片頭痛に悩む方にとってCGRP製剤は、まさに希望の光です。

そのなかでも当院で全国TOPクラスの使用実績を誇る、「アジョビ(フレマネズマブ)」「エムガルティ(ガルカネズマブ)」は、月1回の注射で高い予防効果を発揮することが分かっています。しかし、気になるのは「この注射は、いつまで続ければいいの?」という点ではないでしょうか。

 

当院では12~18カ月を基本的に推奨していますが、患者さんそれぞれの希望や症状に応じて柔軟に対応しています。

 

 

CGRP製剤の基本的な治療期間

 

欧州のガイドラインでは「12〜18か月で中止を検討」

 

日本よりも先にCGRP製剤が普及している、ヨーロッパのガイドラインでは「12〜18カ月の治療を続けてから中止を検討する」という方針が示されています。

European Headache Federation guideline on the use of monoclonal antibodies targeting the calcitonin gene related peptide pathway for migraine prevention – 2022 update | The Journal of Headache and Pain | Full Text

 

 

日本の頭痛の診療ガイドラインでは「6〜12か月は継続を推奨」

 

「片頭痛予防療法の効果判定には少なくとも2ヵ月を要する。有効性を確認したうえで、有害事象がなければ少なくとも3ヵ月、忍容性が良好であれば6~12ヵ月は予防療法を継続する。片頭痛のコントロールが良好になれば予防薬を緩徐に減量し 、可能であれば中止する。」と記載されています。

頭痛の診療ガイドライン2021

 

日本頭痛学会のCGRP関連新規片頭痛治療薬ガイドライン(暫定版)の見解

 

 休薬を考慮すべき状況が記載されております。

最も大事なのは4番目、頭痛発作発現の消失・軽減等により日常生活に支障をきたさなくなっている、という記載です。

 

休薬を考慮すべき状況

  1. 妊娠した(している)可能性がある,妊娠を予定している(挙児希望がある).
  2. 授乳を行う予定がある (注: 出産後 2 週間以上経過すれば、授乳していても投与可能と とする 国 際 頭 痛 学 会 の 見 解 が 出 さ れ て い る https://doi.org/10.1177/03331024241269735)
  3. 健康や生活に支障を来す有害事象が認められる.
  4. 頭痛発作発現の消失・軽減等により日常生活に支障をきたさなくなっている.
  5. 治療上の有益性を評価し,症状の改善が認められていないと判断される.
  6. 患者側から中止の希望がある.

https://www.jhsnet.net/GUIDELINE/CGRP/13.pdf

 

 

CGRP製剤を3年間続けた結果

 

 

イタリアから届いた最新の論文では、3年間続けた結果が報告されました。

3年間のCGRP製剤の使用継続で、50%以上の治療反応率は徐々に増加し、片頭痛の負担が大幅に軽減されています。CGRP製剤を長期的に使うことで、片頭痛治療の経過が良くなることが示唆されています。

https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC11762429/

 

 

CGRP製剤の継続に関する当院からの説明

 

いつまで続ける?治療終了の目安とは

 

いつまで続けるかについては、効果があって副作用に問題がなければ、基本的に12カ月~18カ月続けることをお勧めしいています。

ただし患者さんの希望に応じて、中止することも可能です。

その場合は、効果の持続性や再発リスクも考えて、ご提案させていただきます。

 

頭痛ダイアリーなどの記録が重要になりますので、普段から記録しておいていただけると、より的確な判断ができます

ぜひ、頭痛ダイアリーも活用ください。

 

 

CGRP製剤は一生続ける必要はない、見極めが大切

 

CGRP製剤は「一生続けるもの」ではありません。

効果が安定すれば中止することも可能です。

頭痛症状が再発した場合は、CGRP製剤を再開することも可能です。

 

CGRP製剤を「続けるか」「辞めるか」の見極めは、とても大切なポイントです。

当院は全国でもTOPクラスのCGRP製剤の使用実績があります。

 

あなたにあった治療計画を提案しますので、ぜひ、お気軽にご相談ください。

 

 

 

おすすめ

 

片頭痛治療薬「CGRP製剤」

 

片頭痛治療薬 アジョビ

 

片頭痛治療薬 エムガルティ

 

 

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また当院公式LINEにてご質問等をお受けしておりますので、お気軽にお問い合わせくださいませ。

 

 

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この記事を書いた先生のプロフィール

医師・医学博士【脳神経外科専門医・頭痛専門医 ほか】
脳外科医として関西医大で14年間勤務。大学時代は、脳腫瘍や脳卒中の手術治療や研究を精力的に行ってきました。脳卒中予防に重点をおいた内科管理や全身管理を得意としています。
脳の病気は、目が見えにくい、頭が重たい、めまい、物忘れなど些細な症状だと思っていても重篤な病気が潜んでいる可能性があります。
即日MRI診断で手遅れになる前にスムーズな病診連携を行っています。MRIで異常がない頭痛であっても、ただの頭痛ではなく脳の病気であり治療が必要です。メタ認知で治す頭痛治療をモットーに頭痛からの卒業を目指しています。
院長の私自身も頭痛持ちですが、生活環境の整備やCGRP製剤による治療により克服し、毎日頭痛外来で100人以上の頭痛患者さんの診療を行っています。我慢しないでその頭痛一緒に治療しましょう。

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