片頭痛に悩む方にとってCGRP製剤は、まさに希望の光です。
そのなかでも当院で全国TOPクラスの使用実績を誇る、「アジョビ(フレマネズマブ)」と「エムガルティ(ガルカネズマブ)」は、月1回の注射で高い予防効果を発揮することが分かっています。しかし、気になるのは「この注射は、いつまで続ければいいの?」という点ではないでしょうか。
当院では12~18カ月を基本的に推奨していますが、患者さんそれぞれの希望や症状に応じて柔軟に対応しています。
CGRP製剤の基本的な治療期間
欧州のガイドラインでは「12〜18か月で中止を検討」
日本よりも先にCGRP製剤が普及している、ヨーロッパのガイドラインでは「12〜18カ月の治療を続けてから中止を検討する」という方針が示されています。
日本の頭痛の診療ガイドラインでは「6〜12か月は継続を推奨」
「片頭痛予防療法の効果判定には少なくとも2ヵ月を要する。有効性を確認したうえで、有害事象がなければ少なくとも3ヵ月、忍容性が良好であれば6~12ヵ月は予防療法を継続する。片頭痛のコントロールが良好になれば予防薬を緩徐に減量し 、可能であれば中止する。」と記載されています。
日本頭痛学会のCGRP関連新規片頭痛治療薬ガイドライン(暫定版)の見解
休薬を考慮すべき状況が記載されております。
最も大事なのは4番目、頭痛発作発現の消失・軽減等により日常生活に支障をきたさなくなっている、という記載です。
休薬を考慮すべき状況
- 妊娠した(している)可能性がある,妊娠を予定している(挙児希望がある).
- 授乳を行う予定がある (注: 出産後 2 週間以上経過すれば、授乳していても投与可能と とする 国 際 頭 痛 学 会 の 見 解 が 出 さ れ て い る https://doi.org/10.1177/03331024241269735)
- 健康や生活に支障を来す有害事象が認められる.
- 頭痛発作発現の消失・軽減等により日常生活に支障をきたさなくなっている.
- 治療上の有益性を評価し,症状の改善が認められていないと判断される.
- 患者側から中止の希望がある.
https://www.jhsnet.net/GUIDELINE/CGRP/13.pdf
CGRP製剤を3年間続けた結果
イタリアから届いた最新の論文では、3年間続けた結果が報告されました。
3年間のCGRP製剤の使用継続で、50%以上の治療反応率は徐々に増加し、片頭痛の負担が大幅に軽減されています。CGRP製剤を長期的に使うことで、片頭痛治療の経過が良くなることが示唆されています。
https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC11762429/
CGRP製剤の継続に関する当院からの説明
いつまで続ける?治療終了の目安とは
いつまで続けるかについては、効果があって副作用に問題がなければ、基本的に12カ月~18カ月続けることをお勧めしいています。
ただし患者さんの希望に応じて、中止することも可能です。
その場合は、効果の持続性や再発リスクも考えて、ご提案させていただきます。
頭痛ダイアリーなどの記録が重要になりますので、普段から記録しておいていただけると、より的確な判断ができます
ぜひ、頭痛ダイアリーも活用ください。
CGRP製剤は一生続ける必要はない、見極めが大切
CGRP製剤は「一生続けるもの」ではありません。
効果が安定すれば中止することも可能です。
頭痛症状が再発した場合は、CGRP製剤を再開することも可能です。
CGRP製剤を「続けるか」「辞めるか」の見極めは、とても大切なポイントです。
当院は全国でもTOPクラスのCGRP製剤の使用実績があります。
あなたにあった治療計画を提案しますので、ぜひ、お気軽にご相談ください。
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