こんにちは、大阪の頭痛外来のある「いわた脳神経外科クリニック」です。当院には、「天気が悪いと頭が痛くなる」というお悩みで多くの方が来院されます。天気の変化によって頭痛やめまい、耳鳴り、肩こり、首のこりなど、もともとある症状が悪化する病態は、一般的に「天気痛(気象病)」と呼ばれ、広く知られています。なぜ、天気が悪いと頭痛が起こりやすいのでしょうか。

今回は、天気と頭痛の関係について解説していきます。

 

 天気が悪いと起こる頭痛、どれくらいの日本人が悩んでいる?

天気が悪いと起こる頭痛(天気痛)はどれくらいの人が悩んでいるのでしょうか。

ウェザーニュースが2023年に行った「天気痛調査2023」によると、19,714人の回答者のうち7割近くが天気痛の自覚があると回答しています。天気痛があると自覚する男性が約2割なのに対し、女性では半数以上が天気痛の自覚があると答えており、女性に特に多くみられる症状であることがわかります。

 

「天気痛調査2023」では、ほとんどの人が天気痛の症状として頭痛を挙げています。天気痛に悩む20~40代の女性の多くが仕事に支障をきたすほどの症状が出ると回答しており、天気痛は日常生活に悪影響をおよぼす要因となっています。

 

 

天気が悪いと頭痛が起こる理由

天気が悪いとなぜ頭痛は起こるのでしょうか。実はその理由は、いまだはっきりとは解明されていません。

 

「頭痛診療ガイドライン2021」では、片頭痛を持つ人が台風や気圧の低下などの気象の変化によって頭痛が悪化するとあります。

 

「天気痛調査2023」の結果でも、天気痛の症状には「気圧」が関係している自覚があると回答した人が多くいました。

 

天気痛は、平衡感覚をつかさどる耳の内耳前庭部の過敏さによって引き起こされていると考えられています。もともと内耳前庭部の敏感さがあると、気圧の変化に反応して交感神経系が興奮し、頭痛が引き起こされるという仕組みです。

 

 

 

 天気が悪いと起こる頭痛の対策法4つ

 

天気が悪いと起こる頭痛を予防する方法はあるのでしょうか。

 

「天気痛調査2023」によると、天気痛の予防として良く行われているのは「天気予報のチェック」や「薬を飲む」という対策です。ここでは、明日から試したい天気痛の対策法4つを紹介していきます。

 

生活リズムを整える

普段から自律神経系のバランスが乱れやすい状態だと気圧の変化の影響を受けやすくなります。生活リズムを整えて自律神経のバランスを安定させましょう。

 

睡眠・覚醒のメリハリをつけるためには、朝起きたら朝日を浴びて朝食をしっかりととります。太陽の光を浴びることで、25時間周期の体内時計と1日24時間のリズムのズレがリセットされ、身体が目覚めて日中活発に過ごせます。脳や身体を働かせるエネルギーは、栄養バランスの良い食事で補給しましょう。

 

朝すっきりと目覚めるためには質の良い睡眠をとることも大切です。夜寝る前にはスマートフォンやパソコンなどのブルーライトを発する機器の使用は控え、瞑想やヨガ、アロマ、穏やかな音楽を聴く、半身浴などの自分なりのリラックス法でスムーズな入眠につなげましょう。

 

 

軽い運動をする

質の良い睡眠をとるためにも、日中は活動的に過ごしましょう。筋肉を動かす際のエネルギーとして酸素を利用する有酸素運動は、特に心身をリラックスさせてくれます。

 

少し汗ばむ程度のウォーキングや軽いランニング、サイクリング、ダンスなどの軽く息が弾む程度の運動を行いましょう。疲れすぎない程度の運動を継続して行うことが大切です。

 

 

耳の血流を促す

内耳の血流の悪さは耳の内耳前庭部の過敏さの要因のひとつです。新幹線などに乗ったときに耳が詰まったような感じがしやすい、乗り物酔いをしやすい、耳鳴りがしやすい人は内耳の過敏さがみられやすいと言われています。

 

