ドゥイブス検査とは?

癌(がん)の早期発見に関心がある人の中には、「ドゥイブス(DWIBS)」という検査名を初めて聞いたという方もいるかもしれません。でも、この技術は、被ばくなく全身の癌を調べられる最新のMRI検査として、医療機関で導入が進んでいます。

 

DWIBSの正式名称と読み方

ドゥイブスは「DWIBS」と表記され、「Diffusion-Weighted Whole-Body Imaging with Background Body Signal Suppression」の略称です。日本語では「背景信号抑制つき全身拡散強調MRI」と訳され、「ドゥイブス」と読みます

これは、水分子の動きをとらえるMRI技術を全身に応用したもので、細胞密度の高い「がん細胞」を画像として捉えやすくしたものです。従来のMRIよりも広範囲を一気に検査でき、PET検査と似たような目的で使われながらも、放射線を使わないという特徴があります。

 

なぜ「癌の早期発見」に強いのか

がん細胞は正常細胞に比べて密度が高く、水分が自由に動けないという特徴を持ちます。DWIBSは、その「水の動きの悪さ」を画像としてとらえるため、細胞が異常に増殖している部分=がんの可能性がある部分を見つけやすいのです。

実際、乳がんや前立腺がん、肺がんの術後フォローや、転移のチェックにも使われており、CTやPETよりも高い精度で異常を検出できたという報告もあります(参考:MDPI, 2022)。

 

CT・PET検査との違いとは?

DWIBSとよく比較されるのがCTPET-CTです。違いを簡単に説明すると以下のようになります:

検査法被ばく精度費用特徴
CTあり骨や臓器の形が分かる
PET-CTありがんの活動性を捉える
DWIBSなし比較的安価全身の異常を一度に可視化

DWIBSの最大の魅力は、体への負担が少なく、放射線を一切使わない点です。特にがんサバイバーの方や、検診を定期的に受けたい方にとって、大きなメリットがあります。

 

 

ドゥイブス(DWIBS)が選ばれる理由

「痛みや被ばくがある検査はできれば避けたい」「がん検診は興味あるけど、検査が怖い」――そんな方にとって、ドゥイブスは新しい選択肢となり得ます。体への負担が少なく、しかも精度が高いという点から、近年注目されている理由を解説します。

被ばくゼロで安心|妊婦や子どもにも対応

ドゥイブスはMRIをベースとした検査なので、放射線を一切使用しません。このため、他の癌検査 PETやCTに比べて被ばくリスクがなく、小児や妊娠中の方など、被ばくを避けたい人にも向いています。

たとえば、がんの再発リスクがある方が定期的に検査を受ける必要がある場合、繰り返し受けても安心なのは非常に大きなメリットです。特に放射線を使うことに抵抗がある人には、ドゥイブスは理想的な選択肢といえるでしょう。

 

検査範囲が広い|全身を一度にチェック

通常のMRIは、体の一部分ずつを撮影しますが、ドゥイブスは首から足まで全身を一度に撮影できます。がんは必ずしも1か所にとどまらず、知らないうちに他の部位に転移している可能性もあります。

ドゥイブスでは、そのような“見落としやすい病変”も一度の撮影で網羅的に調べることができるため、「なんとなく調子が悪い」といった曖昧な症状でも安心して受けられます。

 

苦痛が少ない|造影剤・注射が不要

ドゥイブス検査は、造影剤や注射を使わずに行われるため、痛みやアレルギーのリスクがありません。静かに寝ているだけで検査が進むので、「注射が苦手」「検査で気分が悪くなるのが怖い」という方にも安心です。

また、検査時間も30〜40分ほどと長すぎず、閉所が苦手な方でも途中で声がけを受けられる環境が整っている施設も増えています。

 

 

 

ドゥイブス検査の流れと注意点

ドゥイブス(DWIBS)に興味はあっても、「実際どんな検査なのか」「痛くないか」「どんな準備が必要か」と不安に思う方も多いです。ここでは、初めての方でも安心して受けられるように、検査の流れや注意点をわかりやすくご紹介します。

 

検査時間はどのくらい?当日の所要時間と服装

ドゥイブス検査は、全身を撮影するために約50分ほどの時間がかかります。来院から終了までは、着替えや問診を含めて1時間半程度を見込んでおくと安心です。

服装は金属のないもの(ホック、ワイヤー、ボタン類)を着用するか、院内の検査着に着替える必要があります。また、腕時計やアクセサリー、義歯などの金属類はすべて外す必要があります。MRIは強力な磁場を使うため、安全性のための準備が大切です。

 

検査でわかる病気と対象となる方

ドゥイブスで主に発見できるのは、細胞密度が高い病変(がん、リンパ腫、転移、炎症性病変など)です。特に、前立腺がん・乳がん・肺がん・骨転移の診断やフォローに活用されており、再発チェックにも有効です。

検査を受ける対象としては、以下のような方が挙げられます。

  • がん家系で早期発見に関心がある方
  • がん治療後の再発リスクを心配している方
  • 被ばくを避けながら全身のチェックをしたい方
  • 健診やドックで精度の高い検査を希望する方

 

注意すべき副作用や限界はある?

ドゥイブスは基本的に副作用が非常に少ない安全な検査です。ただし、次のような注意点があります。

  • ペースメーカーや体内金属がある方は検査を受けられない場合があります
  • 肺のごく小さな病変(すりガラス陰影など)は見つかりにくいことがあります
  • がん以外の病変(炎症、良性腫瘍など)も映るため、追加の精密検査が必要になることがあります

いずれも、事前に医師との問診・説明を受けておくことで安心して検査に臨めます。

 

 

まとめ

ドゥイブス(DWIBS)は、全身のがんや異常を放射線を使わずに検査できる、最新のMRI技術です。
従来のCTやPET検査とは異なり、造影剤や注射の必要がなく、身体にやさしい検査方法として注目されています。特に、がんの早期発見や再発チェック、転移の確認に高い精度を発揮し、痛みや被ばくを避けたい方に適しています。

ドゥイブスが選ばれる理由は、大きく3つあります。
第一に「被ばくがないこと」、第二に「一度で全身を広く撮影できること」、そして第三に「造影剤不要で苦痛が少ないこと」です。これらの特徴により、妊婦や高齢者、定期検査が必要ながん経験者など、幅広い方に活用されています。

検査の流れもシンプルで、来院から終了まで約1時間〜1時間半ほど。実際の撮影時間は30〜40分程度で、静かに横になっているだけで終わります。ただし、ペースメーカーや体内金属がある場合は検査ができないこともあるため、事前に医療機関へ確認することが大切です。

また、がん以外の異常(炎症や良性腫瘍)も写る可能性があるため、必要に応じて追加検査を受けることになります。ですが、それも含めて「リスクを早めに見つける」ことがDWIBSの役割であり、大切な一歩となるはずです。

 

 

 

大阪のいわた脳神経外科クリニックは、ドゥイブス検査(DWIBS)がある病院です。

当院では、開発者の高原太郎先生に監修いただいております。

 

ドゥイブスについて詳しくは、こちらの記事もどうぞ。

 

 

 

 

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