インデラルの効果・特徴

 

インデラル(プロプラノロール)は、片頭痛の予防に使用されるβ遮断薬の一つです。片頭痛予防が可能なβ遮断薬には、プロプラノロール以外にもチモロール、アテノロール、ナドロール、ビソプロロールなどが含まれます。本態性振戦の患者さんに対してアロチノロール(β遮断薬で唯一、本態性振戦に保険適用がある薬)を使用した際、片頭痛が軽減したケースも報告されています。なお、内因性交感神経刺激作用(Intrinsic Sympathomimetic Activity: ISA)を持つアセブトロール、ピンドロール、アルプレノロール、オクスプレノロールなどの薬剤は、片頭痛予防効果が期待できません。

 

これらの薬剤の中で片頭痛に保険適用があるのは、プロプラノロールのみです。この薬は、高血圧や冠動脈疾患、頻脈性不整脈などの併存症がある片頭痛患者さんにとって便利です。通常、β遮断薬は気管支喘息には禁忌とされていますが、β1選択性を持つメトプロロール(片頭痛の保険適用なし)は気管支喘息の患者さんにも使用可能です。β遮断薬の片頭痛予防効果の機序として、末梢血管や自律神経に対する作用が考えられており、動物実験では皮質拡延性抑制(CSD)の抑制効果が示されています。しかし、副作用として心不全や抑うつ状態が発生することがあります。

 

妊娠中に予防療法が必要な場合、『頭痛の診療ガイドライン2021』では、プロプラノロールまたはメトプロロール(片頭痛の保険適用なし)の最小必要量を使用することが選択肢として推奨されています。

 

プロプラノロール(商品名:インデラル)は、1日20〜30mgから投与を開始し、効果が不十分な場合は60mgまで漸増します。服用は2〜3回に分けて経口投与します。また、プロプラノロールはリザトリプタンの血中濃度を上昇させるため、投与後24時間(徐放剤では48時間)以内の併用は禁忌です。その他、気管支喘息や高度の徐脈がある場合にも使用は避けるべきです。

 

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この記事を書いた先生のプロフィール

医師・医学博士【脳神経外科専門医・頭痛専門医 ほか】
脳外科医として関西医大で14年間勤務。大学時代は、脳腫瘍や脳卒中の手術治療や研究を精力的に行ってきました。脳卒中予防に重点をおいた内科管理や全身管理を得意としています。
脳の病気は、目が見えにくい、頭が重たい、めまい、物忘れなど些細な症状だと思っていても重篤な病気が潜んでいる可能性があります。
即日MRI診断で手遅れになる前にスムーズな病診連携を行っています。MRIで異常がない頭痛であっても、ただの頭痛ではなく脳の病気であり治療が必要です。メタ認知で治す頭痛治療をモットーに頭痛からの卒業を目指しています。
院長の私自身も頭痛持ちですが、生活環境の整備やCGRP製剤による治療により克服し、毎日頭痛外来で100人以上の頭痛患者さんの診療を行っています。我慢しないでその頭痛一緒に治療しましょう。

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