いわた脳神経外科クリニックの院長 岩田亮一が、頭痛と視野障害で発症した脳動脈解離について共著者として論文発表を行いました。
片頭痛の患者さんは、頭痛が起こる前に閃輝暗点(せんきあんてん)が出現する場合があります。「せんかあんてん」ではなく「せんきあんてん」と読みます。視界にキラキラした閃輝が出現し、徐々に広がっていきます。その中は暗点で字が見えにくくなります。この閃輝暗点に続いて、頭痛発作が起きるのが、典型的な前兆を伴う片頭痛です。
しかし、視野障害と頭痛で注意するべき病気があります。
今回の症例報告では、70歳の男性が、急に右側の頭痛と視野の一部が見えなくなる症状で病院に運ばれました。検査の結果、脳の右後頭部に小さな脳梗塞(脳の血流が途絶えたために起こる損傷)が見つかりました。この原因として、脳内の後大脳動脈という血管の一部が異常に膨らんでしまったことが疑われました。
患者さんは片頭痛を疑って数日様子を見ていましたが、頭痛が続いたため、最終的に病院で精密検査を受けました。その結果、動脈の一部がさらに拡大し、破裂のリスクが高まっていたため、すぐに治療が必要となりました。医師はカテーテルを使った治療で、血流を止める処置を行い、無事に治療が成功しました。
まとめ
このケースからわかることは、頭痛や視野が狭くなるといった症状が現れた場合、特に片頭痛だと思い込まずに、早めにMRI検査を受けることが重要だということです。MRI検査を受けることで、命に関わるような動脈の異常を早期に発見し、適切な治療を受けることができます。
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