こんにちは、大阪の頭痛外来のある「いわた脳神経外科クリニック」です。

頭痛は多くの人が経験する一般的な症状ですが、その原因は多岐にわたります。ストレスや睡眠不足、環境の変化など様々な要因がありますが、その中でも「食生活」が大きな影響を与えることがしばしばあります。この記事では、食事と頭痛の関係について詳しく深掘りし、頭痛を予防するための食事の工夫についてご紹介します。

 

<この記事の内容>

・頭痛の原因となる食品

・空腹や肥満と頭痛の関係

・頭痛に有効な食品

 

頭痛の原因となる食品

頭痛の原因となる食品はいくつかあります。これらの食品は、特定の成分が頭痛を引き起こす原因となることがあります。以下は、代表的な頭痛の原因となる食品です。

 

アルコール(特に赤ワイン)

アルコールは、血管を拡張させる作用があり、特に赤ワインにはヒスタミンやチラミンが含まれているため、片頭痛を引き起こすことがあります。アルコールの摂取量を減らすか、頭痛が発生しやすい場合は完全に避けることが有効です。

 

チーズ

特に熟成チーズにはチラミンが多く含まれており、これが頭痛の原因になることがあります。チェダー、ブルーチーズ、パルメザンなどの熟成チーズは注意が必要です。

チョコレート

チョコレートにはフェネチルアミンとカフェインが含まれており、これが片頭痛を引き起こすことがあります。チョコレートを摂取する際は、量を控えめにすることが推奨されます。

柑橘類

柑橘類に含まれる酸やフラボノイドが頭痛を引き起こすことがあります。オレンジ、レモン、グレープフルーツなどの柑橘類は摂取を控えるか、様子を見ながら摂取することが重要です。

加工品(ウインナー、ハムなど)

加工肉製品には亜硝酸塩や硝酸塩が含まれており、これが血管を拡張させて頭痛を引き起こすことがあります。加工品の摂取を控え、自然な食品を選ぶことが推奨されます。

乳製品、ヨーグルト

乳製品にはチラミンが含まれており、これが頭痛を引き起こすことがあります。特にヨーグルトは注意が必要です。

 

揚げ物などの高脂肪食

高脂肪食は消化に時間がかかり、消化器系に負担をかけることで頭痛を引き起こすことがあります。揚げ物の摂取を控え、バランスの良い食事を心がけることが重要です。

 

冷凍食品

冷凍食品には保存料や添加物が含まれていることが多く、これが頭痛の原因となることがあります。冷凍食品の摂取を減らし、新鮮な食材を使った食事を心がけることが推奨されます。

コーヒー、お茶

カフェインは適度な摂取量であれば頭痛の予防に効果的ですが、過剰摂取すると逆に頭痛を引き起こすことがあります。コーヒーやお茶の摂取量に注意し、カフェインの過剰摂取を避けることが重要です。

 

エナジードリンク

エナジードリンクには大量のカフェインや糖分が含まれており、これが頭痛を引き起こすことがあります。エナジードリンクの摂取を控え、代わりに水やハーブティーなどを選ぶことが推奨されます。

うま味調味料

モノソジウムグルタミン酸(MSG)は、頭痛を引き起こすことがあります。うま味調味料の使用を控え、自然な食材の旨味を利用することが推奨されます。

これらの食品が原因で頭痛が起こる場合は、摂取を控えるか、頻度を減らすことが大切です。食品日記をつけて、どの食品が頭痛を引き起こすかを特定することも有効です。

 

人工甘味料

人工甘味料(アスパルテームなど)は頭痛を引き起こすことがあります。人工甘味料の摂取を控え、自然な甘味料を選ぶことが推奨されます。

 

 

空腹や肥満と頭痛の関係

頭痛の原因として、空腹や肥満も挙げられます。空腹時には血糖値が低下し、これが頭痛を引き起こすことがあります。また、肥満も頭痛のリスクを高める要因となります。

空腹

空腹時には血糖値が低下し、これが頭痛を引き起こすことがあります。定期的にバランスの良い食事を摂り、食事を抜かないようにすることが重要です。特に、朝食をしっかりと摂ることが推奨されます。空腹時には少量の糖質を摂取することも有効です。

肥満

肥満は頭痛のリスクを高める要因の一つです。適正な体重を維持するためには、運動習慣や食習慣が重要です。無理な減量ではなく、健康的な生活習慣を心がけることが大切です。適度な運動を取り入れ、バランスの良い食事を摂ることで、頭痛のリスクを減らすことができます。

 

 

頭痛に有効な食品

頭痛を予防するためには、以下の栄養素を含む食品を積極的に摂取することが有効です。

マグネシウム

マグネシウムは筋肉の緊張を緩和し、頭痛を予防する効果があります。マグネシウムを多く含む食品には、ナッツ類、種子類、ほうれん草、アボカドなどがあります。

 

 

ビタミンB₂

ビタミンB₂はエネルギー代謝を助け、頭痛を予防する効果があります。ビタミンB₂を多く含む食品には、乳製品、卵、緑黄色野菜、全粒穀物などがあります。

 

 

鉄分が不足すると、酸素供給が不十分になり、頭痛を引き起こすことがあります。鉄分を多く含む食品には、赤身の肉、レバー、ほうれん草、豆類などがあります。

 

 

セロトニン

セロトニンは脳内の神経伝達物質であり、気分を安定させ、頭痛を予防する効果があります。セロトニンを増やすためには、トリプトファンを多く含む食品を摂取することが有効です。トリプトファンを多く含む食品には、七面鳥、鶏肉、ナッツ類、種子類、バナナなどがあります。

 

 

コエンザイムQ10

コエンザイムQ10はエネルギー生成を助け、頭痛を予防する効果があります。コエンザイムQ10を多く含む食品には、肉類、魚類、ナッツ類、種子類などがあります。

 

 

まとめ

頭痛と食事の関係は非常に密接です。頭痛の原因となる食品を避け、頭痛を予防するための栄養素を積極的に摂取することで、頭痛の頻度や強度を減らすことができます。食品日記をつけることで、自分にとってのトリガー食品を特定し、食生活を見直すことが重要です。また、バランスの良い食事を心がけ、適正な体重を維持するための運動習慣を取り入れることも大切です。

日常的に頭痛に悩まされている場合は、食生活の改善を試みるとともに、専門医に相談することをお勧めします。適切な診断と治療を受けることで、頭痛の予防と対策がより効果的に行えるでしょう。

 

 

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この記事を書いた先生のプロフィール

医師・医学博士【脳神経外科専門医・頭痛専門医 ほか】
脳外科医として関西医大で14年間勤務。大学時代は、脳腫瘍や脳卒中の手術治療や研究を精力的に行ってきました。脳卒中予防に重点をおいた内科管理や全身管理を得意としています。
脳の病気は、目が見えにくい、頭が重たい、めまい、物忘れなど些細な症状だと思っていても重篤な病気が潜んでいる可能性があります。
即日MRI診断で手遅れになる前にスムーズな病診連携を行っています。MRIで異常がない頭痛であっても、ただの頭痛ではなく脳の病気であり治療が必要です。メタ認知で治す頭痛治療をモットーに頭痛からの卒業を目指しています。
院長の私自身も頭痛持ちですが、生活環境の整備やCGRP製剤による治療により克服し、毎日頭痛外来で100人以上の頭痛患者さんの診療を行っています。我慢しないでその頭痛一緒に治療しましょう。

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