小学生の時、毎週月曜日はスキップして本屋さんに行ってました。『ドラゴンボール』を読みたくて少年ジャンプを買いに行くのが楽しみでたまりませんでした。

 

鳥山明さんは2024年3月1日、急性硬膜下血腫により永眠されました。突然の訃報で、世界中で悲しみや追悼の声があがっています。これまでにたくさんの冒険と熱い戦いを見せて頂いて、たくさんの思い出を作っていただき本当にありがとうございました。心よりご冥福を申し上げます。

 

この度、脳外科専門医の責務として急性硬膜下血腫に関しては、言及させていただきたいです。
硬膜とは頭蓋骨の下、脳の上にある膜になります。硬膜と脳の間に血が溜まること硬膜下血腫といいます。
さらに脳表にはくも膜があり、脳とくも膜の間に血が溜まるとくも膜下出血と言います。

脳外科医は、命を守るため、頭部外傷による急性硬膜下血腫などに対して、手術治療を行います。
急性硬膜下血腫は頭部打撲にて発症することが多いですが、いくつか注意点が必要です。


私の父もこの正月に頭部打撲で急性硬膜下血腫を発症しました。夜中にトイレに行こうとしてすべって転倒し、頭部打撲しました。
外表からは目立った傷がなく、意識も清明でした。そのまま自己判断で様子観察をしていました。母から連絡があり、打撲後より頭を動かすと頭痛がすると電話連絡があり、すぐに最寄りの脳外科への受診を誘導しました。


画像検査の結果、急性硬膜下血腫と診断されました。父は、狭心症にて、冠動脈にステント留置されていて、抗血栓薬を内服していました。これはステント内血栓を防ぐために必ず内服する必要があり、頭部打撲後も内服を継続しておりました。しかし、抗血栓薬は出血が止まりにくくなり、致命的になる場合もあります。

 

 

リスクとベネフィットを十分に勘案し、継続するか中止するかは自己判断ではなく専門家の判断が必要となります。
また父は腎不全にて透析を行っており、透析中にはヘパリンを使用しますので、出血の拡大のリスクが高いです。
頭部打撲後に傷がないからといって放置せず、
すぐに病院を受診し検査をすることで一命を取り留めました。
入院での現状管理のもと急性の出血拡大はなく経過しました。


一方で急性の出血拡大がなくても遅発性に慢性硬膜下血腫に至る場合があります。
実際、父の場合もその後、慢性硬膜下血腫を発症し、神経症状(片麻痺)も出現し、手術治療を行いました。
慢性硬膜下血腫による症状は手術により改善できます。

 

 

 

頭部打撲した場合は、軽症と自己判断せずに受診し、即日で画像検査を受けることをおすすめします。
手遅れにならないようにすることが大切です。

 

 

さて、急性硬膜下血腫の原因は頭部打撲が多いですが、外傷以外にも原因があります。硬膜動静脈ろう、脳動脈瘤破裂などです。
これらの疾患は脳血管、硬膜血管に異常があり、そこが破裂し、出血することにより発症します。

 

当院でも打撲なしで、突然の頭痛で来院され、上記疾患により急性硬膜下血腫を来たし、緊急で病院に転送し、手術治療で一命を取り留めた患者さんがおられます。

頭痛に関しても、ただの頭痛と判断せずに受診し画像検査で評価することが重要です。

 

 

 

あなたも『頭痛から卒業』を目指して一緒に治療しませんか?

 

 

 

 

 

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