大阪市城東区にある「いわた脳神経外科クリニック」 院長 岩田 亮一 です。
中山美穂さんをはじめ、多くの方にとってお風呂は心身を癒す大切な時間です。しかし、そのリラックス空間が思わぬ危険をもたらす可能性があることをご存じでしょうか?
特に冬場や持病をお持ちの方、また飲酒習慣のある方にとって、お風呂場でのリスクは命に関わる問題となることがあります。本記事では、脳神経外科専門医の視点から、お風呂場での危険性とその対策について解説します。
お風呂場での主なリスク
脳卒中・脳梗塞
寒い脱衣所や浴室に入ると血管が収縮し、血圧が急上昇します。このため、高血圧の方は特に脳卒中や脳出血のリスクが高まります。また、水分不足により血液が固まりやすくなると、脳梗塞を引き起こす可能性もあります。
てんかんによる溺水
てんかん発作中に浴槽で溺れるリスクがあります。過去に入浴中の発作経験がある方は特に注意が必要です。シャワー浴が推奨されますが、どうしても浴槽に浸かりたい場合は、家族の見守りを徹底しましょう。
ヒートショック
ヒートショックは気温の急激な変化により血圧が乱高下し、心臓や血管に大きな負担をかける現象です。これにより脳出血、大動脈解離、心筋梗塞などが引き起こされる可能性があります。2006年のデータでは、交通事故で亡くなった方が約7,000人であったのに対し、ヒートショックで命を落とした方は約14,000人にも上ります。冬場の暖かいリビングから寒い脱衣所や浴室へ移動する際は特に注意しましょう。
飲酒後のお風呂のリスク
飲酒後にお風呂に入るのは基本的に避けるべきです。以下のようなリスクがあります。
アルコール分解の妨げ
飲酒後は身体がアルコールを分解しようとしますが、お風呂に入ると血液が筋肉に分散し、分解が遅れるため逆効果です。
酔いの回りが早くなる
血液循環が早まることでアルコールの回りが加速し、眠気や失神を引き起こす可能性があります。
転倒やケガ
平衡感覚が乱れるため、お風呂場で転倒するリスクが高まります。
ヒートショックのリスク
飲酒後の血圧低下と急激な温度変化が重なると、ヒートショックを引き起こす可能性があります。
脳神経外科専門医が推奨する安全な入浴法
室温を一定に保つ
入浴前後の水分補給
短時間での入浴
飲酒後はお風呂を避ける
ゆっくりとお風呂から出る
安心・安全な入浴で心と体を癒す
お風呂は、疲れを癒し、リラックスする大切な時間です。しかし、適切な対策を取らないと命に関わるリスクを伴う場合があります。特に冬場や飲酒習慣のある方、持病を抱える方は、この記事で紹介した対策を参考に、安全な入浴を心がけてください。
脳神経外科専門医として、皆さまの健康を守るお手伝いができれば幸いです。ご不明点や不安がある方は、ぜひ当院へお気軽にご相談ください。
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