「日本で当たり前」が、海外では通用しないことも

2025年4月、韓国政府の麻薬類成分リストに変更があり、日本で広く使用されている頭痛薬「イブ」に含まれる成分が、違法薬物に指定されました。

これにより、「イブ」を韓国へ持ち込むことは禁止されています。知らずに持っていくだけで、罰則や入国拒否のリスクがあるため、注意が必要です。

違法とされる成分は「アリルイソプロピルアセチル尿素」

「イブ」、「ロキソニンSプレミアム」、「バファリンプレミアム」に含まれているアリルイソプロピルアセチル尿素という成分は、韓国では**法律で定められた麻薬類成分(全481種)**の1つとされ、催眠・鎮静作用があるため規制対象となっています。

この成分が持つリスク:

  • 眠気を引き起こす
  • 強い依存性
  • 血小板減少などの副作用

日本では市販薬ですが、韓国では麻薬同等の扱いになることを、しっかり理解しておきましょう。

 

市販薬の乱用が引き起こす「薬物乱用性頭痛(MOH)」にも注意

頭痛が続くと、つい市販薬に頼りがちですが、市販薬を月10日以上使用すると「薬物乱用性頭痛」になる可能性があります。

薬物乱用性頭痛の特徴:

  • 頭痛の頻度が増える
  • 薬を飲んでも効かなくなる
  • 原因となる薬を中止しなければ改善しない

特に、「イブ」のように鎮静作用を持つ成分は依存性が強いため注意が必要です。

 

韓国旅行前に確認すべき「3つのチェックポイント」

  1. 薬の成分表示を確認する
  2. 韓国大使館や政府機関の公式情報をチェックする
  3. 「イブ」などアリルイソプロピルアセチル尿素含有薬は持ち込まない

**旅行や出張時の常備薬も、国によっては“違法薬物”になることがあります。**自分の身を守るためにも、事前の情報確認は必須です。

 

頭痛が長引く場合は、市販薬ではなく専門医の診察を

「イブを飲み続けている」「薬なしでは不安」という方は、薬物乱用性頭痛のリスクがあるかもしれません。

慢性頭痛や薬の依存が疑われる場合には、医師の診察が必要です。
当院では、頭痛専門医による診療も行っております。

 

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この記事を書いた先生のプロフィール

医師・医学博士【脳神経外科専門医・頭痛専門医 ほか】
脳外科医として関西医大で14年間勤務。大学時代は、脳腫瘍や脳卒中の手術治療や研究を精力的に行ってきました。脳卒中予防に重点をおいた内科管理や全身管理を得意としています。
脳の病気は、目が見えにくい、頭が重たい、めまい、物忘れなど些細な症状だと思っていても重篤な病気が潜んでいる可能性があります。
即日MRI診断で手遅れになる前にスムーズな病診連携を行っています。MRIで異常がない頭痛であっても、ただの頭痛ではなく脳の病気であり治療が必要です。メタ認知で治す頭痛治療をモットーに頭痛からの卒業を目指しています。
院長の私自身も頭痛持ちですが、生活環境の整備やCGRP製剤による治療により克服し、毎日頭痛外来で100人以上の頭痛患者さんの診療を行っています。我慢しないでその頭痛一緒に治療しましょう。

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