いわた脳神経外科クリニックの院長 岩田亮一です。

 

先日、「めざまし8」でフジテレビ小室瑛莉子アナウンサーが生放送中に倒れるという衝撃的な出来事がありました。

病院で検査し、翌日の放送では「一過性貧血(いっかせいひんけつ)」であったと谷原章介さんが説明されてました。

小室アナは現在元気に回復されたと聞き安心いたしました。

 

脳外科医ならどのように対応するかについてお話したいと思います。

 

急な意識を失った時の対応:脳神経外科医の視点

脳神経外科医は、脳卒中など急性疾患への対応を得意としています。人が急に倒れた場合、私たちは以下のようなステップで対応します。

 

  1. 意識レベルとバイタルサインの確認:心臓や呼吸が正常に動く時期を確認
  2. 神経学的診察:手足や顔の麻痺、目の動き、呂律、感覚の変化などを確認
  3. 画像検査:必要があればCTやMRI検査を行い、精密に診断します。

 

当院は、クリニックのため、急性期の患者が救急搬送されてることはありませんが、救急病院で一次対応を受けてその後に精査や治療のために来院されるケースが少なくありません。

 

めまいや一過性の意識喪失:考えられる原因と検査

倒れたり、めまいを感じたりする症状の背景にはさまざまな取り組みが考えられます。 代表的な症状である「めまい」には、Vertigo(メマイ)とDiziness(めまい)2種類があります。

 

1. Vertigo(回転性めまい)

回転性のめまいで、主に三半規管や中枢神経の異常が原因です。「天井が回転しているように見える」と表現されることが多く、吐き気や嘔吐を伴うこともあります。診察では、実際に患者さんの目に眼振を伴っています。

 

2. Diziness(非回転性めまい)

浮遊感や頭がふらふらする感じで、正確な原因を特定しにくいのが特徴です。一般にバランス感覚の異常が関与しています。

 
 

めまいの診断に必要な検査

 

今回、小室アナは病院で検査されたといわれていました。実際にめまい患者で行う検査にはどのようなものがあるか。

 

  • 耳鼻科:聴力検査、カロリックテスト、回転テスト(vHIT)、眼球運動記録(EOG/VOG)など
  • 脳神経外科:脳MRI、脳波検査、頸動脈エコー、起立試験
  • 内科:血液検査、心電図、胸部レントゲン


一過性にすぐに改善したといっても、再発や重篤な疾患を見落とさないようにきちんと検査することが重要です。

 

貧血がわかる症状と診断基準

 

貧血による症状は、めまい、頭痛、易疲労感、全身倦怠感、失神、動悸、息切れなど多岐にわたります。

診断には血液一般検査でのヘモグロビン値が重要で、成人男性で13g/dL未満、成人女性と小児で12g/dL未満、高齢者で11g/dL未満が貧血となります。特に貧血が原因で倒れる前には、軽い頭痛が出ることもありますが、放置せず原因を突き止めて正しく治療することが大切です。

 

 

 

まとめ:予防のためにできること

 

倒れるような症状があった場合、自己判断で「疲れるだけ」とせず、しっかりと診察を受けることが重要です。 脳神経外科では、めまいや一過性の意識消失についても専門的に対応していますますので、気になる方はご相談ください。

 

 

 

 

 

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この記事を書いた先生のプロフィール

医師・医学博士【脳神経外科専門医・頭痛専門医 ほか】
脳外科医として関西医大で14年間勤務。大学時代は、脳腫瘍や脳卒中の手術治療や研究を精力的に行ってきました。脳卒中予防に重点をおいた内科管理や全身管理を得意としています。
脳の病気は、目が見えにくい、頭が重たい、めまい、物忘れなど些細な症状だと思っていても重篤な病気が潜んでいる可能性があります。
即日MRI診断で手遅れになる前にスムーズな病診連携を行っています。MRIで異常がない頭痛であっても、ただの頭痛ではなく脳の病気であり治療が必要です。メタ認知で治す頭痛治療をモットーに頭痛からの卒業を目指しています。
院長の私自身も頭痛持ちですが、生活環境の整備やCGRP製剤による治療により克服し、毎日頭痛外来で100人以上の頭痛患者さんの診療を行っています。我慢しないでその頭痛一緒に治療しましょう。

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