エムガルティは、片頭痛の予防に使われる薬で、多くの患者さんに効果があります。しかし、治療費が高額であるため、1年で治療を中止する場合があります。今回紹介する研究では、1年間エムガルティを使用した後、治療を中止した場合に片頭痛がどう変化するのかを調べました(参考文献1)。

 

 

研究の内容

 

イタリアの10の頭痛センターで行われたこの研究では、154人の片頭痛患者さんが参加しました。治療を中止した後、3か月間にわたり片頭痛の日数や症状の変化を追跡しました。

 

研究結果

 

片頭痛の日数の変化

治療を中止した後、片頭痛の日数が徐々に増加しましたが、それでも治療を始める前よりは少ない状態が続きました。

 

痛みの強さと生活への影響

痛みの強さや片頭痛が生活に与える影響も少しずつ悪化しましたが、これも治療前よりは軽い状態でした。

 

再発のリスク

多くの患者さんは、治療を中止しても片頭痛の重症化や薬物乱用頭痛に戻ることはありませんでした。

 

 

 

まとめ

 

この研究から、エムガルティの治療を1年で中止すると、片頭痛が徐々に悪化することがわかりましたが、それでも治療前ほどひどくはならないことが示されています。治療を続けるか中止するかについては、医師とよく相談して決めることが重要です。このデータは、エムガルティ治療を中止する際に再考する価値があることを示唆しています。

 

 

おすすめ

片頭痛治療薬エムガルティ

片頭痛治療薬アジョビ

片頭痛治療薬アイモビーグ

 

参考文献(1)

CGRP経路を標的とするモノクローナル抗体の1年間投与後の中止:観察的縦断コホート研究

J Headache Pain. 2021 Dec 18;22(1):154.

 

 

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この記事を書いた先生のプロフィール

医師・医学博士【脳神経外科専門医・頭痛専門医 ほか】
脳外科医として関西医大で14年間勤務。大学時代は、脳腫瘍や脳卒中の手術治療や研究を精力的に行ってきました。脳卒中予防に重点をおいた内科管理や全身管理を得意としています。
脳の病気は、目が見えにくい、頭が重たい、めまい、物忘れなど些細な症状だと思っていても重篤な病気が潜んでいる可能性があります。
即日MRI診断で手遅れになる前にスムーズな病診連携を行っています。MRIで異常がない頭痛であっても、ただの頭痛ではなく脳の病気であり治療が必要です。メタ認知で治す頭痛治療をモットーに頭痛からの卒業を目指しています。
院長の私自身も頭痛持ちですが、生活環境の整備やCGRP製剤による治療により克服し、毎日頭痛外来で100人以上の頭痛患者さんの診療を行っています。我慢しないでその頭痛一緒に治療しましょう。

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