内耳の血流を促す方法として「耳を温める」方法と「耳のマッサージ」を紹介します。

 

・耳を温める

水に濡らして軽く絞ったタオルをビニール袋に折りたたんで入れ、50秒程度電子レンジで温めます。温めたタオルをビニール袋の上からさらにタオルで包み、耳の中に水が入らないように耳に当て、温めましょう。

 

・耳のマッサージ

両耳を軽く指でつまんで上・下・斜め・横方向に数秒間ずつ軽く引っ張り、ゆっくりと耳を回すように動かします。耳を折りたたみ、折りたたんだ状態でも回すように動かしましょう。6)

 

気圧予報を活用する

自分の頭痛が起こりやすいタイミングを把握するために、気圧予報や天気痛予報を活用するのも有効です。頭痛が起こるときの気圧や天候を記録することで、どのような天候の変化で頭痛が出やすいのかを把握しやすくなります。

 

頭痛が出やすいパターンがわかると「耳のマッサージなどのセルフケアを行う」「処方されている薬を前もって飲む」「予定を調整する」などの予防対策が取りやすくなります。「明日は頭痛が来るかも」という心構えができるだけでも、精神的な余裕を持って頭痛に対処しやすくなるでしょう。

 

日々の気圧予報におすすめアプリのご紹介

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天気痛は背景にある片頭痛の治療から

天気が悪いと起こる頭痛は背景に片頭痛があり、主に気圧の変化によって起こります。頭痛によって仕事や学校を休まなければならない場合もあり、片頭痛や天気痛は生活の質を大きく低下させる要因です。

 

片頭痛の症状を和らげ、生活の質の向上をめざせる治療法として「ヒト化抗CGRPモノクローナル抗体製剤(「CGRP」頭痛薬剤)」を使った治療があります。

 

【動画で解説】頭痛がなおる!?新しい片頭痛の治療薬

 

「CGRP」頭痛薬剤の治療は保険適用です。

片頭痛発作治療薬エムガルティ(ガルカネズマブ)

片頭痛発作の発症を抑制する治療薬『アジョビ』

片頭痛に対する予防治療薬『アイモビーグ』

 

当院の院長は日本頭痛学会 認定頭痛専門医・認定施設指導医であり、現在も複数の地域の基幹病院に勤めながら、片頭痛の治療を多く経験しています。頭痛に関する専門的な知見・技術・経験を活かし、お一人おひとりの頭痛の症状に合わせた治療をご提案いたします。

 

日々の頭痛に悩む方、天気痛が辛い方、頭痛に悩まされない快適な日常を送りたいという方は、大阪市城東区の頭痛外来のある「いわた脳神経外科クリニック」にご相談ください。頭痛の原因についての診断や治療をしています。受診当日のMRI検査により重大な病気を発見しやすく、近隣病院とも連携しやすい環境です。また各種薬剤により強い頭痛や慢性的な頭痛にも対応しています。頭痛が起こったときには、我慢せずに当院までお気軽にご相談ください。

 

あなたも『頭痛から卒業』を目指して一緒に治療しませんか?

 

 

 

 

 

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この記事を書いた先生のプロフィール

医師・医学博士【脳神経外科専門医・頭痛専門医 ほか】
脳外科医として関西医大で14年間勤務。大学時代は、脳腫瘍や脳卒中の手術治療や研究を精力的に行ってきました。脳卒中予防に重点をおいた内科管理や全身管理を得意としています。
脳の病気は、目が見えにくい、頭が重たい、めまい、物忘れなど些細な症状だと思っていても重篤な病気が潜んでいる可能性があります。
即日MRI診断で手遅れになる前にスムーズな病診連携を行っています。MRIで異常がない頭痛であっても、ただの頭痛ではなく脳の病気であり治療が必要です。メタ認知で治す頭痛治療をモットーに頭痛からの卒業を目指しています。
院長の私自身も頭痛持ちですが、生活環境の整備やCGRP製剤による治療により克服し、毎日頭痛外来で100人以上の頭痛患者さんの診療を行っています。我慢しないでその頭痛一緒に治療しましょう。

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