたデータをまとめてみたいと思います。

FRIEND試験というデータで1、2、3と3つのデータがありますが、今回は1を紹介します。

 

FRIEND2試験はこちら

FRIEND3試験はこちら

 

 

高頻度の反復性及び慢性片頭痛患者に対するアジョビの有効性と安全性:FRIEND試験

 

アジョビが処方された患者

 

・高頻度の反復性片頭痛患者:HFEM(1カ月あたりの片頭痛日数が8~14日)

・慢性片頭痛患者患者:CM

 

<効果を解析した患者群>

 

アジョビで治療完了した片頭痛患者53例

 

<安全性を解析した患者群>

 

アジョビを1回以上投与したことのある片頭痛患者67例

 

※過去にCGRP製剤を使ったことある患者はエントリーされていないので、今回アジョビを初めて使った患者が登録されています。

 

アジョビの投与方法

 

アジョビを4週間に1回1本打ち(225㎎)、又は12週間に1回3本打ち(675mg)で投与しています。ローディングドーズという早期に血中濃度を上げるやり方は実施されていません。

このデータでは53例中44例(83%)が4週間に1回1本打ちを選んでいます。

 

アジョビの効果

 

 

<片頭痛日数>

 

・高頻度の反復性片頭痛患者(1カ月あたりの片頭痛日数が8~14日)

アジョビをはじめてから、12週間後の1カ月あたりの片頭痛日数の変化は平均で4.6日減少しています。

 

・慢性片頭痛患者

アジョビをはじめてから、12週間後の1カ月あたりの片頭痛日数の変化は平均で9.4日減少しています。

 

いずれもアジョビを投与することで、有意に効果があった結果です。

 

さらにHIT-6、NRS(痛みの重症度)でも効果がみられいて、頭痛薬の使用量が減っていることも分かります。

 

 

高頻度の反復性片頭痛患者と慢性片頭痛患者での効果の違い

 

A:すべての患者

B:高頻度の反復性片頭痛患者

C:慢性片頭痛患者

 

 

・B:高頻度の反復性片頭痛患者

初めてアジョビを開始して12週間後に頭痛日数が半分になる人がだいたい4人中3人、75%減る人が3人に1人、頭痛がまったくなくなる人も20人中1人という結果です。

 

・C:慢性片頭痛患者

初めてアジョビを開始して12週間後に頭痛日数が半分になる人がだいたい10人中6人、75%減る人が4人に1人という結果です。

 

 

アジョビの安全性

 

この試験では、1回以上の有害事象が発現した患者は3例(5.7%)で、注射部位紅斑、腹痛、頚部痛、眠気でした。投与中止した患者はいませんでした

 

結論

 

12週間という短い期間での効果ですが、頭痛日数や急性期治療薬が減っていることが確認できました。高頻度の反復性片頭痛患者(HFEM)と慢性片頭痛患者(CM)の両方でアジョビの効果があることが示されました。

 

 

院長のココがPoint!!

 

重症度の高い患者さんも登録されているなかで、ほとんどの患者さんがアジョビ1本で治療を開始しています。アジョビ1本で開始しても、即効性と有効性が認められた点が、このデータのPointです。

もっと長期につかった結果を知りたい人はFRIEND2試験、FRIEND3試験のコラムをチェックしてください。

 

 

当院には大阪のみならず、関西圏から非常に多くの頭痛患者さんが困って来院されます。

「頭痛薬を飲んでも効果がない」、「1日でもはやく頭痛を減らしたい」「少しでも頭痛の日数を減らしたい」と、悩みは人それぞれです。当院にお越しいただければ、診断から治療方針に加えて、頭痛ナースから生活面の指導まで、1人1人のご希望に沿って丁寧にご説明させていただきます。

アジョビの話を少しでも聞いてみたいと思ったら、気軽にお越しください。

 

 

 

 

論文情報

Barbanti, P. et al. : J Headache Pain. 2022; 23(1): 46.

Correction: Fremanezumab in the prevention of high-frequency episodic and chronic migraine: a 12-week, multicenter, real-life, cohort study (the FRIEND study) | The Journal of Headache and Pain | Full Text (biomedcentral.com)

 

 

 

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この記事を書いた先生のプロフィール

医師・医学博士【脳神経外科専門医・頭痛専門医 ほか】
脳外科医として関西医大で14年間勤務。大学時代は、脳腫瘍や脳卒中の手術治療や研究を精力的に行ってきました。脳卒中予防に重点をおいた内科管理や全身管理を得意としています。
脳の病気は、目が見えにくい、頭が重たい、めまい、物忘れなど些細な症状だと思っていても重篤な病気が潜んでいる可能性があります。
即日MRI診断で手遅れになる前にスムーズな病診連携を行っています。MRIで異常がない頭痛であっても、ただの頭痛ではなく脳の病気であり治療が必要です。メタ認知で治す頭痛治療をモットーに頭痛からの卒業を目指しています。
院長の私自身も頭痛持ちですが、生活環境の整備やCGRP製剤による治療により克服し、毎日頭痛外来で100人以上の頭痛患者さんの診療を行っています。我慢しないでその頭痛一緒に治療しましょう。

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